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地球の裏側まで4時間で到着できる航空機「SKYLON」のテストが2019年に実施予定


音速の5倍・マッハ5以上の速度で飛行し、地球の反対側までわずか4時間で到達できる旅客機「SKYLON」とそれを可能にする革新的技術を搭載したハイブリッド・エンジン「SABRE」の開発が行われており、2019年には実機での飛行テストが行われることが予定されています。

This Plane Will Be Able To Fly Anywhere In The World In 4 Hours | Business Insider
http://www.businessinsider.com.au/reaction-engines-tests-new-cooling-system-2014-12

SKYLONの開発を進めているのは、イギリスに拠点を構える研究開発機関のReaction Engines社。同社では、従来のジェットエンジンとロケットエンジンの両方の仕組みを持つ新方式航空機エンジン「SABRE(Synergetic Air-Breathing Rocket Engine)」を20年にわたって開発を行っており、2019年には実際にSABREエンジンを搭載した機体のテスト飛行が計画されています。


SABREエンジンを搭載したSKYLONは、マッハ5.4以下の低速飛行中には空気中の酸素で燃料を燃焼させる「ブリージングモード」で飛行。そこから先はロケットのように液体酸素と液体水素を燃焼させる「ロケットモード」に遷移してさらに加速し、宇宙軌道に到達する軌道速度にまで達することを可能にするスペースプレーンです。SKYLONが実現すると、従来よりも格段に低いコストで運用できる宇宙ロケットと、地球の裏側までわずか4時間で到着できる超高速旅客機が実現されるものと期待されています。


SABREエンジンの概念を示したCGがこちら。本体はやや湾曲した形状となっており、青く示された段状の「プリクーラー」と呼ばれる装置がSABREエンジンを実現させる大きな役目を果たす部分となっています。


SABREエンジンやSKYLONの飛行イメージを収めた動画がYouTubeでも公開されており、実際の動作イメージや概念を見ることができます。

Alan Bond Interview - (Reaction Engines Ltd) - YouTube


実験段階のSABREエンジンがこちら。少し小さめのジェットエンジンぐらいの大きさですが、エンジンの前に装着されることが多い巨大な「ファン」が取り付けられていないのが特徴の一つ。


「ブリージングモード」で飛行中のSKYLONおよびSABREエンジンの様子。マッハ5(時速およそ6000km)という超高速のために圧縮された空気は1000度を超える温度に加熱され、そのままではエンジンに取り込むことができません。その問題を解消するために開発されたのが、液体ヘリウムを用いた「プリクーラー」の仕組み。超高温の空気はプリクーラーによって0.01秒という一瞬でマイナス150度にまで冷やされ、エンジンに取り込まれます。


プリクーラーには液体ヘリウムが通る細いパイプが無数に並べられ、空気中の熱を効果的に吸収するように設計されています。その熱交換効率は400メガワットというとてつもないもの。ムービーでは、左から熱い空気が入ってパイプの周りで渦を作り、冷却される動作イメージを見ることができます。


SABREエンジンが各モードで動作する仕組みを動画で示したムービーも公開されており、その概念がよくわかるようになっています。

SABRE Cycle 2 on Vimeo


このSABREエンジンは、圧縮された空気をそのまま燃焼に用いるスクラムジェットエンジンとは異なる仕組み。従来よりも低いコストで運用が期待できることがSABREエンジンのメリットとされています。

SKYLONはパイロットなしで飛行が可能な無人飛行機としても開発が進められています。Reaction Enginesでは、SABREおよびSKYLONが実現することで従来の10分の1以下で宇宙空間に物資を届けることが可能としています。また、わずか4時間で地球の裏側に到達する旅客機に乗るのに必要な金額を「ファーストクラスとビジネスクラスの中間ぐらい」と語っており、はたしてこの機体が実用化されるのがいつになるのか、期待が集まりそうです。

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in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

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