トンガにある豚だらけのエウア島では道脇で豪快に授乳する光景にも遭遇
振り返れば豚がいる。ガサガサと落ち葉を踏みしめる音がして、誰かと確認すると、ただの豚でした。キョトーンとしたつぶらな瞳に見つめられてひと安心。そこは南太平洋のトンガにあるエウアという島。首都のヌクアロファのあるトンガタプ島から、船で簡単にアクセスできます。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。オーストラリアを基点に、太平洋の島国を周りました。ニュージーランドの次に訪れたトンガには、なんと豚だらけの島が存在。かわいらしい豚ちゃんたちが、トンガの人たちの日常に溶け込んでいます。
エウア島はここ。
◆トンガに入国
日本はいつにない暑さとなっているようですが、南半球なので季節が逆となるニュージーランドでは、手足がかじかむほどに凍えていました。あまりに厳しい寒さで、爪の先が変色して痛むほど。寒さに苦しめられたニュージーランドから飛行機で約3時間、降り立ったトンガで息を吹き返します。心地よい日差しが嬉しくて仕方がありませんでした。トンガも冬なので風が強いのは気になりましたが、日中はシャツ1枚で過ごせるくらいの気温でした。
ヴァージン・オーストラリアという航空会社での移動。
青い空と白い雲。
南国の開放的な雰囲気が漂う空港の玄関口。
もちろん、この旅の愛車となっているドッペルギャンガーの折りたたみ自転車を持参です。
◆エウア島への船
すべての物があって、さまざまな人が行き交う首都という場所は、その国の魅力にいまいち欠けます。だからこそ、トンガでは首都のヌクアロファのあるトンガタプ島から、エウア島へ向かうつもりでした。事前にトンガを旅行した方のブログを読んで情報収集。豚がいっぱいるという島に思いを馳せます。
自転車も載せていきました。
ヌクアロファの港を出て、しばらくはトンガタプ島に沿うように進むのですが、島から離れると船は大きく揺れ出します。2階の船室だというのに、窓から一定の間隔でみえる水平線。気持ち悪くなってきます。海賊王にはなれません。小さな子どもは、こらえきれずに口から逆流。酔いが回らないように、体を横にして大人しく過ごしていました。
ぐったりとした船内。
エウア島が近づいてきます。
このフェリーなのですが、聞く人によって答えが変わって、しっかりとしたスケジュールが掴めません。エウア島へ向かう船は、午後と聞いたのに、11時に出発の便があったり。首都ヌクアロファに帰る船は、翌日にあると聞いた便がなかったり。島で2泊した翌朝5時に、ヌクアロファへ向かう便があったので、何とかなりましたが、下手すると次のフィジーに向かう飛行機に乗れませんでした。もう少し、余裕のあるスケジュールを組むべきだったと反省。
行きに乗った「Onemato」という船。
行きは「Onemato」、帰りは「Alaimoana」という船を使いました。それぞれ23パアンガ(約1300円)と、20パアンガ(約1100円)、どちらとも自転車は5パアンガ(約300円)という値段。首都ヌクアロファとエウア島との間を、2時間30分~3時間で結びます。
◆豚のいる日常
草の根も残さず食いつくすことから、不毛の土地を多く抱えたイスラムの地では、豚が禁忌になったという説もあります。しかし、ここは南国の肥沃な大地。全てを覆い尽くそうとする緑に、すべてを食べつくそうとする豚。サンサンと降り注ぐ日差しの中、エウア島では、激しい生存競争が行われていました。
穏やかな時間が流れる村の小道。
空の青さに対抗するかのように、花々は鮮やかな色を付けます。
こうした、のんびりとした島の小道を、豚が普通に歩き回っていました。
小走りに道路を渡る子豚たち。
護送船団方式。
港に到着して島内を歩き出して、1分も経たないうちに遭遇したのが豚でした。「第一村人」より先に「第一豚」に逢える島。島内の集落は碁盤目に整備されているので、歩きやすくなっています。その集落のいたるところに豚がいます。場所によっては、たくさんの豚が密集するホットスポットもあり。
このように民家のすぐ近くで、豚たちが活動しています。
柵の中にも豚がいて、柵の外にも豚がいる状態。エウア島における豚の所有権が気になります。
街角にいる豚。
村の空き地にある草むらは、豚たちの楽園でした。
草むらの中に豚がいるような予感。
たくましいボディ。美味しそう。
ヤギさんと一緒にモグモグ。
海の見える場所でも、豚が歩いています。恋人と海をみつめていても、豚の鼻息が聞こえてきそう……。
まだらの入ったぶち豚。
三匹の豚。
貫禄のある大きな親豚と、愛らしい姿の子豚たち。
大中小、さまざまな大きさの豚が入り乱れていました。あなた好みの豚はいますか?
