うち捨てられたソ連のスペースシャトル「ブラン」の格納庫に潜入してドローンで空撮を行う猛者が出現
米ソ冷戦のまっただ中、ソ連はアメリカの「スペースシャトル計画」に対抗する再使用型の宇宙往還機計画「ブラン計画」を推進し、実際に数機の機体が製造されました。しかし、ソ連の崩壊とともに宇宙船は放置されるようになり、現在は廃墟ともいえる格納庫の中にうち捨てられています。そんな格納庫に潜入し、カメラやドローンを使ってブランの機体を撮影する猛者が登場しています。
010 Abandoned Soviet Space Shuttles - YouTube
四輪駆動車に乗って、ブランが放置されているカザフスタンのバイコヌール宇宙基地に向かう一行。しかし、一般人の立ち入りは認められていないため、コッソリと潜入する計画を立てている模様。
誰もいないはずの広大な草原ですが、一行の目線の先に突如として自動車のライトが見え、さらには3発の銃声が聞こえたとのこと。ここで一行は自動車から降りて基地を目指します。
歩いていると、地面に鋭利な鉄の棒が埋め込まれているのを発見。自動車で走っていたら間違いなくパンクして立ち往生していたところです。
暗闇に身を隠して進む一行。
幾多の障害を乗り越え……
ついに大きな建物に到着。
中に入り、階段を降りていくと……
そこには、闇に浮かぶ宇宙船「ブラン」の巨体が横たわっています。
ライトに照らされる機体保護パネル
そして、機体尾部に取り付けられた逆噴射用ロケットエンジン。暗闇の中の撮影のため、全貌が明らかになるのは夜が明けてからです。
窓のまったくないスペースに身を隠して夜が明けるのを待つ一行。
そして夜が明けると、ハンガーの中に眠るブランの姿が見えました。ただし、これらのブランは製造途中でうち捨てられたもの。実際に飛行にこぎ着けた完成機は、2002年に格納庫の崩壊で破壊されて残っていません。
撮影していると、ハンガーの外に車が停まった物音が。このエリアは管理されているため、見つかるとただ事では済まない模様。
一難去って、再び機体のまわりを撮影。
1993年の計画中止以来、およそ24年にわたって放置され続けてきたブラン
「めったに来られるわけじゃないので、中に入れるか調べてみよう」とのことで入り口を探します。
小さな窓が開いていましたが……
ここは何やら端子盤だった模様。
翼の上から……
機体側面の丸いドア経由で中に入れることを発見
そして潜入
中は真っ暗で、ライトの明かりを頼りに進みます
あちこち歩き回る一行
別のメンバーは、コックピットから屋根の上に出て……
この光景。ブランの上に立てるチャンスなど、そうあるものではありません。
しかしここで、またもや警備の物音が。ブランに隠れてやり過ごす一行。
格納庫の外には、いまでもいくつもの建物が建ち並んでいる模様。
双眼鏡を使って見張っていると……
実際に動く人影も。廃墟とはいえ、管理されている建物なので潜入が見つかると大変なことになります。
潜入中に食事をとるシーンも。
そんなさなかにも、またもや隠れなければならなくなったり。
カメラとドローンを充電する男性。これから機体のまわりをドローンで空撮するようです。
しかし、ドローンの飛行に必要なGPS信号が見つからないため、フライトは困難だった模様。
画面はエラーメッセージだらけだったようです。
しかし空撮には成功。おそらく、世界で初めてブランの格納庫を空撮した映像で、今までに見たことがない様子が収められています。
ブランのシャープな機首部分
長い年月の間に、ずいぶんとホコリをかぶってしまったブラン。
それにしても巨大な格納庫です。
1993年の計画中止後も、なんどか「ブラン復活」の計画はあったようですが、いずれも実施には至っていません。米ソの宇宙開発戦争で生みだされた遺産は、この後どのような運命をたどるのでしょうか。
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