「Apple Music」は無料トライアル終了後に約半数のユーザーに捨てられる見込みであることが調査により明らかに
AppleがWWDC 2015で発表した、月額980円で数百万曲の音楽を聞き放題になる音楽ストリーミングサービスが「Apple Music」です。日本時間の2015年7月1日からサービスがスタートし、記事作成時点でも登録から3か月無料で使えるトライアルを受付中のApple Musicですが、サービススタートから6週間が経過した時点でもiOSユーザーの約10%しかサービスに取り込めておらず、その後も継続して利用する確率が低そうだという現状が明らかになっています。
One in Ten iOS Users Listens to Apple Music | MusicWatch Inc.
http://www.musicwatchinc.com/blog/one-in-ten-ios-users-listens-to-apple-music/
Nearly half of listeners who try Apple Music have stopped using | New York Post
http://nypost.com/2015/08/18/nearly-half-of-listeners-who-try-apple-music-have-stopped-using/
Apple Musicのサービスそのものは、Appleが買収したBeatsの共同創業者で音楽業界の重鎮でもあるジミー・イオバイン氏とDr. Dre氏の主導の下で進められています。音楽ストリーミングサービスとしては後発の部類に入り、月額10ドル(約1200円)を支払う有料会員の数が2000万人を超えるSpotifyには大きく遅れをとっているのが現状。加えて、Spotifyには音楽聞き放題の代わりにアプリ上に広告が表示される無料サービスが存在し、これの利用者数は5000万人以上もいるそうです。
2015年8月6日、Appleのエディー・キュー上級副社長はUSA Todayのインタビューで「サービススタート後、最初の5週間でユーザー数は1100万人を超えた」と、ユーザー数は順調に伸びていることをアピールしていました。
ところが、Apple Musicの無料トライアルに参加しているユーザーの48%はトライアル終了後も継続してサービスを利用する気がないかもしれない、とする調査結果をMusicWatchが発表しました。
MusicWatchが13歳以上のアメリカ人5000名を対象に実施したApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスの利用に関する調査によると、iOSユーザーの77%がApple Musicの無料トライアルを知ってはいるものの、実際に無料トライアルに参加しているユーザーの割合はわずか11%であることが明らかになりました。この割合は「iTunesで有料の音楽をダウンロードしたことがあるユーザーの割合」や「iTunesで音楽を管理しているユーザーの割合」よりもはるかに悪い数値とのこと。また、Apple Musicスタート前にAppleがリリースしたストリーミングサービスのiTunes Radioを利用していたユーザーのうち、Apple Musicを利用しているユーザーの割合はわずか18%であったそうです。
さらに、Apple Musicの無料トライアルに参加したユーザーの48%は「既にApple Musicを利用していない」と答えています。なお、Apple Musicの無料トライアルに参加したユーザーの28%はSpotifyの有料会員、11%がSpotifyの無料会員、6%はインターネットラジオサービスのPandoraの無料会員であったとのこと。
なお、「Apple Musicを現在も利用している」というユーザーの64%が「有料になってからも利用し続ける」とコメントしているそうです。
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