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同時複数Wi-Fi接続を可能にする「MU-MIMO」対応など、バッファロー渾身のハイエンド無線LAN機「WXR-2533DHP」が発売


バッファローが同社のハイエンドモデルとなる無線LANルーター「WXR-2533DHP」を発売しました。同時に複数端末とのWi-Fi通信を可能にする「MU-MIMO」に対応し、可動式の4本のアンテナと「ビームフォーミング」を使って家じゅうの欲しい場所に電波を狙って届けることができるというモデルがどんな風になっているのか、いろいろと触ってみました。

内蔵アンテナを超える性能11ac 4x4大型可動式アンテナ | WXR-2533DHP | BUFFALO バッファロー
http://buffalo.jp/product/wireless-lan/ap/wxr-2533dhp/


「WXR-2533DHP」は、上部に配置された4本のアンテナが特徴的な無線LANルーター。価格は税抜2万8800円となっています。完全新設計という本体のサイズは、幅約31センチ×高さ約17.5センチ×奥行き約5.5センチと、従来の無線LANルーターと比べると大きめになっているのですが、このサイズにはある狙いが隠されているとのこと。


シンプルなデザインのパネルには、左からPOWERランプ、WIRELESSランプ、INTERNETランプ、ROUTERランプがさりげなく配置され、接続状況やモード状態を確認することが可能。


背面には放熱用の穴がたくさん開けられており、見るからによく冷えそうな本体になっています。真ん中にはSSIDや暗号化キーが書かれた「AirStationセットアップカード」備え付けられており、カードを抜き取ると……


MACアドレスやWPS接続の際に使うPINなどが記載されていました。セットアップカードの保管位置も、以前から変更して紛失しにくいようになっているそうです。


スマートフォンなどと接続させるときの初期設定は、専用アプリでQRコードを読み込ませるだけでOKです。


このモデルのように、高スピードを追求したルーターになると問題になってくるのが内部にこもる熱の問題。WXR-2533DHPは比較的大型な本体を持つことで内部の熱容量を増やし、さらに排熱口を多くあけることで熱による性能ダウンを最小限に抑えるように設計されているそうです。


このようにテーブルの上に寝かして配置したり、壁掛け状態でも十分に冷却できるように配慮がなされているとのこと。


本体左側面には、接続設定用のボタンや、モード切替スイッチ、USBポートが配置されています。


無線LAN簡単接続システム「AOSS」と、ゲストが一時的に無線LANにアクセスするための「GUEST」の2つの赤いボタンが並んでいます。GUEST接続は、自宅に遊びに来た訪問客などに無線LANを提供するための接続方法で、自宅のLANからは隔離した状態でネット環境のみを提供することを可能にするものです。


右側面には、有線LANポート×4とモデムなどに接続するINTERNET端子、電源スイッチと電源コネクターが配置されていました。


最大の特徴と言えるのが、天面に配置された4本の11ac4×4 1733Mbps+11gn 800Mbps外付け可動アンテナ。家の形状やよく使う場所に合わせて電波の放射をカスタマイズでき、さらにビームフォーミングに対応することで狙った場所に電波を重点的に届けることが可能です。実物を見るとわかるのですが、4本のアンテナは等間隔に並んでおらず、それぞれ最適化された位置に配置されているというこだわりよう。


高速な通信を可能にするために、処理チップには1.4GHzデュアルコアCPUを採用。一度に多数の端末を同時に接続するような状況でも、十分なCPUの処理速度を備えています。

◆多くの端末を接続しても速度が落ちない「MU-MIMO」に対応
このモデルをハイエンドたらしめているものの1つが、複数台接続時のスループットを高速化する「MU-MIMO(Multi User-Multi Input Multi Output)」への対応と言えます。これまでのWi-Fi接続は基本的に親機と子機との「1対1」の接続であったため、複数の端末が通信を行う際にはタイミング待ちが生じて体感速度が悪化するという状況があったわけですが、MU-MIMOは同時に複数の機器との通信を可能にすることで快適なWi-Fi環境を構築できるというもの。また、その場合でも各端末へのスループットは最大433Mbpsが確保されるというから驚きです。

ただし、このMU-MIMOを活用するためには端末側でもMU-MIMOに対応している必要があるのですが、2015年5月末時点では対応する端末はまだ存在していません。今後は徐々に対応機器も増えてくると考えられるわけですが、現時点では明らかにWXR-2533DHPが一歩先を行っているといえる状況。このあたりもスペックにこだわるハイエンドモデルならではといえそうです。

◆急な来客時もセキュアにWi-Fiを提供できる「ゲストモード」
WXR-2533DHPは、来客者などに安全にWi-Fi環境だけを提供できる「ゲストモード」に対応しています。このモードを使うと、同じLAN上に存在する他の端末やNASなどへのアクセスを遮断した状態でWi-Fi回線を提供でき、しかも設定は本体にある物理ボタンで操作可能という簡単さ。

なお、ゲストモードは初期設定ではオフに設定されているので、事前にルーターの設定画面からオンに設定しておく必要があります。以下の画面が設定画面ですが、より安全な接続のためには「無線の暗号化」を忘れずにオンにしておいたほうが良さそうです。


このように、「WXR-2533DHP」は大きな本体に高性能な機能を詰め込んだバッファローのハイエンドモデルと呼べるモデルとなっています。今後は実際に使ってみて速度を測定してみる予定なのでお楽しみに。


◆つづき1
「無線が有線を超える」、ギガビット超えWi-Fi通信を可能にするバッファローの最上位無線LANルーター「WXR-2533DHP」開発者インタビュー - GIGAZINE


◆つづき2
バッファローのハイエンド無線LANルーター「WXR-2533DHP」の速度測定を実施、ギガビット超えWi-Fi通信のポテンシャルを検証してみた - GIGAZINE

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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