Intel・SamsungなどのSSDがどれぐらいの寿命なのか長期間の耐久テストで判明


ハードディスクに比べて数倍の読み書き速度を持ち、体感できるレベルでの速度アップが期待できるソリッドステートドライブ(SSD)は、容量単価の下落にともなってあっという間にPCストレージの主役に躍り出ました。しかし、SSDには書き込み回数に上限があるため「寿命」という点で大きな欠点を抱えていると言われており、導入をためらいがちな人も多いとされています。そんな誰もが気になるSSDの寿命について、IntelやSamsungなどのSSDを使った長期間の書き込み耐久テストの結果が公表されています。

The SSD Endurance Experiment: Casualties on the way to a petabyte - The Tech Report
http://techreport.com/review/26523/the-ssd-endurance-experiment-casualties-on-the-way-to-a-petabyte

NAND型メモリを使うSSDには、データを記録する「セル」の書き換え可能回数に制限があるため、正常にデータを記録・保持できる限界である「書き換え寿命」という概念がある点で、ハードディスクとは異なっています。このため、データを保持できなくなるまで「どれくらいの時間使用できるのか?」というのがユーザーの大きな関心事となっています。

The Tech Reportは、「Anvil's Storage Utilities」というSSDのベンチマークソフトウェアを使って、通常の使用ではあり得ない程の大量のデータの書き込み・消去を高速に繰り返すことで、SSDが正常にデータを読み書きできる限界を試しました。なお、高速なデータ書き換えプログラムを使用しても耐久テストには数ヶ月の時間が必要とのことです。

耐久テストに選ばれたのは、左上からCorsair「Neutron GTX 240GB」、Samsung「840 250GB」、Kingston「HyperX 3K 240GB」、Intel「335 240GB」、Samsung「840 Pro 256GB」で、いずれも人気のSSDです。


Intel 335
耐久試験で最初にデータ破損の危険性を示す警告アラートをSMART上で記録したのがIntel 335でした。Intel 335はMLC NANDを使用しているため、耐久性に難があるTLC NANDを採用したSamsungのSSDよりも早く警告が出たことはThe Tech Reportにとって驚きだったとのこと。

Intel 335が書き込換えることができたデータ量は約700TB(70万GB)。右肩下がりのグラフはMedia wearout indicator(MWI)というSSDの寿命を示す指標で、書き換え容量の増加と共に一定のペースで寿命に近づいていることが確認できます。


なお、Intel 335は700TBのデータ書き換えが実行されるまでデータ破損はほぼ皆無。700TBを超えると「logical disable」としてデータ破損の危険があり得る信頼性を欠いた状態と見なされ、これ以降の使用をIntelは推奨していません。logical disable状態ではSMART情報を取得できなくなり、PCを再起動した後で「容量0GBのSATAストレージ」として検出されました。The Tech Reportによると、このような挙動は「終末期」のSSDによくあることだとのこと。

Kingston HyperX 3K
Intel 335の次に早く寿命を迎えたのがKingston HyperX 3K。寿命が尽きるまでの書き込み容量は約728TB。725TBを超えた時点でWindows上で「ハードディスクの問題を検出しました」という注意メッセージが表示され、その後3TB書き込んだときに書き込みエラーが報告されたとのこと。なお、KingstonではMWIが10を切るとSMART上に警告を表示してユーザーにデータを避難させるよう推奨しています。


これはデータの書き込みや消去についてのエラー発生数を示すグラフ。HyperX 3Kは600TBを超えたころから急激にエラー発生率が高まっていることが分かります。


なお、HyperX 3Kはデータ圧縮機能をONにしたもう一台が耐久実験に参加しており、こちらは1PBを突破しても生き残っているとのこと。

Samsung 840
「真っ先に壊れるだろう」とのThe Tech Reportの予想に反して健闘したのがTLC NANDを使用しているSamsung 840。グラフを見る限り書き込み容量300TB以降、驚異的な粘りを見せていることが分かります。


しかし、100TBを超えるとデータの再配置を要する不良セクタが増え始め、200TBを超えるころには訂正不可能なエラーがコンスタントに発生しています。これらのことを考えると、やはりMWIが底を打った300TBが寿命と見るのが妥当であるとThe Tech Reportは考えています。なお、Samsung 840は300TBを超えMWIが0に限りなく近い状態でもSamsung独自のソフトウェアSSD Magicianは「健康」と評価しており、実際にデータの書き換えができていたものの、900TBを超えて突然死したとのこと。


Samsung 840 Pro
1PB(1000TB)の壁を突破したのがSamsung 840 Pro。「840 ProはMLC NANDを採用するため840よりも耐久性に優れているだろう」という予想通りの結果ですが、MWIの特性は840と同じように0付近から粘りを見せるタイプ。


ただし、不良セクタの数は600TBを超える当たりから急に増加しているのが確認できるので油断は禁物。


Corsair Neutron GTX
最後まで生き残ったのがCorsairのNeutron GTX。下図はCorsairの独自ソフトウェアTool Boxユーティリティの寿命を示すグラフ。1PBを超えてもまだ約80%の寿命が残っているとされており、このままのペースが続けば4PBを超える書き換え寿命となりますが、この後どのような変化が生じるのかは現段階では不明。


性能比較
これらのSSDに関してデータ読み込み速度に変化があるのかについてもテストされています。これは4MBデータを用いたシーケンシャルリード(順次読み出し)速度の比較。すべてのSSDが寿命まで速度低下がないことが分かります。


これはシーケンシャルライト(順次書き込み)速度の比較。同じく速度低下はほとんど見られません。


ランダムリードだとこんな感じ。多少のばらつきはあるものの、致命的な速度低下はなし。


ランダムライトも同じく速度低下はなし。このため、SSDの性能低下は寿命まで気にする必要はなさそうです。


最も早く書き換え寿命を迎えたIntel 335でさえ700TBという書き換えが可能であり、これは毎日10GBのデータ書き換えを行っても7万日つまり約190年もつという計算になるため、SSDの書き換え寿命を心配する必要はほとんどないと言えそうです。

・つづき
SSDの耐久実験で書き込み150万GBの壁を越えた機種はどれか? - GIGAZINE

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