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Amazonは「地球上で最もお客様を大切にする企業」を目指すものの最適価格の商品を表示せず

By skyfish81

Amazonは「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」を理念に掲げていますが、ウェブサイト上で商品を検索した時の並びは「最適な価格」の順番になっておらず、割安の商品を差し置いてAmazonの自社商品を上位に表示するという「自社を大切にするアルゴリズム」になっていると指摘され、Amazonがコメントを出しています。

Amazon Says It Puts Customers First. But Its Pricing Algorithm Doesn’t. - ProPublica
https://www.propublica.org/article/amazon-says-it-puts-customers-first-but-its-pricing-algorithm-doesnt

Amazon algorithms don't usually get you the best price (updated)
https://www.engadget.com/2016/09/20/amazon-shopping-algorithm-study/

Amazonでは同一の商品を「Amazon」と「Amazon以外の販売者」が販売しています。このうち、Amazon以外の業者が販売する商品は、「Amazonマーケットプレイス」と呼ばれる売り場に出品されており、値段や送料もそれぞれ異なります。また、Amazonのアルゴリズムは検索ワードからさまざまな価格と送料の組み合わせを提示するようになっています。


非営利のニュースサイト・ProPublicaは、ある日液体接着剤のロックタイトを求めてAmazonを検索しました。Amazon.comの競合サイトであるTheHardwareCity.comではロックタイトが送料無料で6.75ドル(約686円)で販売されており、同じく競合のFatBoy Toolsでは送料無料で7.27ドル(約738円)だったとのこと。その一方で、Amazonは自社が販売するロックタイトとは別の接着剤を複数提示し、最安値は7.80ドル(約792円)だったものの、別途6.51ドル(約661円)の送料も必要だったとのこと。Amazonでは「ロックタイト」の検索結果の1ページ目のほとんどが競合の実質2倍近くの価格の製品を提示していたことになります。

このことからAmazonは「お客様を大切にする企業」を目指しているにもかかわらず、利益を優先するアルゴリズムを使っているのではないか、と考えられます。そこでProPublicaは数週間で「最もたくさん購入された商品」を250個ピックアップし、それらの商品ページを表示した時に「オススメ」として何が最優先で表示されるかを調査しました。その結果、全体の4分の3がAmazonの自社ブランド製品が提示されることが判明し、ほかの割安な商品が提示されないこともあったとのこと。


また、1つの製品を多くの業者が販売している場合がありますが、「販売価格+送料」の比較ページを開いても公正な結果が表示されず、プライム会員なら送料無料になる商品は送料が含まれない価格でランキングに配置されるとのこと。前述の「ロックタイト」もプライム会員なら送料が無料になるため送料の表記が省略され、Amazon上で検索すると5番目に安く購入できると表示されましたが、実際は39番目に提示されるべき総額の製品だったそうです。ProPublicaは「Amazonブランド商品は80%以上が実際より高いランク付けになっています」と話しています。

AmazonはProPublicaの記事公開後に公式コメントを出しており、「ランキングされた製品のほとんどはプライム会員か49ドル(約5000円)以上購入した非プライム会員なら送料無料になる商品です。記事で指摘されているソート・アルゴリズムは90%が『注文された商品』をもとに動作するよう設計されており、送料は含まれません」と説明。アルゴリズムの詳細についてはコメントを断っていますが、「送料無料」はAmazonの魅力の1つであるため「最低価格」以外の条件でも並び替えを行うことで幅広い選択肢を提示しているとのことです。

なお、Amazonの広報担当は顧客からの要望があれば、最低価格だけをソートする仕組みを検討しているとコメントしています。

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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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