プロの料理人が3か月の実験で導き出した「本当に買うべき最高のまな板」とは?
まな板は台所の必需品でありながら、選ぶのが難しいものの1つでもあります。使い始めてはよくても、割れてしまったり、包丁によって傷が入りまくってしまったりと、後から問題が出てくることもしばしば。そこで、プロの料理人たちが3カ月の間いろいろなまな板を使いまくり、数々のテストを行うことで、「本当に買う価値がある最高のまな板とはどれか」を明らかにしています。
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最高のレシピを作るために実験を繰り返すAmerica's Test Kitchenは種類の異なる9つのまな板に対してさまざまなテストを行い、耐久性や使いやすさを調べました。9つのまな板の値段は22ドル(約2700円)から200ドル(約2万4000円)で、素材は竹材・木材・プラスチックなど。重さや固さもバラバラでした。
ただし、サイズに関しては「家庭で使いやすいように」ということで15~20インチ(38cm~50cm)の基準を設けたとのこと。
中には重すぎて女性の手では持ち上げられないものや……
持ち上げにくさを見越してグリップがついているものもありました。
ここでのよいまな板とは、使用中にまな板が滑らない、つまり安全性が高いもので、かつ包丁のコントロールが取りやすいものを指します。この時、コントロールの取りやすさは「包丁を入れると少しだけ傷がつく」ということがポイントとなったとのこと。全く傷が付かないまな板は包丁が滑りやすく、反対に傷が付きすぎると細菌が繁殖したり、色や匂いがついてしまうことになります。
そして最も重要なのが「丈夫さ」です。使い続けても平らで、机との間に隙間がでてきガタガタと揺れたり、割れてしまったりしないことが最高のまな板には求められます。
ということで、テストの1つでは、それぞれのまな板を3カ月間、いつも通りに毎日使用。
一方で、玉ネギをみじん切りにしたり……
ハーブや……
メキシコの香辛料であるチポトレを刻んだりして、まな板の汚れにくさをチェックしました。
骨付きの鶏肉を包丁で「ダンッ」とぶつ切りにして強度も調べられました。
750回連続でカットが行われたこともあります。
もちろんテストに使った包丁の切れ味は抜群。
何度も食洗機にかけられ、食洗機を使った時の安全性もテスト。
各まな板は使用するごとに洗われ……
最終的にはテーブルから落とすという耐久テストも行われたとのことです。
その結果、ブッチャーブロックと呼ばれる、いくつもの木片を組み合わせて作るまな板は木材であっても竹材であっても食材を切りやすいのですが……
濡れると膨張し、乾くと縮む、ということを繰り返すと木片の間に隙間が出てくるため、まな板の状態は非常に不安定でした。
竹材のまな板も同様に、複数の部材を組み合わせているため、ひび割れができてしまうことがあったそうです。
向かって左の一番上に置かれているのが竹材のまな板。横並びの長細い竹材が接着されているので、接合面に沿ってひび割れてくるわけです。
しかし、それ以上に最悪だったのが、フェノール樹脂と木繊維を合わせて作られたまな板。使用中にコンコンと音がうるさく、さらに薄いまな板に至っては使用していると曲がってきたとのこと。
分厚いものに関しては少しマシでしたが、まな板の破片が食材に混ざる事があったため減点。
プラスチック製のまな板は傷が付きやすいものの丈夫。切りやすさは木材と変わらないので、使い勝手は比較的よいそうです。
そして数々のテストの末に見つけた最高のまな板がコレ。チーク材でできており、天然の油成分があるためオイルやニスを使わなくても耐久性があります。また、濡れたり乾いたりを繰り返してもひび割れにくく、さらに木材特有の切りやすさも備えています。
チーク材でできたProteak製のまな板は表面が滑らかで、グリップがあるのも使いやすいポイント。テスト期間中、どんなに使っても美しさを保っていたそうです。価格はアメリカAmazonで91.82ドル(約1万1200円)。
「もう少し安いものが欲しい」という人にお勧めなのがOXO製のまな板です。プラスチック製なので軽く、左右にグリップがついているので持ち運びも楽ちんで、使用中も滑りにくい様子。食洗機でも洗えて価格は24.99ドル(約3000円)となっています。
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