取材

往復航空券「オープンジョー」で旅立ちから2年経過したチャリダーマンが一時帰国


ダブリン・バンコク・福岡・成田・ロンドンと5つの空港を使う往復の行程は、2つの航空会社を組み合わせて12万0165円かかりました。2年ぶりに一時帰国したのですが、往復航空券なので再びヨーロッパへ向かいます。アブダビ経由のエティハド航空では、往復航空券ならば発着地が違っても片道航空券を2枚買うよりリーズナブル。そしてバンコクから福岡へのフライトはLCCのジェットスターを利用。新規路線開設の記念キャンペーンチケットは、信じられないほどにお買い得でした。

こんにちは、9月29日に約2年の旅に区切りをつけて一時帰国した自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。2年ぶりの日本滞在を満喫しながらも、次の旅への準備を進めています。今回は試行錯誤しながらも、2つの航空会社を利用してフライトを完成させました。

◆前提として
南米のアルゼンチンで迎えた2014年ですが、いい加減に旅をまとめたいので、今年はスピード重視で動いています。南米からチュニジアへフライトを果たし、湾岸諸国と地中海をバックパッカー旅行。そしてチュニジアからイタリアへ船で渡り、スイス、フランス、イギリスと繋いで、アイルランドの首都ダブリンまで走りました。

・国際的なハブ空港であるロンドンは便利だが、陸路移動はできないのでダブリンアウト(出発)。
・お世話になっている人がいるので、タイに立ち寄る。
・もう少し旅を続けるので、海外に出る航空券も必要。
・地元の福岡では国際便が少ないので、一時帰国からの出発は成田を希望。
といった条件を前提にインターネットで航空券を検索。

アイルランドの首都、ダブリンから一時帰国の途に着きました。


◆エティハド航空
2012年、南アフリカのケープタウンから約3年ぶりに一時帰国した際のフライトは、アラブ首長国連邦のドバイ経由でエミレーツ航空でした。円高もあったのですが、片道5万7294円と格安。その時の経験から、今回も中東系の航空会社に目星をつけます。フランス滞在中にいろいろと探してみると、アラブ首長国連邦のアブダビを経由するエティハド航空が良さそうで、往路:ダブリン(アイルランド)→バンコク(タイ)、復路:成田(日本)→ロンドン(イギリス)という変則的な航空券を入手。中東系のフラッグキャリアは通常より預入手荷物が多いのもチャリダーにとっては魅力的。普通の航空会社だと20kgまでが一般的ですが、前回のエミレーツ航空も今回のエティハド航空も30kgまで大丈夫でした。自転車を運ぶので、重量はどうしても気になります。

エティハド航空オフィシャルサイトで「複数都市/ストップオーバー」をクリック。


ここでフライト1に「ダブリン→バンコク」、フライト2に「成田→ロンドン」を入力して検索。


1122.88ユーロ(約15万8000円)のフライトしか見つからない日程もありますが……


前後の日程を探して、751.88ユーロのフライトを発見。この航空券を購入したのですが、10万6085円で引き落とされています。ヨーロッパとアジアが片道5万円台と、予算内で収まりました。


このような予約が完成。


これまでの経験といろいろなフライトを検索した結果では、片道より往復の方がお得な航空券が多いです。当初は漠然とロンドン→バンコクで往復、バンコク→日本で往復と4本のフライトを考えていました。でも、このようにエティハド航空では、それぞれ離着陸の空港が違っても1つの予約で航空券の入手ができます。

では、それぞれ別の航空券なら、どうなったでしょう?

同じ日に検索したダブリン→バンコクの片道航空券は585.81ユーロ(約8万2600円)


成田→ロンドンの片道航空券は5万5210円


2つのフライトを合わせると約13万8000円で、1度に予約した場合と比べると3万円以上違ってきます。

この理由を調べてみると「オープンジョー」という言葉が引っかかりました。英語で「開いた顎」という意味の言葉で、出発・到着の空港が一致しない(例えば行きの到着地とは別の空港から帰ってくる)ものを指します。通常の往復航空券とは違い、離着陸する空港が異なることで航路が大きな弧を描くことからこの名前がつけられています。


今回は出発、到着が全て違う空港の「ダブルオープンジョー」となって割引されるのか、お得な航空券を手に入れることができました。インターネット予約は機械的で、はっきりとした事は言えないのですが、このようなやり方も頭に入れておくと、どこかで役に立つかもしれません。なお、運賃や旅程などによってはオープンジョーが不可能だったり制限がかけられることもあるそうです。

◆ジェットスター航空
タイの首都バンコクから一時帰国の航空券は6月27日に購入しています。3ヶ月も前でしたが、格安航空会社であるジェットスターがバンコクと地元の福岡に路線を新設するらしく、就航記念キャンペーンをやっていたので購入を決意。

ジェットスター航空のオフィシャルサイトから航空券を検索します。


一緒に予定日前後の価格も表示するので、お得なフライトも簡単に見つけることができました。


オプションの選択はせずに……


有料機内食の案内もやめておきます。


クレジットカードで決済し、無事に航空券の購入ができました。


基本運賃:2040バーツ
手数料および税金:950バーツ
25kgまでの預入手荷物:590バーツ
ビザカード手数料:200バーツ

と合計が3780バーツで、1万2221円が引き落とされています。2008年に香港から台北経由で福岡に帰国した際は2846香港ドル(約4万円)もしたので、今回はかなりお得な航空券でした。格安航空会社の記念キャンペーンでは、信じられない値段の航空券が手に入ります。

