ポケモンGO(Pokémon GO)が大ヒットしたせいで非公式チャットアプリ「GoChat」もユーザー数爆増＆サーバー代急上昇で作者が破産寸前

by Shannon | Flickr

現実世界でポケモンを探してつかまえるスマートフォンゲーム「Pokémon GO」は、ベータテストを経て海外では2016年7月5日からサービスを開始しています。Pokémon GOにはチャット機能が搭載されていないため、ユーザー同士の情報交換にはサードパーティー製アプリを使う必要があるのですが、ポケモンの出現場所などの位置情報を共有可能なチャットアプリ「GoChat」ではユーザーが一気に増加した結果、サーバー代が急激に上がって作者が破産の危機に陥っています。

This man's Pokémon GO chat app is so successful that it's driving him bankrupt | The Verge
http://www.theverge.com/2016/7/11/12153370/gochat-pokemon-go-chat-app-jonathan-zarra-interview

GoChatを開発したフリーランスデベロッパーのJonathan Zarra氏は、Pokémon GOのベータテスト参加中に、「Pokémon GOにはユーザー同士で会話できるチャット機能が搭載されていない」と気付いたことからチャットアプリを開発することにしたそうです。GoChatはiOSとAndroid用の無料チャットアプリで、Pokémon GOのユーザーがゲーム内の位置情報付きでメッセージをやりとりすることが可能なため、ポケモンの出現場所や、アイテムをゲットできる「ポケストップ」の情報を交換することができます。

GoChatが公開されたのは、Pokémon GOのリリース1日前のこと。公開から5日間でGoChatは100万人のユーザーを獲得し、サーバーへのリクエストは毎秒600回にものぼっています。Zarra氏は、「GoChatの公開初日には、合計で1万回インストールされた」とRedditに投稿しています。Pokémon GOがリリースされた後、GoChatはさらにダウンロード回数を伸ばし、App Storeのアプリランキングではトップ10に入るほど人気を集めています。

あまりにも急激にユーザー数が増えたため、GoChatはサーバーが落ちかかっているとのこと。新規アカウントの登録ができない問題や、アカウント登録後もメッセージの更新中にアプリがクラッシュするなどの問題が発生しています。また、Zarra氏はサーバー代がかさんで破産するかもしれないとのこと。

Zarra氏は「Pokémon GOは位置情報に基づいたゲームであるため、チャット機能はアプリに搭載されていてしかるべきです」と語っています。スマートフォンアプリについて分析しているSensor Towerの調査によれば、Pokémon GOのダウンロード数は750万回にのぼっていて、10％のユーザーはPokémon GOをプレイするために何らかのサードパーティー製チャットアプリを使っているとのこと。

by Eduardo Woo

また、GoChatは既に100万回もダウンロードされているにもかかわらず、収益が全く発生していないそうです。Zarra氏は、GoChatに広告表示を加えたバージョンを現在アプリストアに申請中ですが、Zarra氏は「私は広告が嫌いです。また、GoChatで収益を上げることで、株式会社ポケモンから何らかの法的な措置があるかもしれないと心配しています」と語っています。

Zarra氏はGoChatの開発資金について公開していませんが、Zarra氏と共同でアプリを開発している企業・UpworkのAbdoelrhman Eaita氏によれば、GoChatの新しいサーバーを構築するために4000ドル(約41万円)程度かかるだろうとのこと。Zarra氏は「目下、サーバーの増強を第一に考えています」と語っています。

なお、アメリカではPokémon GOのサービス開始2日目でAndroid端末の5％以上にインストールされたとのこと。アメリカ国内でPokémon GOをインストールした現役軍人が、イラクで繰り広げられているISISとの戦いの最前線で、Pokémon GOを起動してゼニガメをゲットしています。

We spoke to the US veteran who took a break fighting ISIS to catch Squirtle | The Verge
http://www.theverge.com/2016/7/11/12149510/pokemon-go-fighting-isis-kurdistan