バッファローのハイエンド無線LANルーター「WXR-2533DHP」の速度測定を実施、ギガビット超えWi-Fi通信のポテンシャルを検証してみた


バッファローが2015年6月に発表したハイエンド無線LANルーター「WXR-2533DHP」は、同時に複数端末とのWi-Fi通信を可能にする「MU-MIMO」に対応したり、可動式の4本のアンテナと「ビームフォーミング」を使って家じゅうの欲しい場所に電波を狙って届けることができる性能を持っていますが、これらに加えて次世代高速規格である「11ac(5GHz)」や、2.4GHzの256QAMに対応し、大型の4×4アンテナを備えることで無線LANの通信速度としては同社史上最速という1258Mbpsの実測値を誇るポテンシャルを備えています。

有線LANのギガビット規格を軽々と超える速度を可能にするという性能を実際に発揮させることはできるのか、2台のWXR-2533DHPを借りて実際に編集部でも試してみることにしました。

内蔵アンテナを超える性能 11ac 4x4大型可動式アンテナ搭載Wi-Fiルーター | WXR-2533DHP | BUFFALO バッファロー
http://buffalo.jp/product/wireless-lan/ap/wxr-2533dhp/

◆機器をセッティング
今回は、GIGAZINE編集部の会議室を使って機器をセッティングしてみました。設定全景はこんな感じで、1台のWXR-2533DHPに対し2台のノートPCをLANケーブル接続したものを2セット用意。3メートル程度の距離で向かい合わせ、片方のセットの2台のPCから同時にデータを送信して転送速度を計測します。鉄筋構造で固い壁に囲まれる会議室であることから条件はあまり良くないといえますが、この状況でどの程度のスピードを出せるのか、逆に興味がわいてきます。


WXR-2533DHPのモード設定はマニュアルモードにし、一方をAP(アクセスポイント)モード、そしてもう一方をWB(ワイヤレスブリッジ)モードに設定。つまり、ルータ機能を使わず、APモード機の電波をWBモード機で受ける形で通信を行うという仕組みです。


1台のWXR-2533DHPに2台のPCをLAN接続させるわけですが、その際には以下のように1本はLANポート、そしてもう1本はINTERNETポートにケーブルを接続します。これはWXR-2533DHP本体内部に搭載された2つのCPUをフル活用するための手法で、1台のPCに対して1つのCPUを占有させることで、より高速な通信を実現しようとするものです。INTERNETは文字どおりネットと接続するためのポートですが、今回はWi-Fiルーターをネットに接続させない状態でAPモードとWBモードで動作させているため、このような接続が可能になっています。


なお、2台のPCを接続する理由は単純で、ギガビット超えの通信を疑似的に作り出すため。1台のPCではどう頑張ってもギガビットを超える通信は不可能なため、2台のPCから一気にデータを送ることでマシンの限界を超えてやろうというものです。、

ノートPCをLANケーブルでつないだら、WXR-2533DHPの接続を確認します。ブラウザを立ち上げ、有線接続しているWXR-2533DHPのIPアドレスを入力してルーターにログイン。なお、今回はあらかじめルーターのIPアドレスを[192.168.11.100]と設定してあります。


「詳細設定」をクリック。


「無線設定」の「中継機能(WB)」を選択し、「手動設定をする」をクリック。


しばらくすると、選択可能な親機のSSIDが画面に表示されるので、「選択」にチェックを入れて「決定」をクリックします。


設定後に、選択したSSIDが表示されれば準備はOKです。


なお、ノートPCのDHCPはオフにしておき、それぞれに手動でIPアドレスを設定してあります。各機器に設定したIPアドレスは[192.168.11.5]と[192.168.11.6]。


ルーター設定をWB側にしたルーターは、先述通りに[192.168.11.100]を設定。


もう一方のAP側のセットでは、PCに[192.168.11.3]と[192.168.11.4]のIPを、そしてルーターには[192.168.11.101]のIPを設定しました。


