世界最小の3Dメガネをカマキリにつけて人間との認識能力の差を調査
カマキリはいくつものレンズを持つ個眼が集まることで図形を認識する複眼を持っていますが、脳は認識した3次元的な物体を人間と同じように処理しているのか?ということを調べるため、世界最小の3Dメガネをカマキリにかけさせて脳の動きを調べるというプロジェクトが行われています。
Testing 3D vision in praying mantises - Press Office - Newcastle University
http://www.ncl.ac.uk/press.office/press.release/item/testing-3d-vision-in-praying-mantises
Man, Mantis and Machine | Facebook
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.732870346765886.1073741840.139577716095155
世界最小の3Dメガネをかけたカマキリで実験を行う様子は以下のムービーから確認可能。
Computation Of 3D Vision In Praying Mantises - YouTube
これが実験に使われたカマキリ。実験が行われる時以外は3Dメガネをはずした状態で昆虫室で飼育されています。
世界最小の3Dメガネをかけている様子を正面から見るとこんな感じ。なお、3Dメガネは蜜ろうで固定されているので、取り外しが可能です。
アップ。
実験ではメガネをかけたカマキリをコンピューター画面の前に置き……
画面上で獲物となる映像を動かします。
横から見るとこう。
上から見た様子。
動くターゲットに向けてシュッとカマを向けました。
これはイギリスにあるニューカッスル大学のジェニー・リード博士が率いるチームによる研究。カマキリがどのようにして物体を3次元的に認識しているかを明らかにすることで、コンピューターやロボットの3D認識や奥行き感覚を進化させるのが目的です。
「カマキリの脳は小さいのですが、彼らは複雑な視覚を持っており、恐ろしいほどの能率で獲物を捕まえます。カマキリが世界を知覚しているかを研究することで我々は多くのことを学べます」とリード博士。「カマキリに3Dメガネをかけさせて映像を見させる」という実験は、カマキリなどの複眼を持つ昆虫の脳が、人間や猿といった単眼を持つ脊椎動物と同じプロセスで動くオブジェクトを認識できるかどうかを判断するために行われたもの。人間が3Dメガネをかけて映画を見ると映像が立体的に見えますが、同じ方法をカマキリに試したところ、カマキリは2次元の映像を3次元のものとして捉えることができると分かりました。
研究に参加しているニューカッスル大学神経科学研究所のVivek Nityananda博士は「これはすごくやりがいのあるプロジェクトです。まだ結論は出ていませんが、カマキリが3Dビジョンを人間とは別の方法で処理しているとしたら、現在ロボットに使われている3Dプログラミングよりも簡単なアルゴリズムを作りだせる可能性があります」と語りました。
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