人工甘味料が耐糖能異常を引き起こして糖尿病を引き起こす可能性

By Brayan Esteban Esparza Gonzalez

肥満を気にしている人や糖尿病を患っている人にとって、カロリーがゼロで甘みが感じられる人工甘味料入りの食品や飲料は、体調管理にうってつけのように見えます。ところが数十年にわたって人工甘味料の研究を続けるワイツマン科学研究所が、人工甘味料の摂取は耐糖能異常を引き起こして糖尿病のリスクを上昇させるほか、腸内細菌の代謝異常を引き起こす可能性があるという研究結果を発表しました。

Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota : Nature : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature13793.html

Artificial sweeteners linked to glucose intolerance - health - 17 September 2014 - New Scientist
http://www.newscientist.com/article/mg22329872.600-artificial-sweeteners-linked-to-glucose-intolerance.html

イスラエルのワイツマン科学研究所のエラン・エリナフ氏と同僚のエラン・シーガル氏の共同研究によると、人工甘味料が、耐糖能異常を引き起こして血糖値を上昇させるほか、腸内細菌に影響を与える可能性があることが判明しました。エリナフ氏は「最もショックだったのは糖尿病を防ぐための人工甘味料が糖尿病を引き起こしたり、伝染病を引き起こしたりするかもしれないということです」と話します。英国清涼飲料工業会(BSDA)の会長ガヴィン・パーティントン氏は、「ここ数十年の臨床研究は、低カロリーの甘味料が体重管理や糖尿病管理を支援できることを示しています」と主張します。


ノンカロリーの甘味料は、2万倍の甘みを感じさせる合成品です。ノンカロリーであり体内で消化できないため、特に2型糖尿病患者への食事にダイエットコークやノンカロリーのシリアル、デザートなどが推奨されています。エリナフ氏らは数十年にわたってこれらの食品の危険性を示す研究結果を提供し続けており、いくつかの研究機関が安全性について再調査する結果に結びつきました。現在アメリカ食品医薬品局(FDA)も再調査を行っていますが、甘味料が健康を害するという合理的な確証は得られていないとのこと。

Elinav氏は甘味料の危険性を証明するため、最も一般的に使われている甘味料であるサッカリンスクラロースアスパルテームを使って、3匹のハツカネズミに「甘味料を含んだ水のみ」「普通の水のみ」「ブドウ糖を含んだ水のみ」を与えて経過を観察します。11週間後にネズミたちに高グルコース飲料を与えて標準的な血液サンプルを摂取し、全てのネズミの耐糖能をテストしました。

By jaci Lopes dos Santos

通常の健康状態では、血糖値が上昇すると体内でインシュリンが分泌され、余分なグルコースをエネルギーまたは脂肪に変えるよう細胞に命じます。このプロセスの反応が悪い状態を「耐糖能異常」といい、2型糖尿病を引き起こすもとになります。血液検査の結果、甘味料入りの水を飲んでいた全てのネズミにおいて、代謝障害に匹敵するほどの耐糖能異常を示したとのこと。シーガル氏は「大半の甘味料が消化されずに胃腸管を通過します。これは甘味料が腸に到達して腸内細菌に遭遇することを意味します」と説明します。研究者たちは、この時に耐糖能異常が腸内細菌の構成に変化を与えるのではないか?と考えました。

別のサッカリンを使ったテストでは、前もって抗生物質を使ってネズミの体内の腸内細菌を除去。細菌がなければ血糖値による反応が起きないため、耐糖能異常の影響を除外することができます。その結果、普通の水を与えたネズミには見られなかったものの、サッカリンを与えたネズミの体内で肥満につながる腸内細菌の増加が見られたとのこと。これらのデータをもとに研究者たちは人間との関連性を立証するため、381人のデータを検証し、耐糖能異常と一般的な甘味料の間に関連性を見つけ出しました。

次に、普段人工甘味料を口にしない健康な7人の人々に協力を依頼し、FDAが定める1日あたりの最大摂取量の甘味料を毎日とってもらいました。5日が経過するまでに、7人中3人に変化はなかったものの、残り4人に耐糖能の著しい低下が見られ、腸内細菌の構成に大きな変化が見られました。シーガル氏は「人工甘味料の作用は、直接的に伝染病に関与しているかもしれない」と話します。人工甘味料・アスパルテームの製造元でありヨーロッパでも最大の甘味料製造メーカーである味の素のAilbhe Fallon氏と国際甘味料協会(ISA)は「科学的根拠に乏しい」と、この結論に激しく反意を示しました。

By Andrew Morrell

Elinav氏は「人工甘味料が肥満と糖尿病の支援に効果的であるという科学的な証拠はいくつも存在しますが、5日で代謝障害に相当するレベルで甘味料が耐糖能異常を引き起こすかもしれないのです。少なくとも人工甘味料産業と関わりのない政府機関が再調査する必要があると思います」と訴えています。ただしこの結果は、甘味料より砂糖入り飲料の方が安全ということを示しているわけではありません。どちらにせよ、健康のためには糖分の過剰摂取を控える必要があります。

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in サイエンス,   , Posted by darkhorse_log