◆テストその1・iPerfで速度測定~設定編~
設定が完了したら、まずはネットワークスループットを測定するためのフリーソフト「iPerf」を使ってワイヤレスでの転送スピードそのものを測定してみます。iPerfは2台のPCを1台はクライアント、もう1台をサーバとして設定し、パケットデータを送受信することでネットワークのスループットを測定可能なソフトウェアです。

iPerf - The TCP, UDP and SCTP network bandwidth measurement tool


iPerfは一般的なGUI環境ではなく、CUI環境でのコマンドラインベースで使用するソフト。以下の画面のように「クライアントモードで(-c)、192.168.11.4のサーバから、同時に36個の接続を行う(-P 36)」というコマンドを入力してEnterを叩くと、サーバからクライアントにパケットが送信され、速度の測定が行われます。


同時に、ネットワークのトラフィックを監視する「TCP Monitor Plus」を立ち上げておき、トラフィック量の変化をグラフで表示するようにしておきます。


ためしに、1台だけの状態で速度を測定してみると、751Mbpsの速度が出たことがわかりました。理屈の上ではこの2倍の速度が出る可能性があるということになるので、1Gbps越えの期待が膨らむところ。


また、TCP Monitor Plusのグラフを見てもわかるように、およそ800Mbpsという高い水準にグラフがピタッと張り付き、安定した通信が行われていることがわかります。


このように2台のPCを設定し、実際のテストの際には「せーの」で2台のEnterを同時に叩くことで、どれだけのスピードが出るのか検証してみました。速度はiPerfの画面に表示された数値を確認し、全部で7回実施したテストから最大値と最小値を除外した残りの5回分の平均値をはじき出しています。


◆テストその1・iPerfで速度測定~測ってみた~
実際に速度を測定し、数値をはじき出すと858.6Mbpsという結果になりました。4回目は1000Mbpsを超える数値が出ましたが、これはiPerfが動作するタイミングが微妙にズレてしまったために出た数値だったので、あくまで参考記録です。


PC別と合計の数値を棒グラフにしてみました。2台のPCのいずれかがズバ抜けて速いという傾向は見られず、数値のバランスは悪くないと考えられます。


実測値で約860Mbpsということで、狙っていた1258Mbpsには至らなかったのが少し残念な結果。今回使用した会議室は、鉄筋と固い壁に囲まれた空間となっており、電波の反射が多そうな空間だったことも要因の一つなのかもしれません。とはいえ、無線接続で800Mbpsを超える数値が出たというのは極めて優れた通信品質と言っても全く過言ではないレベル。

◆テストその2・ネットワーク上でファイルを転送してみた
次に、実際の使用例として多く考えられる、ネットワーク上でのファイル転送速度を測定してみました。テストの際には、デスクトップに置いた容量3.72GBのファイルをWi-FiルーターにつながるPCの共有フォルダに送受信して時間を測定し、平均速度を算出しました。


その結果は、平均スループットは378.225Mbpsというものに。3.72GBのファイルを送信するのに要した時間は80秒前後となっており、実用上は全く問題のない速度が出ていることがわかりました。参考までに、この速度で1GBのファイルを送信した際の所要時間は約20秒です。


編集部で試してみたところ、建物の構造も関係したためか、カタログで謳われている1258Mbpsには届かない結果となりましたが、それでも実用上に必要なレベルの通信速度は軽々とクリアしているといえる結果が判明しました。実際にWXR-2533DHPを2台使ってWi-Fi接続するシチュエーションはそれほど多くはなさそうですが、必要なレベルを上回るスペックを搭載し、余裕のある運用を可能にする仕様はハイエンド機ならではといえるのかもしれません。

なお、バッファローの製品ページによると、1258Mbpsを叩き出した際の測定環境は以下のとおりとなっていました。

【測定環境】PC1およびPC2 CPU: AMD G series T40E(1GHz), DRAM: 2GB DDR3-1066 DRAM, OS: ubuntu 14.04 (32bit)
【測定方法】PC1は無線LAN親機のインターネット端子とLAN端子に2本の有線LANで接続。PC2は無線LAN子機のインターネット端子とLAN端子に2本の有線LANで接続。無線LAN親機と子機は4.5m離して設置。IxChariot(パフォーマンス測定ツール)を使用しPC1⇔無線LAN親機←→無線LAN子機⇔PC2 間の通信を3回測定し平均を算出。(2015年4月当社調べ)

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