ネットワークエンジニアや開発エンジニアを募集中のエフルート株式会社にインタビュー
月間400万人以上が利用する携帯電話向けモバイル検索ポータルサイト「froute.jp」を運営しているのがエフルート株式会社。
モバイル検索ポータル事業、コンテンツ配信事業やモバイルメディアシンジケーション(広告)など、モバイルに特化した強みを持つ会社です。
今回は大規模なサービスを支えるネットワークエンジニア、システム開発エンジニア・プログラマを募集しているとのことで、インタビューをしてきました。
モバイル関係で何かやってみたいと思っている人は必見です。
市ヶ谷、靖国通り沿いにあるビルにエフルートは入っています。
ビルの目印は入口の前にある「To point Ω」という黒い石のオブジェ。
取材日は新卒セミナーが行われていました。
入口に飾られていたケータイ犬。
こちらが会議室。オフィスは非常に新しくてキレイです。
会議室の壁面にはガリレオの言葉。
オフィスの風景はこんな感じ。ひとりひとりのスペースが広くてうらやましいです。
女性も戦力として活躍しています。
今回話をうかがったのはエフルート株式会社取締役副社長兼COOの尾下順治さんと
システム・サーバー運用部ゼネラルマネージャーの木村義彦さんです。
◆エフルートとはどのような会社なのか?
GIGAZINE(以下、Gと省略):
まずはエフルート株式会社がどのような会社なのか教えて下さい。
尾下:
エフルート株式会社の創業は2003年7月で、創業以来ずっとモバイルの検索ポータルサービス「froute.jp」を中核にしながら事業を拡大しています。現在は検索ポータルの圧倒的な集客力を生かしたコンテンツ事業や、数億のネットワーク力をいかしたモバイル広告事業などを行っています。基本的にはBtoCの各種サービスをモバイル向けに展開しているという形です。
G:
「froute.jp」はユーザが400万以上だとうかがいました。創業から5年で大きく成長しましたが、これは他の会社と何か違う強みなどがあったのでしょうか?
尾下:
エフルートが他の検索サイトに比べて圧倒的に優れているのは、検索表示のクラスタリング技術です。「検索はあくまで入口」という見方が強く、従来は検索表示の仕方、UIなどは二の次にされる傾向にありました。でも、「印象の約8割は視覚で決まる」という法則もあるように、多くのユーザーに長く使われるサービスになるためには使いやすさにこだわっていかなければと早い段階から確信し、ひたすら続けてきたのが差別化につながっていると思います。業界でも「froute.jp」のUIや検索表示アプローチを参考にしている、と言っていただいているところがたくさんありますし、モバイル・PCに関わらず、検索の一つのあるべき将来像を先駆者として実現しているという自負はありますね。
G:
なるほど。
これが独自の表示技術を持つ「froute.jp」の検索結果。欲しい情報はもちろん、関連する情報が「スポット情報」「music」「画像・動画」のようにカテゴリごとに表示されています。
尾下:
うちは今、市場としては3位グループにつけており、その上にはYahoo!さんとGoogleさんがいます。1年以内にはモバイル検索のシェアで、Yahoo!とGoogleを倒したいという野望があったりします。
G:
1年以内とはすごい野望ですね。もしYahoo!とGoogleを抜き去ったらどうなるのでしょうか。
尾下:
目指すのは、情報格差のない世界ですね。みんなが必要な情報を平等に、最適な形で得られるようにしたいというビジョンがあります。それを考えると、いまや子供からお年寄りまで日本人の8割が持っており、「24時間30センチ以内」に存在するといわれるモバイルは、PCよりもずっとそれに適していますよね。本当に近い未来、モバイルがインターネットメディアの主役になってくるんです。エフルートは、そうなったときにGoogleやYahoo!よりも多くの人に満足してもらえる形で実現できるノウハウをもっている、という自信を持っています。
G:
なるほど。
尾下:
さらに、これはもっと将来的な話ではあるのですが、インターネットがよりシームレスになるにつれ、モバイルが1人1人に最適化された「情報コンシェルジュ・情報エージェント」になっていくのではないかと思っています。音声認識や顔認識などが進んでいけば、モバイルはユーザーのニーズを検索ワードだけでなく、声、表情、温度など色んな側面からキャッチして情報を出してくれる、ドラえもんみたいな存在になると考えているんです。そのときも、エフルートの役割は、1人1人のニーズを満たす情報を最適な形でデータベースから出してあげることですよね。つまり、1番たくさんのユーザーに接することができるプラットフォームになると思っています。
G:
なるほど、それは面白いですね。
◆スピード感が自慢
G:
2006年10月にWikipedia検索、11月に掲示板横断検索、12月にYouTube検索、2007年に入っても動画検索、PCページ検索というように、矢継ぎ早に他社に先駆けてサービスを提供しているようなのですが、これには何か秘けつがあるのでしょうか?
