ソ連崩壊で頓挫した幻のロシア製有人宇宙船「ブラン」の今


旧ソ連時代を含めてロシアのすべての有人宇宙船の打ち上げに使われているバイコヌール宇宙基地は、今年で生誕60周年を迎えました。そのバイコヌール宇宙基地の片隅に、ロシアの宇宙開発の歴史に埋もれた幻の有人宇宙船「ブラン」が眠る施設がひっそりと存在しています。

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バイコヌール宇宙基地はアラル海の東に位置するカザフスタン・チュラタムにあります。そのバイコヌール宇宙基地の広大な敷地内にある最大の施設「Prikampromproekt」。


高さは62メートル、全長132メートルのPrikampromproektは、他の建物と比べても圧倒的な大きさです。


内部はこんな感じ。


なぜこんなに大きいのかというと、オービタ「ブラン」を保管しているから。


2機のブランが保管されています。


1991年のソ連崩壊のあおりを受けて有人宇宙船ブランの開発計画は中止され、現在も再開されていません。これらの2機のオービタは旧ソ連の宇宙開発計画の歴史の遺物というわけです。


施設内には400トンの重さを持ち上げられるクレーンが3基設置済み。


内部は昔ながらの白熱灯で照らされるとのこと。


側面にはあらゆる高さで作業が可能なように、数十階分の通路がもうけられています。


通路は荒れ果てた状態。


ブランを取り囲めるようにジャングルジムのように組まれた足場の数々。


ブランに乗り込む際のボーディング・ブリッジ。


万一、ロケットが爆発した際に生じる衝撃波にも耐えられるように、施設内は巨大な鉄の柱と梁で覆われています。


ブランは1992年に初の有人飛行が計画されており華々しく宇宙デビューする予定でした。なお、ブランの機体にはスペースシャトルと異なり推進用のメインエンジンは搭載されておらず、大型ロケット「エネルギア」で軌道まで運ばれます。


在りし日のブラン。


今はこんな感じで古ぼけています。


ウマ(=リジッドラック、馬ジャッキ)をかけて機体は持ち上げられた状態。


機体の表面の塗装もところどころはげてしまっています。


機首部分。


20年以上も野ざらしにされたブランは、渡り鳥の糞に汚されてしまったとのこと。


逆噴射ロケットはほぼ無傷。


もう1機のブランは比較的、損傷が少ないようです。


耐熱タイルが張り巡らされています。


ブランを支えるウマはレールに乗せられており機体を移動させられます。


ブランの内部は開発当時のまま。


コクピットはこんな感じ。


ペイロード部分。


エンジン部分。


保存状態は良さそうです。


ロシアの宇宙開発計画は現在も旧ソ連時代の遺産を活用し続けており、新しい宇宙船の開発はありません。冷戦が終結し、宇宙開発競争の相手だったアメリカのスペースシャトルも引退した今、トーンダウンするロシアの宇宙船プロジェクトゆえに、栄光の歴史を物語る遺産としてブランは今後も存在感を保ち続けそうです。

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