実物を見ずに描いてもらった自転車イラストを現実化すると大体こんな感じになる

なんの準備もなしに「今ここで自転車の絵、描いてくれる？」と言われたら、多くの人は正しい形が思い出せずに苦労するはずで、中には本物とは似ても似つかぬ奇妙キテレツな自転車を描いてしまう人もいるかもしれません。そのようにして描かれた自転車をCGで現実化してみると、ものすごいことになってしまいました。

Gianluca Gimini - *product design & visual communication - homepage
http://www.gianlucagimini.it/prototypes/velocipedia.html

この試みはイタリア系アメリカ人デザイナーのジアンルカ・ジミニさんが行ったもの。ジミニさんは友人や見知らぬ人に「自転車描いて？」とムチャぶりして、描いてもらったイラストを6年間にわたって集めてきたとのこと。

そうやって集めたイラストは376枚にものぼり、3歳から88歳までの男女が描いた自転車イラストの一大コレクションが完成。「イラストの自転車が現実に存在したらどんなものになるのか？」ということで、ジミニさんはそのいくつかをコンピューターで再現することにしたそうです。

例えば、こんな手描きのイラストの場合は……

こうなりました。ざっくりとした雰囲気はカバーできているものの、ペダル部分と後輪の間にあるはずのフレーム(チェーンステー)がないので、ペダルをこいだときにどんなことになるのか空恐ろしい気がします。

こんなブッ飛んだイラストを実写化すると……

こう。もはや自転車とは言えないような……

わりと自転車っぽく見えるこのイラストの場合は……

こんな感じ。かなりいい感じで本物に近いのですが、やはりチェーンステーがないので激しいペダリングは禁物。

このイラストもかなりいい線を行ってますが……

CGにすると、なんだか不思議なことに。実際に人が乗ると速攻でポッキリと折れてしまいそう。

ちょっと嫌な予感のするイラストだと……

こうなりました。まったく安心して乗れる気がしません。

旗のようなものがついたイラスト

こうなりました。競技用の自転車のような雰囲気で現実味が高そうに見えますが、実はハンドルが切れない仕様なので完全にアウト。

かなりミニマルに描かれたこの自転車は……

こんな感じ。前後とも片持ちタイヤになっているのがすごい。

ゴツい線で描かれたこの自転車

こうなりました。思わず「おっ」と言ってしまいそうなデザインですが、よく見ればチェーンが前後につながっていたり、フレームが車輪の右側だけにあったりと、じつはかなり大変なことに。

一連の作品の中で高い完成度を示していたのがコレ。前後対称っぽいイラストが……

こうなりました。ハンドルが切れなくなっていたり、チェーンが前輪駆動になっていたりといろいろ問題はありそうですが、フレームの色合いやレトロ感のある形状がいい感じなので実車化されたら人気が出そうなデザインになっていました。

ジミニさんのコレクションを分析すると、女性の90％がチェーンを前輪につなげていたほか、男性はフレームを妙に複雑に描く傾向にあるなど、興味深い状況が見えてきたとのこと。この他にもジミニさんのページではナナメ上な自転車やイラストが公開中なので、じっくり見てみると面白そうです。