尾下:
何より、やりたいことがもともと手元にもの凄くたくさんあるというのが1番の理由ですね。会社の体制や文化の側面から言えば、サービスを考える人間と作る人間がより一体となって動ける環境であることも秘訣です。実際に社員の何気ない1言がきっかけでサービスが生まれたり、社長が社内をうろうろしながら「こんなの面白くない?」といったアイディアがその場ですぐに実現されたり、ベンチャーならではの一体感とスピード感がありますね。あとは、ベータ版だろうがアルファ版だろうが、作ったものはたとえ未完成要素があってもいったん出してしまい、ユーザーのダイレクトな反応や声をきいてブラッシュアップしていくという一種のオープンソース的なアプローチをとっていることもあると思います。
◆サービス開発の現場はどんな雰囲気なのか
G:
なるほど。非常に勢いのある会社というイメージを受けました。
続いては今回募集を行う現場で働く方のお話を伺いたいとおもいます。まず、木村さんがエフルートに入ったきっかけは何だったのですか?
木村:
もともと前職の時に、代表の佐藤と一緒に仕事をしたことがありまして、当時から彼のことを「すごく面白い人だなぁ」と思っていました。その後、佐藤に誘われてモバイルネットワークのビジョンを聞かされたのですが、ちょうど僕も当時モバイル事業部で開発をしていて、モバイルの未来や将来像に期待していたところだったんです。この人と一緒にやっていこうと決め、エフルートに入りました。
G:
それはいつごろのことですか?
木村:
2004年の末ですね。
G:
現在はどのような仕事をなさっていますか?
木村:
エフルートの各事業部、検索やコンテンツ、メディアのシステムの全般をみているような感じです。
G:
現場スタッフの平均年齢はどれぐらいですか?
木村:
26~27歳ぐらいですね。若いメンバーが活躍しています。
G:
かなりお若いですね、ベンチャーって感じがします。役員との距離も近い感じですか?
木村:
とても近いですよ。例えば一日に何回も代表の佐藤が私の席までやってきて「ここをこうしたい、どう思う?」と相談や意見を持ってくることがありますね。
G:
メールではなくて直接話に来られるんですか。
木村:
社長に限らず、役員も社員もみんなメールよりもその場で「こうしたい」ということを伝えることが多いですね。非常に意見を言いやすい環境ではあります。これだと伝わるのが早くてスピード感が生まれるメリットがあるのですが、デメリットとして後で「言った、言わない」というのがあるのでシステムのメンバー内ではなるべくしないようにしていますけどね(笑)。
オフィスの風景。
本棚にはコンピュータ関係の雑誌からゴルフ雑誌までいろいろ。
手作り感あふれるゴミ箱。
おしゃれなBGMが流れていました。
オフィスの中央にはウォータークーラーが設置されています。タンク交換時は男性社員が頑張るそうです。
◆数々の危機を乗り越えて成長してきたサービス
G:
利用ユーザ数が現在約400万人、と順調に伸びてきていますが、これまでで最大の危機はどんなことでしたか?
