ハードウェア

筆を持ったNCマシンが画家のタッチを再現する「Robo Painter」


繊細なタッチでキャンバスの上に微妙な表情を作り出す表現テクニックこそが画家の真骨頂ですが、そんなテクニックを機械で再現してしまいそうな「Robo Painter」が開発されています。Robo Painterはコンピューターで制御されるNCマシンを流用したもので、人間の画家による筆の圧力(筆圧)を機械的に再現して微細なタッチを表現することを目指して作られています。

Robo Painter
http://www.instapainting.com/blog/research/2015/08/23/ai-painter/

「人間の手による微細な表情は機械には再現できない」といわれてきた状況は変化しつつあるようです。アップロードされた写真をもとに、コンピューターと人の手を組み合わせて絵画を作成して販売しているInstapaintingでは、コンピューターが人間の筆さばきを記録して機械的に再現する装置「Robo Painter」の開発が進められています。


以下のムービーではRobo Painterが人の動きを再現して絵を描く様子が収められているほか、ムービー後半ではその様子を完全に再現して同じ絵を複製している様子を見ることもできます。

AI Robo Painter - YouTube


Wacom製のペンタブを使って筆のタッチを「入力」する画家。ペンタブを使うことで、画家のタッチをデジタル化してコンピューターが扱えるデータを生成します。


そしてこの機械が、筆を持って絵を描くことができる「Robo Painter」。基本的には、コンピューターを使って動きを自在に操ることができるNCマシンを流用したものですが、前後左右の「X・Y軸」に上下方向の「Z軸」を加えた3次元制御を行えるようになっているのがポイントです。


Z軸の動きで筆をキャンバスに押しつけるため、筆先がぐにゃっと曲がっている様子がわかります。


筆がパレットに筆をつけて絵の具を含ませます。偶然なのか狙った動きなのか、パレットの縁に筆先を当てて余分な絵の具を落としています。


そのまま「ぐいーん」とヘッド部が移動し、画面の向こう側から絵を描き始めました。


左に映るペンタブの動きがそのままマシンに伝わっています。画面で見る様子だと、動きのレイテンシ(遅延)はほとんど発生していない様子。動きを制御するサーボモーターなのか、かなり「ごりごり」という音が聞こえます。


木の幹と花のような絵が描かれており、その雰囲気は「墨絵」のよう。


驚くことに、画家が「ピンッ、ピンッ」と素早く筆を払う動きも再現されています。このマシンにはかなり高い追従性が備わっていることを垣間見せる瞬間でした。


このようにして描かれた墨絵風の作品。若い木に咲いた花によってくる小鳥が描かれているようですが、この絵がプリントではなく筆で描かれたというのは実に驚きの光景。


ムービー後半では、マシンが自動で同じ絵を描くシーンが収められています。真っ白な紙がセットされたマシンの様子。


まずは筆に墨を含ませ……


細かな動きで木を描いていきます。


黒くベタ塗りしながらも、微妙な濃淡が求められる小鳥の部分も同じように再現。


ほどなくして完成。一見しただけでは最初との違いはほとんど見分けられません。


こちらがオリジナルの作品。墨の含み具合にも左右されるのか、小鳥の再現具合や筆の「はね」の部分に微妙な違いは見受けられますが、その再現度は見事であり、原理的には「人間を上回っている」と言ってしまうこともできそう。


このように、Robo Painterは意外とも思えるほど高い描画能力を備えていることがわかります。現段階では単色しか扱えない様子なので表現の幅は限られているようですが、「印刷」とは全く違う原理で絵画を再現できる技術の発展に注目が集まりそうです。

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in ハードウェア,   動画,   アート, Posted by darkhorse_log

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