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SSDの耐久実験で書き込み150万GBの壁を越えた機種はどれか?


Intel・Corsair・Samsungなどの主要なSSDの耐久比較実験を継続中のThe Tech Reportが、最新の実験結果を公表しました。その結果、1.5PB(ペタバイト)というとてつもない量のデータ書き換えを実現したモデルがあることが判明しています。

The SSD Endurance Experiment: Only two remain after 1.5PB - The Tech Report - Page 1
http://techreport.com/review/27062/the-ssd-endurance-experiment-2nd-only-two-remain-after-1-5pb

The Tech Reportは市場で人気のある主要なSSDとしてIntel「335 240GB」、Corsair「Neutron GTX 240GB」、Samsung「840 Pro 256GB」、Samsung「840 250GB」、Kingston「HyperX 3K 240GB」を選び、「Anvil's Storage Utilities」というSSD用のベンチマークソフトを駆使して通常の使用ではあり得ない程の大容量データの書き込み・消去を高速に繰り返すことで、SSDが正常にデータを読み書きできる限界を試す実験を行いました。この詳細な結果は以下の記事で確認できます。

Intel・SamsungなどのSSDがどれぐらいの寿命なのか長期間の耐久テストで判明 - GIGAZINE


実験開始から数ヶ月経過して、335が700TBで、HyperX 3Kが728TBで、840が900TBで死亡したのに対して、840 ProとNeutron GTXともう1台テストされていたHyperX 3Kが1PB(1000TB)の大台をクリア。

なお、最も早く書き換え寿命を迎えたIntel 335でさえ700TBという書き換えが可能であり、これは毎日10GBのデータ書き換えを行っても7万日つまり約190年もつという計算になるため、SSDの書き換え寿命を実用上、心配する必要はほとんどなし。


しかし、実用性は完全無視で関心のおもむくままに一体この3台がどこまで生き延びるのかを見届けるべく、耐久実験が続行されていました。

Neutron GTX
続行された実験で、先に壊れたのはNeutron GTX。Neutron GTXは、1.1PBを超えたところで読み取りエラー率がしきい値を超えたとS.M.A.R.T.で警告を出し始め、1.2PBでとうとう息絶えたとのこと。


より詳細なS.M.A.R.T.情報のグラフはこんな感じ。予想される寿命(黄土色)ではまだまだ余命がありそうでしたが1.2PBで力尽きました。なお、グラフでは不良セクタ(緑色)やリードエラーレート(茶色)のグラフは1.1PBを境に急速に悪化していますが突然の状況変化に対応できず、S.M.A.R.T.情報を十分には読み取ることができなかったため正確ではないとのこと。


というわけで最後まで残ったのは840 ProとHyperX 3Kで、ここからは2台の一騎打ちがスタート。


840 Pro
840 Proの不良セクタの再割り当てを示すグラフはこんな感じ。600TBを書き込んだ時点から急速に不良セクタが生じていることが分かります。


このグラフのオレンジ色は残されたフラッシュの量を表しており、1.5PBを超えた時点でも60%以上のセルが不良セクタによる障害を回避するために残されていることが分かります。ただし、分散してセルに書き換えを行うウェアレベリング(黄色)については500TBでほぼ限界に到達している模様。


HyperX 3K
HyperX 3Kは他のモデルと同様にデータ圧縮しないで書き込んでテストしたものとデータ圧縮機能をONにしてテストしたものがあり、データ圧縮したモデルが生き残りました。

このグラフは、すでに死亡した圧縮機能なしで書き込み続けたHyperX 3K(濃い紫色)と圧縮機能ありで書き込み続けたHyperX 3K(赤色)を示しています。圧縮機能あり状態では1.5PBのデータ書き込みに対して1.07PBの圧縮データに変換されているとのこと。


赤色は圧縮機能ありのHyperX 3Kのセクタ再割り当てのために残されたフラッシュの量を示すグラフ。900TB以降、驚異的な粘りを見せていることが分かります。


ただし、900TBから1PBの間に修復不可能なエラーを発していることが判明。これはソフトウェアや最悪の場合システム全体をクラッシュさせる危険を伴うものだとのこと。


以上のような結果になったSSDの耐久テストは現在も続行中で、840 ProとHyperX 3K(圧縮機能あり)は死亡することなく書き込み量1.6PBを突破。2台のモデルが完全に息絶えるまでThe Tech Reportの残酷なテストは続いていきます。

・つづき
SSDに2PB(200万ギガバイト)書き込みまくると性能はどれくらい落ちるのか? - GIGAZINE

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in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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