尾下:
検索自体は危機の繰り返しといえるかもしれませんね(笑)。2003年から検索サービスは作っていたのですが、当時は今よりサイトの数が少なかったのでずっとディレクトリ検索をやっていたんです。ところがさすがにページが増えてきてCGMも流行ってきたということで、2005年末ぐらいからロボット検索の方を作り始めて6月にリリースし、「frouteもロボット検索含めて検索サービス頑張っていきます」と記者発表をやったところ、翌月にauとGoogleさんが提携してauのトップページにGoogleが載りますとなって。「おい、どうするよ」みたいな感じになりましたね(笑)
G:
大ピンチですね。
尾下:
それまではキャリアさんのポータルとサードパーティのポータルにはある程度の住み分けがあったんですが、Googleの検索窓がついてしまうことでサードパーティポータルの存在意義がなくなってしまうのではないかといろいろ考えました。でも、あきらめるよりはとりあえずやっていこうかと続けていたら、なぜかクエリがどんどん増えていったんです。それまで検索という文化に触れたことの無かったユーザさんがGoogleの検索窓を使ってみたけれど、当時のGoogleモバイル検索は今より大分クオリティが低かったこともあってちょっと物足りないなということになったのか、だんだんとfrouteにたどり着き始めたんです。
G:
モバイルに最適化した形だったから、Googleよりもユーザーにとって魅力的だったのでしょうね。
◆社長の持つ伝説的エピソードとは
G:
仕事の中での尾下さんの伝説的なエピソードはありますか?
尾下:
私は自分ではあまり思い浮かばないのですが・・代表の佐藤はたくさん伝説を持っていることで有名ですよ(笑)。彼はよく携帯ユーザの心がわかると言っているんですが、そんなに携帯ユーザと仲がいいというわけではなくて、本人がもの凄いヘビーユーザなんですよね。今でこそYouTubeやニコニコ動画といった動画サービスがあるのでパケホーダイを使いながら100万、200万パケット使うことは当たり前になってますけれど、彼はまだまだモバイルでは文字情報しかないような時代に200万パケットぐらい使っていて、その請求書が会社に届いたりしていました。この数字はさすがにおかしいだろうということで誰のものか聞いたら佐藤の携帯で、ああ佐藤さんならしょうがないね、とみんなが納得するような場面もありました。
G:
文字情報で200万…想像を絶しますね。
尾下:
携帯は肌身離さず持っていますね。最寄り駅の市ヶ谷から私が帰社する時に佐藤とすれ違ったので「お疲れ様」と声をかけたのですが、それに全く気付かずに携帯の画面のみをひたすらみつめながら駅まで歩いて行ってしまったりとか。
木村:
サーバーのアラート監視より早くサービスの異常に気付いたこともありますね。
G:
なんですか、それは。
木村:
サーバーの負荷が高いとアラートが担当者に届くようになっていて、担当者はアラートが届くとサーバーに入って対応するんですが、それより先に佐藤から「あれ、おかしいんじゃないか?」というようなメールが届いたりするんです。それも午前4時頃ですよ。
G:
ずっと使っているからわかるんでしょうか。
木村:
朝方だろうが真夜中だろうが監視システムより先に届くのですごいなぁと思いますね。
G:
もう佐藤さん自身が監視システムみたいになっていますね(笑)
尾下:
あとは、このWikipedia検索ですね。検索は意味を調べる人とサイトなどの目的地を調べる人の二種類がいて、あまり意味を調べるためのページはモバイルにはないんです。それならWikipediaかはてなキーワードにリンクすればいいという話になって、Wikipediaの方が数が多いからじゃあ Wikipediaでやろうということになりました。このとき、実はやろうと決めてから情報をクローリングしてサービスインまでたった2週間でやってしまったんですよ。このスピード感はなかなかないと思いますね。
G:
2週間はすごいですね。企画は佐藤さんがやるんですか?
