良いウイスキーを作る蒸留所には必ずネコがいる

By TSEP!
死を予知するネコやトレーニング中の飼い主を暗殺しようとするネコなど、世界中にはさまざまなネコがいますが、おいしいウイスキーを作る蒸留所にも必ずネコがいるようです。
Behind Every Good Whisky Is A Trusty Distillery Cat : Parallels : NPR
http://www.npr.org/blogs/parallels/2014/09/09/347093135/behind-every-good-whisky-is-a-trusty-distillery-cat

スコットランドには、アメリカのカンザス州くらいの広さのエリアに100以上のウイスキー蒸留所が存在します。グレンタレット蒸留所は、そんなウイスキー蒸留所の中でも最古の蒸留所で、なんと1775年に創業して以来休まずに今日までウイスキーを作り続けてきたそうです。
グレンタレット蒸留所にてゼネラルマネージャーを務めるStuart Cassellsさんは、「我々はコンピューターを持っておらず、機械類も一切使用していません。このウイスキー蒸留所では、水と大麦を最初に手で混ぜ、雑炊をつくるようにそれらを攪拌して作っています」と、現在も昔ながらの方法でウイスキーを作っていることを明かしています。
そんなグレンタレット蒸留所には、ひとつの銅像が立てられています。これは蒸留所の創業者でもなければ、ウイスキーの銅像でもなく、なんとネコの銅像です。この銅像のネコの名前は「タウザー」で、世界一ネズミを捕ったネコとしてギネスにも登録されています。タウザーは生涯でなんと2万8899匹ものネズミを狩ったそうで、「昔の蒸留所で働いていた人たちは、タウザーはいつもネズミを捕まえていたと言います」と語るのは、グレンタレット蒸留所にて19年間働いているNeal Cameronさん。

By Karen Bryan
ウイスキーの原材料となる穀物は、ネズミや鳥などの害獣を引きつけます。これを駆除するため、ウイスキーやビールの製造所ではネコが飼われるようになり、これが現在では「ウイスキーキャット」という風に呼ばれるようになり、タウザーもそういったネコの一匹です。
しかし、現在ではネズミや鳥などの害獣たちが蒸留所で問題になるようなことはほとんどないようで、「我々は年間で1、2匹のネズミを見かける程度です」とCameronさんは語ります。それでも蒸留所ではネコが飼われている理由について、Cameronさんは「ずっと蒸留所ではネコを飼ってきたからね」と言います。
現在グレンタレット蒸留所で飼われているネコの名前は「ピート」。名前の由来はピートというウイスキーに香りをつけるための材料で、名付け親はCameronさんです。

「最近のウイスキーキャットは、ネズミを狩るためではなく、PR大使のような役割を担わせるために飼われています」と、語るのはジャーナリストのBrad Thomas Parsonsさん。彼いわく、ウイスキーキャットは完全にマーケティングの道具になっているとのこと。
「私はこれまでウイスキーキャットで片目がなかったり好奇心が強すぎたりするネコを見たことがない。三毛猫に白ネコや黒ネコ、茶トラまでさまざまなネコがいますが、そういったネコがバーボンウイスキーの樽の上で寝転がっていたりすれば、蒸留所のツアーに参加した人たちはこのネコを写真で撮ってFacebookやInstagramにアップし、これが絶好の宣伝になるでしょう」とParsonsさん。

By Mark Seton
実際に、ウッドフォードリザーブというウイスキーの銘柄を作成しているケンタッキーにある蒸留所では、「エリヤ」という名前のネコが20年以上に渡って蒸留所で飼われており、マスコットとして人気を博していました。エリヤはネズミ狩りが得意なネコではありませんが、それは蒸留所に来たツアー客などがたくさんのエサを与えるからだそうです。
エリヤが死んでしまった際には多くのインターネットユーザーがエリヤの写真をアップしたり共有したりしてくれたそうで、「これはとても感動的で、何百、何千人もの人々が参加してくれた」と関係者は語ります。そして、現在ウッドフォードリザーブの蒸留所は、エリヤに代わる新しいウイスキーキャットを飼うことを決めているそうです。
Our condolences go out to @WoodfordReserve on the passing of Elijah, their distillery cat. #RememberingElijah pic.twitter.com/4Md7RFaE5U
— Distiller (@drinkdistiller) 2014, 7月 24
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