全身をカラフルに染めて春を祝うホーリー祭に行ったら戦場でした

インドのホーリー祭は春の訪れを祝って出会う人出会う人に「ハッピーホーリー!」と言いながら色粉を塗ったり色水をかけあったりするお祭りで、2014年は3月17日がホーリーに当たります。インド全国で行われているのですが、デリーより北に位置するブリンダバンという街はクリシュナの聖地として最も過激なホーリーが行われるということで、ブリンダバンのバンケ・ビハリ寺院に行ってホーリーとはどんなお祭りなのか、身をもって確かめてきました。
ホーリーが最も盛り上がる場所の1つ、クリシュナの聖地ブリンダバンに到着したのは3月17日の午前8時ごろ。街はすでに人があふれ、全体的に粉っぽいです。

ピンク色に染まる地面。

道行く人々も既にピンク色になっています。


頭から爪先までカラフルに染めた人々。

少年は一度洗い流したのか、うっすらと顔に色粉の跡がついています。

デリーやマトゥラーと同じく、ここにも色粉屋さんがたくさんありました。

ホーリーは色粉や色水の他、花を投げる風習もあるためか、花を売っている人も発見。

今回向かったのはバンケ・ビハリという寺院なのですが、寺院へと向かう道はどんどん人でごった返していきます。なお、この写真を撮影した後、真正面から色粉をくらい、さらには見知らぬ青年に顔や頭に色粉を付けられ背中に色水を入れられ、あっという間に体中がカラフルに。一度でも色粉や色水をくらうと「色粉&色水オッケーな人」とみなされ、次から次へと攻撃をくらってしまいます。街に滞在する限り避けるすべはありません。

これがバンケ・ビハリ寺院。

寺院内は土足で入れないため、周囲にはたくさんのサンダルが脱ぎ散らかされて地面が見えませんでした。

人の波に飲まれつつ寺院の中に入っていくと……

中はものすごい熱気。写真の色彩がおかしくなってしまっているのではなく、色粉が飛び交いすぎて全体的にピンクです。

どれくらい人であふれているのか?ということは以下のムービーを見ると分かります。
ホーリー祭当日のバンケ・ビハリ寺院の様子 - YouTube
人であふれ返るバンケ・ビハリ寺院の様子 - YouTube
寺院の前方にはカーテンが引かれており、カーテンの向こうにあるジャガンナート像は何分かごとに姿を現すようになっています。ジャガンナート像の姿を見ようと人々は寺院の前方に押し寄せてくるというわけです。なお、像は撮影禁止なので注意。

見渡すかぎり、カラフルな人だらけ。



粉をファサッ……と投げる人もいれば……

スプレータイプの色粉を噴射する人も。

スプレータイプの色粉がべったり顔につくとこんな感じ。

建物の後方からの様子。

寺院内は後ろの方までとにかく人・人・人でいっぱい。


2階から様子を眺めている人もいます。

紙吹雪を2階からまく男性。

バンケ・ビハリ寺院のホーリーはインド内でも有名なので、テレビ局もいくつか訪れていました。

テレビカメラの存在におばあちゃんもおおはしゃぎ。

あまりにも人であふれているため、小さな子どもは親に抱かれたり、肩車されたりしていました。

子どもから大人まで、他人同士で「ハッピーホーリー!」と声をかけあい、笑顔で色粉をつけていきます。


色粉だらけの男性。

観光客は特にターゲットになりやすく、色んな人に容赦なく色粉をつけられていきます。


それを苦笑いで見る女性。

しかし、女性もまた手には色粉入りの水鉄砲を抱え、戦闘態勢なのでした。

顔が真っピンクに染まった白人女性。

頭までカラフル。

カメラの存在に気づき、踊りを披露してくれるおじさんとおばさん。


台に乗った牛に触ったり……

花を捧げる人も。

カメラマンらしき人もたくさん訪れており、みんなカメラにビニールをかけて撮影に臨んでいました。

カメラを持っていてももちろん容赦はありません。

寺院の中には真剣に祈りを捧げている人の姿を多く見かけました。

一方、お祭り気分ではしゃいでいる人もいっぱい。


記念撮影しまくっている人も。

インド人観光客らしき人々は大体スマートフォンを駆使して写真撮影を行っていました。非常に粒子の細かい色粉や色水が飛び交う中でスマートフォンを使用して大丈夫だろうか?と心配になります。