尾下:
佐藤や他のプロデューサーが担当しています。佐藤は本当に細かくて、ユーザインターフェイスのここのフォントがどうだとか、ラインの書き方がどうだとかいうところは全部チェックを入れています。
G:
やはり自分自身で使われるからチェックも厳しいんですね。
尾下:
そうですね。経理の人がfroute.jpを使っていて「ここのリンクのボタンのところがわかりにくいです、佐藤さん」と言ったら佐藤が自分の席の所に戻っていって10分後ぐらいに「直したので見てもらえますか?」なんて光景もありました。
G:
木村さんにお聞きしたいんですが、現場の仕事での伝説的エピソードはありますか?
尾下:
サイト立ち上げの数とかはありますね。
木村:
過去のエピソードですが、新規コンテンツとして電子書籍の配信サイトを最短2日で立ち上げたことがありますね。これが最短記録です。
G:
それは企画から2日ですか?
木村:
もともと漠然とした企画はあって、それを元にして一気に作りましたね。サイト数は去年30サイト立ち上げましたね。メンバーは3人で、月に多いときは10数サイトやりました。
G:
月に10以上ですか、すごい早さですね。それは佐藤さんから10サイトやれと言われたんですか、それとも自分たちでやるぞと?
木村:
これは別のプロデューサーに立ち上げるからやるぞと言われましたね。そういえば、YouTubeがdocomoに対応としたというニュースを2週間ぐらい前に目にして、「こんなのあるらしいですよ」とエンジニアが言ってきたので「じゃあそれに対応しよう」ということでだいたい1時間後ぐらいにうちの docomoの検索結果からYouTubeに直接飛べるようにしましたこともあります。これはたぶん日本で一番早かったのではないかと思います。
G:
1時間!とんでもない早さですね。
木村:
面白い人物では、毎朝8時に来るエンジニアがいます。彼は一年間、毎朝8時に来て毎日靖国神社を散歩しています。趣味が散歩らしくてずっと続けているので、誰も彼には勝てないですね。独自のレジェンドを作りたいらしいですよ(笑)
尾下:
たまに一駅先まで行って戻ってきたり、ちょっと気分を変えて手前で降りて歩いてきたりするらしいですよ。
G:
他になにか面白いエピソードなどありますか?
尾下:
佐藤がとにかく変人で面白いです。社長らしくない社長で、常にサービスのことばかり考えていて、いろんなことは置き去りにしているので私がそれを拾っていってるようなイメージなんですけれども(笑)。でもそのスピード感についていって自分たちの領域でも仕事をしないといけないなと思いますし、彼の思い描いている世界観が実現するとすごく面白いだろうなとワクワクもしますね。そういうところを一緒に感じていけたらいいなと思います。一度佐藤の話だけでも聞きにきていただければ、もっとうちに興味をもっていただけるんじゃないでしょうか。
G:
佐藤さんはおいくつぐらいなんですか?
尾下:
33歳です。
G:
佐藤さんはいつごろから携帯電話を使っているんですか?
尾下:
学生時代から相当使っているらしいです。
G:
端末をたくさん持っているんですか?
尾下:
それが全然持たないんですよ。本人はすごく持ちたいらしいんですが、持つとなくしてしまうので。
木村:
今は2台持っていたはずですよ。
尾下:
それが、やっぱり無理だからやめたみたいです。「僕もう無理、なくすし」と(笑)。
ユーザーが検索しているワードを可視化しているサービス「検索生中継」。見ているだけで今なにが注目されているのか分かります。
休憩室。
定番のオフィスグリコ。
このようにくつろいだりするそうです。
ちゃんと分煙スペースも設置されていました。
◆人材募集の背景。ネットワークエンジニア・プログラマについて
G:
今回の募集背景はどのような感じですか?
