ソフトウェア

Windows 8の初期のビルドには幻のネコが存在していた


かつてWindows 8の奥深くにネコが潜んでいたという開発秘話を、Microsoftで25年間Windowsの開発を続けてきたレイモンド・チェンさんがブログで公開しています。

The cats sitting on a fence in early builds of Windows 8 - The Old New Thing
https://devblogs.microsoft.com/oldnewthing/20220208-00/?p=106232


Windows 8のタブレットモードは、画面が積み重なっていくレイヤーで構成されています。最初はスタートレイヤーが開いており、アプリを起動するとアプリレイヤーが全画面で表示され、スタートボタンを押すと今度はアプリレイヤーの上にスタートレイヤーが表示され……という形で、常に1枚は何らかのレイヤーが表示される仕組みでした。


しかし開発にはバグがつきまとうもので、何らかの理由で全てのレイヤーが表示されなくなることがあったとのこと。その場合は真っ暗なブラックスクリーンが表示されますが、ブラックスクリーンを見ても原因がビデオドライバーにあるのか、コンポジターにあるのか、シェルにあるのか、それとも単にレイヤーを配置し忘れただけなのかは分かりません。

そこで、原因究明の一つの手助けとして、レイヤーの配置忘れを検知できるようにネコのAA(アスキーアート)を一番下のレイヤーとして開発者たちは配置していたとのこと。

ネコのAAは全部で9枚のアニメーション形式で、一番下のレイヤーが描画されるような壊滅的なエラーが発生するたびに次のコマが表示されるようになっていました。実際には、1枚目のコマが表示されることすら珍しく、最後のコマが表示されることは無かったそうです。

そんな幻のネコのAAアニメは下記の通り。月が沈んで「Good Night Moon!」のセリフが表示されるまでが9枚で、10回目以降の描画を求められた場合は逆再生し始めるようになっていたとのこと。


このネコはしばらくの間一番下のレイヤーで過ごしていましたが、ネコのAAには起動シーケンスの中で唯一等幅フォントが使用されており、このレイヤーのためだけにフォントのラスタライズ処理が発生して時間やメモリが消費されていたとのこと。最終的にはパフォーマンスチームからの指摘で取り除かれることになってしまったと述べられています。

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in ソフトウェア, Posted by log1d_ts

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