NVIDIA&Adobeコラボで生まれた「リアルタイムで3Dの油絵を描ける」シミュレータ「Project Wetbrush」


筆と絵の具を使う「油絵」は、現実世界では奥行き情報を持った3Dの作品です。デジタル世界のペイントソフトは基本的には2Dですが、奥行き情報を持つ油絵を、リアルタイムかつ精緻に再現する世界初の3D油絵ペインティングシュミレーター「Project Wetbrush」をAdobeリサーチとNVIDIAが共同開発しました。

Adobe Research, NVIDIA Team up on World’s First Real-Time 3D Oil Painting Simulator
https://blogs.nvidia.com/blog/2016/07/26/adobe-wetbrush/

世界初となるリアルタイムでデジタルの油絵を描き出すWetbrushがどのような技術なのかは以下のムービーで確認できます。

Project Wetbrush - Adobe, NVIDIA Collaborate on World’s First Real-Time 3D Oil Painting Simulator - YouTube


この本物の油絵にしか見えない絵は、AdobeリサーチとNVIDIAによって作られたリアルタイム3Dシミュレーター「Wetbrush」によって描かれたデジタル油絵。


Wetbrushによって描かれる油絵は、立体情報を持っているため、絵を見る角度を変えると陰影や光沢が変化します。これはリアルな油絵と全く同じ。


Wetbrushで絵を描く様子はこんな感じ。


ブラシツールを使ったり、絵の具の色を変えたりというのは一般的なペイントソフトと同じ。Wetbrushの大きな特徴は、筆の毛の動きまでリアルタイムで演算して、現実と同じようなリアルな「絵」を生み出すところ。


リアル・デジタルを問わず、クリエイターは油絵で描かれた絵画からインスピレーションを受けるなど、創造性をかき立てられるものだとのこと。そのクリエイターにとって特別な芸術作品である油絵を、デジタル世界のキャンバスで描くことができる世界初のシミュレーターがWetbrushというわけです。


Wetbrushでは、レイヤーによってZ軸方向の情報を持たせることで、油絵のもつ立体構造を再現します。


これによって、本物の絵の具で塗られたような陰影を再現することが可能。もちろん絵の具の色を混ぜ合わせることで、特別な一色を作れる絵の具の特性も、シミュレーションによってリアルタイムで再現できます。


Wetbrushの実現にあたっては、Adobeリサーチが2015年にコアとなるリアルタイムレンダリングのアルゴリズムを開発しました。そのアルゴリズムをスーパーコンピューター級の並列演算処理を持つNVIDIAのGPUによって最適化・実用化したのがWetbrushとのこと。

NVIDIAによるとWetbrushはGPUが実現する技術の一例を示すものに過ぎないそうで、GPUの演算能力を活用したディープラーニングによって、Wetbrushは機械学習によって自分で学んでより現実的かつ高品質な筆さばきになる可能性を示唆しています。

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