尾下:
まず、ネットワークエンジニアに関して言えば、クエリ数の増加などを見ていただいた通りサービスが大きくなるにつれてサーバの増設が毎月のようになってきたので、そろそろ専用の人員が必要になってきたんです。開発エンジニア・プログラマについても、どんどん新しいコンテンツや企画を作っていくなかで、そのスピードに合わせて開発をしていける人員を増やしたいというのが大きな理由ですね、
木村:
ネットワークエンジニアの方にはサーバの設計・構築・運用をお任せしたいと思っています。今は私が兼任でやっているのですが、サービスの伸びにつれて佐藤チェックも追いつかなくなってきていますからね(笑)専任としてスキルを磨いていただきたいです。開発エンジニア・プログラマは検索のシステムを中心にコンテンツやメディアの開発をお願いすることになります。
◆募集する人材の人物像
G:
会社全体として求める人物像や人材というのはありますか?
尾下:
基本的には「モバイルはすごいぞ」というのが我々の根っこにあるので、そこに共感してくれるような人ですね。自分自身もパケットがまだ定額ではなくて画面 がカラーになりたてのころ、いくら携帯が便利でもPCには勝てないと思っていてノートPCとPHSを持ち歩いていたんです。でも、だんだん携帯が高性能・ 高機能になってきたこともあり、自分もわざわざノートPCを開くのが面倒になってきています。情報の取り出し口は一番身近なモバイルになる、という根本的なビジョンに共 感してくれるような人がいいですね。
G:
なるほど。
尾下:
そして、やっぱりYahoo!とgoogleに勝ちたいんです。だから、挑戦者としてやっていくのが好きな人ですね。いざyahoo,googleに挑戦しようと思ったとき、不利な条件を挙げ始めるときりがないと思うかもしれませんが、少なくとも日本という限られた土地でのモバイルの接近戦に限っていえば、サービス・会社としての優位性は十分あると自負していますし、決して不利ではないと思っているので、市場の強者に立ち向かうというチャレンジングスピ リッツを持った方が欲しいなぁと思います。
G:
日本ではみんな携帯電話を持っていますからね。
尾下:
パケット定額制ユーザはキャリア発表はありませんが3000万人ぐらいいるはずで、固定インターネット回線が2800万ぐらいと言われているんです。ルーターで 何台もつながっているから絶対数はPCの方が多いと思うんですが、それほど変わらなくなってきていてモバイルもメディアとしては今ではかなり大きいんです。ところがまだまだ多くの人はその価値や可能性に気付いていなかったりするので、本気で自分たちが第一人者として取り組んでいくというところにロマンを感じて欲しいですね。
G:
なるほど。新しく作り出していくのが好きな人なんかいいですね。
◆開発エンジニア・プログラマに求めるスキル・人物像について……チャレンジ精神!
G:
必要なスキルなどはありますか?
尾下:
一番は当社のビジョンに共感でき、気概のある人ですね。やっぱりプログラムに対するスキルはあるに越したことはないですし、あれば即戦力として優遇させていただきますが、うちのエンジニアには元ニートや元バーテンダーといった経歴の人間もいますからね。チャレンジ精神と、ちょっとだけスキルがあれば大丈夫じゃないかと思います。
G:
基本的にはやる気がある人ということですね。
尾下:
そうですね。そして心身共に健康であることですね。健康でやる気があれば言うことはないです。
木村:
健康でやる気があればもう言うことはないですね。
G:
「健康」というともしかして三日連続徹夜できるとかいうことはないですよね。
尾下:
それは全然ないですよ。うちの会社で一番徹夜が多いのは僕で、ちょっと前は木村さんで…。それでも多くても月に一回あるかないかですね。
G:
なるほど。
木村:
この規模のベンチャーとしてはあまり過酷な労働というイメージはないですね。ただ、やろうと思えば何でもできる環境ではありますし、やっぱり一番やる気を重視したいと思いますね。
尾下:
あとは、楽しんで仕事をしてほしい。やる気の根っこにあるのは自分が楽しんでやれるかが重要で、楽しんで仕事をするためにはモバイルがすごい、可能性がある、と思えるかどうかにつながっていると僕は思っているので、そこをぜひ感じて欲しいです。ここだけでは伝えきれないこともたくさんありますので、一度お話に来ていただければ嬉しいですね。きっと面白い!と思っていただけますよ。
G:
採用の決め手となる条件、たとえば携帯電話が好きだとか、でっかくなりたいとかはありますか?