河辺にも降りていたりと、結構ワイルドな生活を送っています。
休むことなく口を動かしていたエウア島の豚 - YouTube
不用意に近づくと、びっくりして逃げ出しちゃいますが、じーっと眺めていると、向こうから近づいてきてくれます。
こちらを見つめるキョトーンとしたつぶらな瞳。
見つめているのにも関わらず、食事を続けます。
立派な鼻。
可愛らしい子豚ちゃんを、じーっとみつめていました。
癒やされること間違いなし、エウア島を歩き周る子豚ちゃんの日常 - YouTube
しばらく遊んでいると母豚が登場。「お母ちゃん、お母ちゃん、お母ちゃん」と猛ダッシュで駆け寄る子豚ちゃんたち。
子豚ちゃんたちは、お母ちゃん豚にぴったりくっついて離れません。いったい何がはじまるのでしょう。
いきなりに寝そべるお母ちゃん豚。露わになったたわわなおっぱいに、かぶりついた子豚ちゃんたち。いきなりの授乳ショーが始まりました。横たわった乳房を、子豚ちゃんたちは、激しい勢いでまさぐります。そのたくましい鼻を、押し合いへし合い、がっつりと突っ込んでいました。
まさかの授乳ショー。
▶ トンガのエウア島の道端でいきなり幕を開けた豚の授乳ショー - YouTube
むっくりと立ち上がるお母ちゃん豚。ひと仕事終えたようです。
すぐさまに、わしわしと草を食べ始めます。子豚ちゃんたちも同様に、わしわしと草を食べ始めます。このときに、子豚ちゃんが「もっとお乳」と乳首にアタックするのですが、お母ちゃん豚に「もう終わったのよ」と容赦なく振り払われていました。
テキパキと切り替えが早いこと。
空母を囲む護衛艦のような陣形。
子豚ちゃんたちは、連れて帰りたいくらいブヒブヒしていました。
とある民家では、生まれて間もない天使のような赤ちゃん豚を発見。
手のひらに乗っちゃいそうなくらい小さな姿。ヨチヨチと歩き回ります。
豚の赤ちゃんがこんなに可愛いとは。
◆トンガに暮らす人々
トンガに降り立って目にする人たちは、黒目、黒髪と日本人に近い顔をしていて驚きました。ただ、彫の深い顔に、くっきりとした二重、日焼けしたような褐色の肌と、南の国ならではの特徴もあり。子どもたちがいっぱい遊んでいるので、歩いているだけで楽しい国でした。
下校途中。
こちらも学生。伝統的な腰みのをまとっていました。
女子学生は、三つ編みのおさげが印象的でした。
車の窓から、顔を出していた子どもを捕まえて。
こちらも車に載っていた子どもたち。
誰かが見守ることなく、自分たちだけで遊びまくっていたガキンチョ。
世界中でたくさんの豚たちを追いかけてきたのですが、これほどまでに豚が飼育されている環境はそうはありません。好きなときに好きなだけ食べて眠る、生きることの本質に貪欲な豚の姿に、見惚れてしまうのは私だけでしょうか。豚好きにはたまらない島が、トンガにはありました。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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in 取材, 生き物, 動画, Posted by logc_nt
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