タイの滞在中には、次の旅で使う予定の折り畳み自転車の購入を検討。だとしたら、2台の自転車を日本へ運ばないといけません。購入一歩手前まで迷ったので、先に預入手荷物の容量を増やしました。

ログインをして、予約内容を確認。


25kgまでの予約内容から、15kgを追加して40kgまで預入手荷物の容量を増やします。


追加の540バーツは、1859円で引き落としされていました。


結局、折り畳み自転車は日本で購入することになったのですが、合計1130バーツ(約3700円)で40kgを預入手荷物にできるコストパフォーマンスは抜群でした。1kgで5000円以上の超過料金を請求をする航空会社もあるので、こういった料金体系は非常に助かります。

◆タイ滞在
2008年以来のタイでしたが、前回と同様に居心地のいい国でした。物価は日本の3分の1の感覚で、セブンイレブンを筆頭にコンビニはどこにでも普及。外食が一般的な国ですから食べるのにも困りません。ドミトリーでは落ち着かないので、シングルがある安宿で、効率よく作業をこなすなら、タイはおすすめの国でした。インターネットも不自由しないスピードが出ています。

次の旅行にも使えそうなケースを物色。1つ10バーツ(約33円)なので、日本で買うよりお得なのです。


初めてのタイマッサージ。ローカルエリアだと1時間150バーツ位(約500円)であるのですが、この値段では申し訳ないと思うほどに、ありとあらゆる関節技を駆使して、体全体をほぐしてくれます。終わった後は体が軽くなりました。


自分の旅行では自転車に広告をぶら下げているのですが、そこでお世話になっている会社がバンコクにあるのでご挨拶。


高校時代の友人がタイに住んでいるので、トムヤンクンなどちょくちょくご飯を一緒していました。自転車を預かってもらっていたので感謝。


デザートに舌鼓をうつ31歳


バンコクではいろいろな宿に泊まりました。


ついつい立ち寄ってしまうセブンイレブン。


エナジードリンクのレッドブルはタイ発祥だったりします。


前回の滞在ではこれからの旅を優先させて先送りにしたミャンマーですが、6年半の歳月を経て今回ようやく訪問が出来ました。ミャンマーは軍事独裁政権から改革開放路線へと舵を取り、開かれた国へと変わりつつあります。その閉鎖的な国情から貧しい国という先入観があったのですが、滞在してみるとそんなイメージを吹き飛ばすほどの活力あふれる人たち。携帯SIMが一般化したのがつい最近の話でしたが、今では誰も彼もがスマホをいじくり回しています。ヤンゴン市内にはスーパーマーケットも何軒かあり、食料品や日用品は国内である程度自給ができている様子。外資系のファーストフードとして、韓国のロッテリアが既に進出をしています。

そんな近代化と相反して、女性は「タナカ」という白い粉を化粧代わりに顔に塗り、男性は「ロンジー」と呼ばれる腰布を巻いて生活していて、伝統文化が残っているのもミャンマーの魅力でした。ミャンマーでは、タイ文字とはまた違う丸っこいビルマ文字が使われています。同様にビルマ数字が標準化されているので、バスの番号は解読が必要。日本でいうなら漢数字に戸惑う外国人といった感じ。現地人は食堂なんかで唇をチュパチュパさせて、注文を取りにこさせます。西アフリカで一般的だった方法が、海を隔てたミャンマーと共通だなんて思いもしません。真似してチュパチュパしてみると、一瞬驚く店員さんの顔が見えるので、訪問の際には試してみてください。

首都ヤンゴンの中心にあるスーレーパゴダ。


◆一時帰国
お土産も含めて、大量の荷物となった今回のパッキング。合計で39kgと、40kgの預入手荷物の規定ギリギリでした。


電光掲示板に掲示された地元「Fukuoka」の文字に興奮。


9月29日の午前中に飛行機は無事着陸。


福岡空港に飾られた山笠。


入国ではなく帰国のスタンプが嬉しいですね。2012年の9月24日にカナダのバンクーバーからスタートした、今回の旅も一区切りです。


季節と天候の関係で夏に行きたい場所がなくなった自分の旅にとって、今回の一時帰国は時間調整も兼ねていました。せっかく帰国するのであれば、これからへ繋がる形にしたいという意気込んでいたはずなのに、あっという間に過ぎていく毎日。これまでの旅をまとめるための出版と、これからの人生を歩くための就職に、何かしら希望を見出したかったのですが、何もできそうにありません。それでも、成田アウト(出発)のために上京する予定ではあるので、どなたか何かありましたらコンタクト下さい。自転車ではないですが、駆けつけます。

再びロンドンへ渡った後は、アイスランドとロシアをピンポイントで旅行してカリブ海諸国を周ります。そこからイスラエルまでの航空券は入手済み。そこから、まだ未訪問のエジプトとインドあたりを回って満足といったところでしょうか。もう少しだけ、旅を続けます。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   乗り物, Posted by logc_nt

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