尾下:
そうですね。あとは、僕は本当にGoogleやYahoo!に勝つサービスが出てきてもいいんじゃないかと思っていて、それを自分の手で生み出したいな と。グローバルではすぐには壁はまだまだ高いと思うんですが、自分たちのこの領域では負けないという気概を持ってサービスを作れる方が欲しいですね。
木村:
あと、新しい情報に対する感度の高い人が欲しいですね。普段からいろんなサイトやサービスを試したり、いろんなブログを読んでいたり。
尾下:
GIGAZINE読んでいるとかもポイント高いですね(笑)
G:
働くことで身に付くスキルなどはありますか?研修システムが充実しているとか。
尾下:
充実した研修システムというわけではないですが、最低限のスキルを身につけるために外部の学校に通ってもらうためのサポートなどは会社からあります。あとは現場から学んでもらうというスタイルですね。受託開発でグループの一員としてサービスを作って、不備があったら責任は上司が取るというのではなく、自分が作ったサービスが明日にはユーザに提供されてそこで何が起こっているかすぐに上がってくるという緊張感やスピード感があるので、伸びていけるというのはあると思います。
G:
さきほど話に出た元バーテンダーの方などもそうやって現場でもまれていったんでしょうか?
尾下:
そうですね、もともと彼は音楽でプロになりたくて音楽の学校に通いながらバーテンダーのバイトをしていたんですが、バイトを変えることになってうちに来て、音楽の方はちょっと厳しいなということになってうちで頑張りますということになったんです。
G:
その方も最初は経験なしで?
木村:
なしです。もともとインターネットなどが好きだったということがあったので、うまく現場で学んでいってもらいました。
G:
なるほど、やる気があれば十分やっていけると。
尾下:
そうですね。やる気と、何か輝くものがあれば。もう一人変わったのがいて、大学の数学科出身で「生まれ変わったら僕は二進数になりたい」という名言を残しているんですが、彼ももともと音楽が好きで、うちがやっている一般クリエイター作の着メロの配信代行サービスの投稿者だったんです。そうしたら、着メロの 投稿メールと一緒に「僕を雇ってくれませんか」というアルバイト応募メールを送ってきたので入れてみたんです。最初はサイトのプロデューサーだったのですが、なぜかインテグラルとかシグマとかを出して新しい企画のプレゼンをしてきたりして(笑)「こいつはなんなんだろう?」と思っていたのですが、ある時別のエンジニアが考えに詰まっていた検索のアルゴリズムを見て「このアルゴリズムならいけるんじゃないでしょうか」エクセレントな回答を出してきて。もうプロデューサーをやるよりエンジニアに向いているんじゃないかと、試しにやってみてもらったらメキメキと力をつけてしまって。今はもうかけがえのない戦力になっています。
木村:
彼のノートには数式がいっぱい書いてあるんですよ。もう趣味になっているらしくて。休日にはなんかの方程式を解いてました、とか言っていましたね。ちなみに彼の野望はレコメンドエンジンを1から自分で作り上げることらしいです。
G:
あると歓迎されるスキルなどはありますか?