寺院内は男性が多いのですが、女性も何人か見かけました。水鉄砲の装備は必須のようです。

寺院の中ほどには台のようなものがあり、いい写真を撮影しようとカメラマンたちが集結していました。

ということで、人波をかき分けつつ、寺院の中ほどまで移動。

寺院中ほどから見た寺院内の様子は以下から。
バンケ・ビハリ寺院でホーリーを祝う人々 - YouTube
ちょうど像が姿を現した瞬間、人々は盛り上がりをみせます。

後ろから見た様子。

両手を上げる青年たち。

もみくちゃです。

祈りを捧げる男性たち。


真正面から色粉をくらう瞬間のおじさんを激写。

熱気に包まれているのですが、みんなフレンドリーで笑顔で色粉をつけまくります。

撮影中に色粉をつけられるカメラマン。

2階から撮影を行うカメラマンもたくさんいました。

寺院の後ろから光が差し込んでいる様子に、神聖な雰囲気を感じていたら……

何か問題があったらしく、外に追い出されている男性も発見しました。

天井まで色粉が立ち上っています。

ということで、ホーリーを満喫し、さあおうちに帰ろう……と街に踏み出します。しかし、ホーリーがさらに激しさを増すのは実はここからなのでした。

道ばたや家の屋根など高いところには子どもたちが待ち構えており、道行く人々に色水をガンガンかけてきます。

カメラをかまえるとポーズを決めて、攻撃の手をゆるめてくれることもありましたが……

大体が容赦なく集団に襲われます。以下は子どもの集団に囲まれ顔や体に色粉を塗りつけられている時にシャッターを切った1枚。子どもたちはみんな笑顔で、純粋にホーリーを楽しんでいるのであって、悪気はありません。多分。

ホースを持つ子どもと、笑顔の父親。

もちろん水をかけられます。

水鉄砲で攻撃してくる子ども。

屋根の上から色水をまく子どもたち。

満面の笑みで……

バシャー。しかも決して追撃の手を緩めません。

なんとか街を抜け、オートリキシャを見つけるとホテルまで行きの2倍以上の値段を提示されますが、放心状態になっているので値切る元気もありません。「つけば何でもいい……」とヨボヨボしながらリキシャに乗り込みんだものの、休まる間もなく、道路を走っていてもガンガン色水や果ては牛糞入りの汚水までかけられリキシャに乗っているだけのはずなのにHPはどんどん減っていきます。4人のインド人とリキシャに相乗りしたのですが、かつて少年としてホーリーに参加していたからか、彼らは色水をかけられようと汚水をモロに食らおうと常に爆笑していました。
これがオートリキシャ、インドで移動を行う際のメインの手段です。なお写真はデリーで撮影したもの。

リキシャの運転手さんも色だらけ。

何とかブリンダバンの街を後にしてホテルに到着。この日は白い服を着ていたのですが……

ホーリーから帰還すると、もはや何色かよくわからなくなっていました。

ホーリーのメインは午前中なので、午後に駅に向かってみると、色粉をつけられることもなく、みんなまったりした雰囲気。

でもやっぱりみんなピンク色でした。

インドのホーリーは「危ないから旅行者はホテルから出ないように」と言われることもあるイベントなのですが、色粉と共に襲ってきた子どもたちの1人に瞬殺でサングラスを取られた以外に目立った被害はなし。ただし旅行者は目立つためか格好のターゲットとなり、みんなブリンダバンのホーリーでは色粉や色水で全身カラフルに染まっていました。特に男性より女性がもみくちゃにされやすく、さらにはどさくさに紛れて胸やお尻を触られることもあり、毎年この日は旅行者の性被害も報告されているところなので、心穏やかにインドで過ごしたい人はホテルで過ごすのがベターなのですが、ホーリーに参加すると生涯忘れられない1日になることは確かです。
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