iPhone 6s/6s Plusの性能の劇的な進化を各種ベンチマークで証明
発売から3日で1300万台を売り、過去最高の販売ペースで上々の滑り出しを見せたiPhone 6s/6s Plusですが、AnandTechが各種ベンチマークを測定して主要なスマートフォンと比較することで、iPhone 6s/6s Plusの圧倒的な性能向上の様子が明らかになっています。
iPhone 6s and iPhone 6s Plus Preliminary Results
http://www.anandtech.com/show/9662/iphone-6s-and-iphone-6s-plus-preliminary-results
AppleのiPhoneシリーズは、デザインを刷新してモデルナンバーが変わるブランニューモデルと、内部パーツを見直して性能向上を果たす「s」付きマイナーチェンジモデルという風に、チクタクペースで1年ごとに改良されるのが慣例です。そのため、外観こそiPhone 6/6 Plusとほとんど同じのiPhone 6s/6s Plusはブラッシュアップが目的の改良モデルと思いきや、新技術「3D Touch」を導入したり、iSightカメラ(リアカメラ)が1200万画素にアップしていたり、4Kムービー撮影に対応したり、メモリが2GBと倍増したりと大幅な改良が加えられており、これまでにない大進化が果たされたニューモデルとなっています。
見た目こそ大幅な変化がないため小改良にとどまると思われがちなiPhone 6s/6s Plusですが、各種ベンチマークで進化のほどを探ると、予想以上の大幅改良になっていることが判明しています。
◆ストレージ性能
SoCだけでなくストレージを制御するNANDコントローラーをAppleが独自設計していることはあまり知られていません。この独自設計の恩恵を、MacBookのSSDコントローラー技術がスマートフォンにも導入されるという形で受けたのがiPhone 6s/6s Plusで、NVMe規格の採用により、ファイルの読み込み速度、書き込み速度が大幅に向上しています。
ランダムリード(4KB)の速度を比較するとこんな感じ。グラフの数値は大きいほど読み込み速度が速いことを意味しており、iPhone 6s PlusがiPhone 6 Plusよりも30%以上高速化していることが分かります。
ランダムライト(4KB)も大幅に速度アップしています。
特筆すべきなのがシーケンシャルアクセスでの高速性能。iPhone 6s Plusのシーケンシャルリード(256KB)の速度は他の追随を許さない圧倒的なもので、iPhone 6 Plus比でも約59%アップという劇的進化を見せています。
シーケンシャルライト(256KB)でも劇的な性能アップが明らかになっています。
これらの劇的な性能アップは、NANDがSLCキャッシュメモリとTLCキャッシュメモリを組み合わせたハイブリッド構造になっているからで、シーケンシャルライト(256KB)での書き込み実験では、約3GBの書き込みまで高速なSLCキャッシュが効いていることが判明しています。
◆JavaScript実行速度
iPhone 6s/6s Plusで搭載された新SoC「A9」は16nmもしくは14nmプロセスのFinFETを採用しており、それぞれTSMCとSamsungが製造しているとみられています。A9チップは高速化とともに省電力化を果たしているところに大きな特長があるとのこと。
Kraken JavaScript Benchmark(v1.1)を使ったウェブブラウザのJavaScriptの実行速度を比較。グラフの数値は小さいほど高性能であることを示しており、iPhone 6sの優秀さが分かります。
GoogleのOctane 2.0では、Surface Pro 3は別格としても、iPhone 6sは他のスマートフォン・タブレットを圧倒しています。
◆グラフィック性能
ゲームを快適にプレイするために重要となるグラフィック性能を測定するとこんな感じ。なお、グラフの数値は大きいほど性能が高いことを示しています。
定番の3Dベンチマークソフト3DMarkの総合スコアや……
Graphicsともに、iPhone 6sはSurface Pro 3に次いで第2位。
なお、物理シミュレーションではiPhoneシリーズはこぞって分が悪い模様。
OpenGLに特化したベンチマークソフトGFXBench 3.0での結果はこんな感じ。
◆バッテリー性能
iPhone 6sでは、iPhone 6よりもバッテリー容量が、1810mAhから1715mAhに減少したことがiFixitによる分解レポートから明らかになっています。
バッテリー減&増量と引き替えに「3D Touch」を得たiPhone 6sの中身はどうなっているのか? - GIGAZINE
Wi-Fi環境下のウェブブラウジングでの連続駆動時間を測定するとこんな感じ。Apple公式では「連続通話時間、連続待受時間、インターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生などで変化はない」とされていますが、AnandTechによるテストでは、バッテリー減少分通り約6%の減少が確認されています。とはいえ、iPhone 6s Plusのバッテリーの持ちは、スマートフォン・タブレットの中ではかなり優秀なレベルを維持されていることは明らかです。
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