木村:
強いていえば、ウェブアプリケーションを動かす上で必要なApaccheやMySQLなどが動作するサーバーを作ったことがあれば非常に有利かなとは思います。
尾下:
例えば、あると歓迎する経験としては何らかの検索サービスを作ったことがあったりすると非常にうれしいですね。大きさの規模は問わず、なんらかの検索サービスを作ったことがある人はいると思うので。検索を自分の仕事にしたいと思っている人はいいんじゃないかと思います。
G:
なるほど。
尾下:
ちょっと知り合いのエンジニアさんと話をしていて、暇だったからクローラー作ってみたよとか、ちょっと作ったら一日2000万URL取れたけど使いません?と言われたりしたので、そういう人がいればぜひ欲しいです。
G:
他の仕事では味わえない醍醐味、他の会社とは違うぞ!という点はありますか
木村:
さきほどから出ているスピード感ですね。新しいものをどんどん企画して世にだしていく、この経験はなかなか他ではできないかなと。そして、これはどこのエンジニアも思っていることですが、自分が作ったコードやプログラムのちょっとした工夫や新 しい試みが売上に直結していたり、DL数が3倍になった、検索数が増えたというのがあったりしてもの作りと結果が密接に関わっているのが感じられます。
G:
現場の要望なども通りやすいんですか?
木村:
内容にもよりますが、社長に直接言ったりするので要望は通りやすい環境だと思います。エンジニアも一ユーザとしてやって欲しいというのが僕の願いで、使いやすいか否かというのはすべてユーザの要望次第で、必ずしもユーザが言ってくるわけではないのでエンジニア・プログラマが1ユーザである方がいいサービスが作れるのではないかと思います。
元バーデンダー。現プログラマー。
二進数になりたいという名言を残したエンジニア。
◆ネットワークエンジニアに求めるスキル・人物像について・・1歩上のエンジニアへ
G:
今回募集するネットワークエンジニアですが、エフルートで働いて身に付くスキルは?
木村:
サービスを運用していく会社なので、ネットワークエンジニアにもサービスの内容を理解したうえでの技術提案などが求められますので、コミュニケーション能力は磨かれると思います。また、求めるスキルとも重なりますが、そういうことにチャレンジしたりできる環境だと思うので、ネットワークエンジニアとしてサーバーの監視をするだけではなく、より経営に貢献できるようなところに参加したり、開発の基盤やエンジニアをサポートするツールを作ったりするような裏で支えるところに参加したりすることで、いろんなスキルを身につけられると思います。
G:
ネットワークエンジニアの方について、応募者はこんな人がいいというのはありますか?
木村:
やっぱり…ここでもNO,1になるんだという気概は大事です(笑) あと、チャレンジ精神を常に持っていてほしい。スティーブ・ジョブズの言葉を借りるなら"Stay Hungry. Stay Foolish."ですね。
G:
開発環境で気になったのですが、デバッグは実機でやっているんですか?
尾下:
はい、実機でやっています。
G:
ということは、携帯電話がずらっと並んだ部屋みたいなのがあるんですか?
尾下:
部屋はないですね。数が足りない時はキャリアさんのところへ行きます。あと、プライベートで使っている携帯電話のパケット料金はぜんぶ会社が支給していて、スタッフが全部50人ぐらいいてその数だけ電話があるので、テストする時には貸してもらったりしています。
G:
なるほど、パケット代支給のほかには何か会社独自の特典などありますか?
尾下:
機種変更や新規購入代金は15000円を上限に支給しています。新しい携帯電話に触ったときってすごくワクワクするじゃないですか。その端末を触るワクワク感とかを思い出してユーザ目線でサービスを作って欲しいと思っています。
デバッグ中。
もう一つの休憩スペースにはホワイトボードが。
靖国通りに面しています。
中央に写っているのが靖国神社。
◆一日の平均的な仕事スケジュールは?
G:
エンジニアの一日の平均的な仕事スケジュールは?
尾下:
うちの会社はフレックスタイム制で、コアタイムが10時半から16時なんです。わりと朝は遅めですね。大体10時から10時半の間に出社する社員が殆どです。2007年の4月に入社したエンジニアでいうと、午前中は、細かい案件を2~4件ほど処理して午後は検索システム開発を行っていますね。昼食はだいたい12時から14時ぐらいの間に取るんですが、13時を過ぎると大抵お店が空いてるので、喜んでいるみたいです。夜は20時から21時の間に帰ります。
G:
木村さんの一日のスケジュールはどんな感じですか?
