ボタン式アコーディオンがパソコンのキーボードで演奏できる「bayan」
By Nina J. G.
多くの人が小学校の音楽の時間などで触れたことがあるアコーディオンは、大きく分けてピアノ型と同じ鍵盤が装備された「ピアノ式アコーディオン」と、丸いボタンがギッシリと並べられた「ボタン式アコーディオン」の2種類に分類されます。このなかでもボタン式アコーディオンはなかなか触れる機会が少ないものですが、そんな楽器をPCのキーボード上で再現するサイトが「bayan」です。
bayan
http://benzguo.com/bayan/
サイトでは、キーボードを模した表示の下に詳細を表示する「about」のリンク、そしてTwitterのアイコンだけが表示されています。
とりあえずキーボードをたたいて音を出してみたのがこんな感じ。キーボードを押すと画面上で色が変わるようになっています。なお、YouTubeで再生すると少し「ピー」というノイズが目立ちますが、これは録音時に混入したもの。実際の演奏時にはほとんどノイズは目立ちません。
PCのキーボードで弾くボタンアコーディオン「bayan」で、あのフレーズを弾いてみた
サイト名の由来にもなっている「バヤン」は、ボタン式アコーディオンの中でもロシアで独自の進化を遂げた楽器のこと。実際には左右両手で演奏する楽器ですが、サイトでは右側部分のみが再現されています。
By Wikipedia
音の配列は以下のような感じで、下図中の黄色い矢印が音の並びを示しています。キーボードの「Q」の文字が最も低い「ド(C)」の音で、その下の「A」が半音上の「ド#(C#)」、さらにその下の「Z」が「レ(D)」と並んでおり、その次の「レ#(D#)」は「W」の文字に戻るようになっています。最上段の「2」から「-」の列は、最下段の右端から連続する配列になっています。
配列をよく見てみると、左右の関係は「短三度(水色)」、そして斜め右下の関係は「半音(黄色)」と規則的に並んでいることがわかります。この規則性こそが、ボタン式アコーディオンの最大の特徴といえます。
そのメリットは、調(キー)が変わっても和音の指型が変化しないこと。たとえば「C」と「B♭」のコードを押さえると、どちらも同じ指型になっているのがわかります。基本的にはこの形のまま左右にスライドさせるだけでコードを変えることが可能で、これは鍵盤型のピアノなどにはない特徴の一つです。
それぞれを短和音の「Cm」と「B♭m」に変化させた時の指型はこんな感じ。
「bayan」では以下のように和音を使って演奏することも可能。エラーのためか、時おり押さえているはずの音が途切れてしまうこともありますが、そこはあえて目をつぶったほうがよさそうです。
PCのキーボードで弾くボタンアコーディオン「bayan」は和音フレーズも演奏可能
サイトを作成したBen Guoさんは、ボタン式アコーディオンのキー配列がPCのキーボードにうまく割り当てられることを発見し、実験的にサイトを作成したとのこと。自身もキーボーディストとして音楽活動を行っている人ならではの着目点といえそうです。
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