コラム

世界最大のでかすぎるイベント、ドイツ「CeBIT」紀行


テクノポップグループの元祖「クラフトワーク」が復活した2000年に開催されたドイツ万博。その跡地を展示会場にしたコンピュータ関連Expo「CeBIT」(セビットと読みます)。世界最大規模のITイベントと言われているが、一体どれだけでかいイベントなのか?

その知られざる実態を以下、現地写真付きレポートでお送りします。日本の展示発表会などとはスケールも内容も何もかもが違っています。
はじめてCeBITに訪れることになったのが2002年の春。招待してくれた会社がくれたのは下記のような配置図だった。下記の写真で言うところの「6」に出展しているから、訪ねてきてくれということだった。(写真は2007年のもの)


チケットを購入し、門を抜けると、写真のような大きなホールが待ち構えていた。


さっそくこのホールに入り、「6」のブースがどこにあるのかを探した。しかし「6」と書いてあるエリアには、一社ではなく数社が出展している……。しかたなく出展していた中国系の人に「この6というのは、この辺ですか?」と聞いてみるが、上手く英語が伝わらない……。ドイツのイベントに出展している中国系の人だ…しかたない…インフォメーションを探すことに……。尋ねてみると驚愕の事実が……。

「1」から「26」まであったのは出展ブースのことではなく、「開催ホール」の数字だったのだ!!


確かに配置図の中に「P」と書いてある……確かに……駐車場がホールの中にあるはずはない……上の写真をみてもわかる通り、一つのブースのサイズは、かなりのものだ……。「ホール6に行くにはどうしたらいいのか?」とインフォメーション嬢に聞くと、敷地内を走るバスに乗るといいとのこと……バス……!?

つまり、出展企業数は約8000社!1ホールに平均しても307社が出展していることになる。出展企業リストがパンフレットにないと思っていたら、有料らしく、それはちょっとした国語辞典よりも、分厚いものだった……。(ちなみにCeBit2002の来場者数は70万人、島根県の人口とほぼ同じである)

会場内も広く、ちょこちょこ会場内を電動スクーターで移動する輩を見かける


2階建てのブースも多く、1階で展示、2階でミーティングなどを行っている


やっと目的のセキュリティソフトウェアのブースまで来た。目的地は、当時パートナーだったG DATA Software。ちょうどノートンのシェアを追い落とし、勢いづいている頃で「アンチノートン」のようなキャンペーンをやっていた頃だった。そして歩いているうちにシマンテック(ノートン)のブースを発見……

なんかシマンテックのブースから黄色い人が飛び出ている……これはシマンテックの何の製品のキャンペーンだ……?と、思っていたら……。


なんと!ここが目的地のG DATA Softwareのブース!となりのブースから助けを求めている黄色い人をG DATAが助けているという構図になっている……こんなんアリなのか!?


色々なブースをみているうちに17時58分……もう閉場だ。とりあえず、ブースにいたスタッフらしき男性に「Dr.Dirkに挨拶したい」というと2階へ招待された。

2階にあがると、お盆にビールを乗せた女性が「ビアー?」と聞いてくる。え……もう閉場なのでは……?と思っていると……


ブースで、なにやら料理が用意されはじめた


ブースは、そのまま雪崩れるようにパーティ状態に。閉場は?と尋ねると「パーティが終わるまで」とのこと。


結局、この日、ブースでのパーティが終わったのは23時頃でした。時差ボケと飲み過ぎで目をこすりながらホテルへ。まだホテルにチェックインしておらず、住所をプリントした紙をタクシードライバーに。

タクシーから雪の残る中、下ろされるも、ホテルらしきものが見つからない(写真は日中ですが実際は24時過ぎ)


付近にコンビニのようなものもない。それもそのはず、ドイツは「閉店法」という法律で20時以降にスーパーやコンビニなどのようなものを基本的には営業できない。真っ暗な中、紙に書いてある住所と、表札にある住所らしきものを照合する。すると、かなり近いことが判明。携帯で電話してみることに。
「今日宿泊予定のものですが……(日本訛りの英語で)」
「あなた今、どこですか?(ドイツ語訛りの英語で)」
「表札にホテルと、ほぼ同じ住所が書いてある家の前です」
そういうと、一軒家のドアがカチャカチャっと!!

なんと予約されていたのは、ホテルではなく、ごくフツーの家……?


「ここ僕が予約した部屋ですか?(脅えた日本語訛り)」
「もちろん!できれば、もっと早く帰って来てほしかったわ」
ドアを開けてくれたのは、どうやらこの家の奥様。息子と二人暮らしらしいのだけど、息子は寮生活で、この家にいないということ。で、部屋に通されると……

って……これ息子の部屋では……


「ここ?僕の部屋?(不思議そうに)」
「もちろん!!明日の朝は何時?トースト?中華料理はないのよ(笑)」
どうやら、ホームステイということらしい……。後になって知ることだが、会場近くにはホテルは多くなく、近隣に宿泊する多くの人たちがこういったホームステイをし、ネットのホテルサイトからも予約できてしまうのだ!会場開催地にはICEという新幹線が通っていることから、多くの人は、30分~1時間の範囲のハンブルグなどから通ってくる。Expo2000のテーマが「人、自然、技術」であったため、会場をつくるにあたって、無駄なホテルなどは建設しなかったそうなのだ。宿が足りなければ、現地の人の家に宿泊し、現地に還元する。新幹線の料金も日本の半額以下。確かに、合理的な考え方かもしれない。

おまけ。駅でみかけたステキ広告。ドイツのみんなも同じ悩み。ひとつ上野バナナ!


[Reported by JagYamamoto]

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in コラム, Posted by darkhorse

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