自分の好きな機能のパーツを組み合わせてスマホを作るGoogleの「Project Ara」が開発中断
Googleのパーツ組み換え式スマートフォン開発プロジェクト「Project Ara」といえば、Google I/O 2016の中でより現実的な端末路線へのシフトおよび、2016年後半の開発者向けエディションのリリース、さらに2017年の一般向け製品版リリースが発表されていました。しかし、VentureBeatやReutersといったメディアが、プロジェクトは一時中断状態にあると報道しています。
Google confirms suspension of Ara modular smartphone project | VentureBeat | Mobile | by Harrison Weber
http://venturebeat.com/2016/09/02/google-confirms-it-has-suspended-its-ara-modular-smartphone-project/
Exclusive: Google shelves plan for phone with interchangeable parts - sources | Reuters
http://www.reuters.com/article/us-google-smartphone-idUSKCN11806C
Project Araのパーツ組み換え式スマートフォンは、ユーザーがパーツを組み換えて自由にスマートフォンをカスタマイズできるようになる、という究極の自由度を目指したプロジェクトです。とにかくバッテリーをたくさん積んで長時間駆動を可能にしたり、スピーカーを複数搭載してみたり、被写体に応じてカメラモジュールを取り替えたりと、ユーザーの使い方に合わせてスマートフォンを自由かつ簡単にカスタマイズできるというのがProject Araのポイントでした。
そんなProject Araでは、Panasonic・東芝・Micron・Samsung・ソニーなどの大手企業とモジュール開発を進めていることが明かされていたわけですが、同プロジェクトに関わる情報筋が、「プロジェクトは中断状態にある」と明かしています。Googleは2016年5月に開催されたGoogle I/O 2016の中で「2016年秋に開発者向けエディションのAraをリリースする」としていましたが、プロジェクトが中断状態にあるという情報通りなら、リリースが延期される可能性は高くなります。
報じられている内容によると、GoogleのProject Araが中断状態となっている背景には、Googleが開発しているChromebookやNexusシリーズなどのさまざまなハードウェアを統一しようという動きがあるとされています。この動きというのは、2016年4月にMotorolaの元CEOであるリック・オスターロー氏がGoogleに復帰した際に明らかになったもので、Nexus・Chromecast・Pixel C・OnHub・ATAP(Project Araの開発部門)・Google Glassといった複数のハードウェア事業がひとつの組織で統括されることが判明しています。
「パーツ組み換え式のスマートフォン」というコンセプトはIT業界に大きなインパクトを与えました。また、パーツを替えることでハードウェアを最新のものにすることが可能となるため、スマートフォンの製品寿命が延び、電子機器の廃棄物減少にもつながるのではないかと期待されています。しかし、組み換えパーツは高価なため、一部では「市場を形成するのは難しいのでは?」とも考えられてもいました。
なお、GoogleはNexusシリーズとは異なるAndroid端末を自社開発する方針であることも明らかになっています。
Googleが「Nexus」シリーズではないAndroid端末を自社開発する方針であることが明らかに - GIGAZINE
・関連記事
Googleのモジュール交換式スマホ「Ara」の開発者バージョン公開、市販時期も決定 - GIGAZINE
Googleのパーツ組み替えスマホ「Ara」のリリース計画に遅延、原因については情報が錯綜中 - GIGAZINE
Googleの自作スマホ「Ara」にゼンハイザーがオーディオモジュールを提供 - GIGAZINE
Googleのパーツ組み換えスマホ「Ara」がついにリリース決定 - GIGAZINE
好きなパーツを組み合わせるGoogleのスマホ「Project Ara」が実際に動作する様子を初披露 - GIGAZINE
・関連コンテンツ