木村:
10時ぐらいに出社して、午前中はサーバーの状況やアラートなどのサーバーまわりの仕事をやって、システムの各メンバーにいろいろな案件を投げたりして終わります。お昼は12時くらいにとって、午後は会議が入ることが多いですね。その合間に日によっては新しい案件の設計や障害対応があって、夜は基本的に自分の仕事をする感じです。帰りはそこまで遅くはなりませんが、ここのところは多少飛び込み案件などがあったので、21時~22時が多いですかね。
G:
なるほど。以前はもっとお忙しかったのではないですか?
木村:
そうですね最近はメンバーも増え、仕事を委譲できるようにもなったので、大分楽になりましたよ。一昨年くらいは寝袋と枕、洗面用具と着替えを全部そろえていました。最近は全く使わなくなりましたね。
G:
一階に売店がありましたが、他の社員のみなさんはどこで食べているんですか?
尾下:
最近隣のビルにお弁当屋さんができたので、それを利用する人が増えているみたいですね。遅い人は13時30分ぐらいにお弁当屋さんに行ったりするんですが、そうすると普段は3 品のおかずが5品になって、ご飯がてんこ盛りになって500円とかになっていたりします(笑)
木村:
あとは靖国神社が目の前にあるので、暖かいときはみんなでお弁当持っていって食べたり、散歩している人もいますね。エンジニアの人間はとくに散歩が好きみたいです。気分転換になるのでしょうね。
◆エフルートの今後の展開
G:
会社としての今後の展開などは?
尾下:
インターネットが今後にメディアの中心になるのは当然だと思うのですが、モバイルがインターネットの入口としての役割がもっと増していくと考えています。その一方で、モバイルを本気でメディアにするんだと言っている会社はまだまだ少ないので、エフルートではそれを言い続けたいと思います。そのためにやれることとして、検索サイト 「froute.jp」をもっと大きくして認知度を上げていきたいし、ブランドとして最終的にYahoo!さんやGoogleさんに勝る存在になっていきたいです。
G:
特にPCの方に手を伸ばすということはないですか?
尾下:
ないです。戦略的なものより戦術的な問題、選択と集中でうちは今PCをやれるだけの余裕やリソースがないということで、まずはモバイル一本槍でポジションをがっちり築きあげるということをやりたいですね。
G:
まずはYahoo!とGoogleを乗り越えるということですね。
◆応募者へのメッセージ……本当の「ベンチャー」を体現したい
G:
では、最後に応募者へのメッセージをお願いします。
尾下:
ジョブズなしで(笑)
木村:
そうですね…Google倒しませんか?
G:
いいですね。Googleですか!
木村:
先ほどもお話ししたように、モバイルの検索は彼らにとってはまだまだ補助的なものでしかないので、そこで可能性を信じている僕らとしては自分たちでそこにこだわってもっともっといいものを作りたいと思っています。
G:
では、尾下さんから応募者へのメッセージをお願いします。
尾下:
僕はもともとベンチャーキャピタルからの出向だったんです。転籍するきっかけとして、日本にベンチャーが少ないというのがありました。数が少ないのではな く、ベンチャーの志が少ないですよね。ベンチャーというのは零細のことではなく、社会に未だなくて、周りが気付いていないサービスや価値を発掘し、自分たちの行動でそれが正しいのかと社会に問い続けるということだと思うんです。そういう“本当のベンチャー”をこの会社ならやれるのではないかと思っています。過去の成功や社会の既成事実などにとらわれないで、モバイルをメディアにするという2003年当時は口にするのも恥ずかしかったようなことの正しさを証明し続けるというのは、自分たちの価値だけで なく社会に与える価値が相当に大きいと思っています。それを一緒にやれる楽しさ、意義を感じられる人と一緒に仕事をしたいと思いますね。
※この取材は、ドリコムジョブボードのJob buzzとGIGAZINEのコラボレーションによって行いました。Job buzzへのお問い合わせはこちら。
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