スマホに使われるゴリラガラスがフォードのスーパーカー「フォードGT」に採用される
自動車メーカーのフォードが2016年に市販するスーパーカー「フォードGT」に、スマートフォンの画面などに多く用いられるコーニング製の高強度ガラス「ゴリラガラス」が採用されることが明らかにされました。軽量・高強度のガラスを採用することで、高い運転性能が実現されるとのことです。
Ford and Corning Introduce Industry-First Gorilla Glass Hybrid Windshield Technology on All-New Ford GT Supercar | Ford Media Center
https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2015/12/15/industry-first-gorilla-glass-hybrid-windshield-on-all-new-ford-GT.html
高い耐キズ性能を持つゴリラガラスはスマートフォンを中心に広く採用されてきましたが、次の活躍の場は自動車の分野へと広がるようです。2016年初頭に市販が開始される予定の新型「フォードGT」では、フロントガラスと車体後部に位置するガラス製のエンジンカバーにゴリラガラスを採用し、車体の軽量化が図られています。
ゴリラガラスの採用により、従来のガラスに比べて30%以上の軽量化と、25%から50%の厚み削減を実現しているとのこと。それでいて、ガラスそのものの強度は従来と同等以上だそうです。実際に新型フォードGTではガラス単体で5.4kgの軽量化を実現しているとのこと。特に車体の上部に位置するガラスの重量を少なくすることで車体の重心位置を下げ、車両の運動性能が向上しているようです。
この両社のコラボレーションは、車体の軽量化技術の開発を進めていたフォードがコーニングにアプローチしたことがきっかけで実現したとのこと。現在の自動車に広く用いられている「合わせガラス」は複数のガラス板の間に樹脂製のプラスチックフィルムを挟むことで耐衝撃性とガラス破片の飛散防止を実現しているのですが、これはおよそフォードを創業したヘンリー・フォードによって自動車に用いられはじめた技術。そのフォード社が次世代の自動車用ガラスにゴリラガラスを採用するということも、興味深い出来事といえそうです。
自動車への採用にあたり、フォードではゴリラガラスを装着した車両を用いて飛石に対する強度や荒れた路面、車体を横転させるロールオーバー試験や、風洞実験などを行って性能を確認してきたとのこと。以下のムービーではそんな試験の一場面を見ることができます。
ゴリラガラスは、フロントガラスとエンジンカバーに加えて乗員スペースとエンジンルームを隔てるバルクヘッドの一部にも用いられているとのこと。これはおそらくドライバーシートの後方に置かれたエンジンからの騒音を遮断する隔壁ガラスのことを指していると思われます。
ゴリラガラスの採用により、安全性が向上していることももちろん間違いないと思われますが、フォードでは車両のパフォーマンス性能の向上を前面に押し出している点が興味深いところ。今後、一般の車両にもこの技術が用いられることになるのか興味深いところです。
・関連記事
自動車のワイパーが不要になる新技術をマクラーレンが開発中 - GIGAZINE
希代の名車「マクラーレンF1」のマニュアルに隠されていた小さなヒミツ - GIGAZINE
2億円のヴェイロンと1.6億円のラフェラーリが衝突事故を起こす唖然呆然のムービー - GIGAZINE
車体価格1億2千万円の「パガーニ・ウアイラ」はこんなにスゴいクルマ - GIGAZINE
1000馬力超の最強スーパーカー「ブガッティ・ヴェイロン」の販売が終了 - GIGAZINE
1台4000万円のランボルギーニ・アヴェンタドールをドバイ警察がパトカーに採用 - GIGAZINE
フェラーリ・エンツォやベントレーコンチネンタルでラリーに挑戦するムービー - GIGAZINE
・関連コンテンツ