レビュー

電球内を液体シリコンで満たした冷却システム採用&光が290度まで広がるLED電球「SWITCH」を使ってみました


LEDライトの特性として直進性が高く、光が拡散しにくいことが挙げられますが、液体シリコン(シリコーン)で電球内を満たすという独自開発した冷却システムで電球の温度を上げることなく光を290度の範囲まで広げることができるLED電球が「SWITCH」です。2012年にアメリカのEdison Awardsを受賞し製作の様子も公開されていたのですが、市販のLED電球とは見た目からして違うSWITCHが一体どんな感じの商品なのか気になったので、実際に購入して使ってみました。

液体冷却システム : SWITCH LED Bulbs for residential and commercial customers
http://switchlighting.jp/

左から60W形の一般電球に相当するSWITCH60、80W形の一般電球に相当するSWITCH80、100W形の一般電球に相当するSWITCH100。いずれもシンプルなパッケージで届けられました。


箱を開けてみると、中にはLED電球本体と取扱説明書。


SWITCH社はアメリカの会社ですが、取扱説明書は日本語でも書かれているので安心。


SWITCH60、SWITCH80、SWITCH100の3種類を箱から取り出してみると以下のような感じ。ソケットはオレンジ・ブルー・グリーンで色分けされているので、一目でどれがどれか分かるようになっていました。


バルブ側から見た様子。


それぞれの相当ワット数が色分けされた文字で書かれているので、こちらも一目で確認可能です。


SWITCHは通常のLED電球より重めで、実際にSWITCH60を量ってみると、重さは288g。なお、明るさは810lm、色温度は2700Kで、消費電力は13.5Wです。


SWITCH80は実測で287gで、明るさは1160lm、色温度は2700K、消費電力は18.5W。


SWITCH100は実測289g、明るさが1520lm、色温度は4000Kで、消費電力は20Wとなっています。


いずれもサイズは同じで、直径が59mm、高さが124mmです。


SWITCHシリーズの最も大きな特徴はこのバルブにあり、中が空洞になっているのではなく、シリコンで満たされています。


液体シリコンで電球内部を満たすことで、空冷式のLED電球に比べ放熱性が高く、密閉器や埋め込み型器具にも取り付け可能で、向きによって明るさが落ちたり寿命が短くなってしまうことがありません。また、液体シリコンは食品サンプルや化粧品にも使用されているもので、導電性・毒性・染色性がなく、人体や環境にも無害であり、昔に豊胸手術で使われていたようなシリコンとは別物。


また、LEDライトの特徴に光の直進性が高いことが挙げられるのですが、SWITCHの光の広がりは290度。より白熱電球に近い形で辺りを照らします。


ということで、さっそく実際に使ってみます。まずは左・ELPA60形(770lm)白熱電球(クリア電球)と右・SWITCH60を比較してみます。以下の画像から分かるように、SWITCH60は白熱電球よりもやや明るい印象で、光にむらがなく、また、内部導入線による影もないので均等に室内を照らすことができています。なお、SWITCH60とSWITCH80は2700Kとオレンジがかった白熱電球に近い色合いとなっています。


続いて、左・SWITCH60、中・東芝ライテック 一般電球型60W相当、右・Panasonic LED電球 広配光タイプ 電球60W形相当を比較すると以下のような感じ。壁の明るさに違いはほとんどありませんが、色味が違うせいもあるのか、SWITCH60のスタンド足元がやや暗めの印象。なお、いずれも明るさは810lmで、東芝ライテックとPanasonicのLED電球の色温度は公開されていませんが、どちらもオレンジ寄りの「電球色」となっています。2009年時点での実験では各LEDライトに大きな差が出たのですが、技術が進歩しているようで、全般配光タイプや広配タイプの電球は、光の広がりが290度未満であってもかなりの範囲を照らせていました。


左から白熱電球、SWITCH60、東芝ライテック 一般電球型60W相当、 Panasonic LED電球 広配光タイプ 電球60W形相当の4つを比較してみます。LED3種類の中で最も白熱電球の色合いに近かったのがSWITCH60で、その他はややオレンジがかっていることがわかります。なお、明るさはいずれも1160lm。


次は左・SWITCH80と右・東芝ライテック 一般電球型80W相当を比較。こちらも明るさはほぼ同じですが、やや東芝ライテックが赤みがかって見え、SWITCH80のスタンド足元が少し暗い印象です。


左・SWITCH100と右・東芝ライテック 一般電球型100W相当を比べてみます。明るさはいずれも1520lmと同じなのですが、SWITCH100の色味が4000Kなのに対し、東芝ライテックが5000Kとやや青みがかっており、東芝ライテックが暗い印象です。


SWITCHは取り付ける場所によって明るさが変わらないのも特徴とのことなので、天井にも取り付けてみました。まずはSWITCH60。


SWITCH80。


SWITCH100はこんな感じ。


左・SWITCH60、中・東芝ライテック 一般電球型60W相当、右・Panasonic LED電球 広配光タイプ 電球60W形相当の3種類を比較するとこうなります。いずれも明るさはさほど変化せず、壁に当たるSWITCHの光が特徴的で、電球に近い部分はやや明るく見えます。


左・SWITCH80と右・東芝ライテック 一般電球型80W相当を比較したのが以下。東芝ライテックの光がやや赤みを帯びているように見え、SWITCH60と同じくSWITCH80は光の当たり方に特徴があり、床に近づくほど違いはなくなりますが、電球周辺はやや明るい気がします。


そして最後は左・SWITCH100と右・東芝ライテック 一般電球型100W相当を比較。スタンドを使った時と同様に色の違いが大きく、印象に差があります。こちらも電球周辺はSWITCH100の方がやや明るく照らされている様子。


明るさはSWITCHとその他LED電球でそこまで差はなかったのですが、温度の上がり方に違いはあるのか?ということで、どんな物でもかざすだけで温度測定して画像保存できる赤外線サーモグラフィ「FLIR i3」を使ってSWITCH100と東芝ライテック 一般電球型100W相当を比較してみました。


まず、東芝ライテック 一般電球型100W相当の温度の上がり方は以下のような感じ。左からライトをつけて15分後・30分後で、ライトをつけて15分後たつと電球本体の温度は64度まで上昇し、30分後には78度に。また、電球周囲の空気が広い範囲まで温められているのが分かります。


一方、以下がSWITCH100の温度の上がり方。明かりを付けて5分後には電球の温度が58度まで上昇し、30分後には場所によって74度のところもありますが、周囲の空気が熱せられている範囲は限定されており、冷却システムによって電球の外側にまで温度の上昇が影響しにくくなっていることがわかります。


また、60W相当以上のLED電球には珍しく、SWITCHは独自の技術によって調光器に対応しています。光を小さくすると円を描くように小さな光が現れ、オシャレな雰囲気が演出可能。


明かりを大きくして通常のライトとしてしっかり照らすこともできます。


実際に調光機能付きライトでSWITCHを使用している様子は以下のムービーから見ることができます。

LED電球SWITCH60を調光してみた - YouTube


また、市販のLED電球の中には熱がこもるため密閉型照明器具での使用ができないものがありますが、冷却システムの確立されているSWITCHの場合、密閉型照明器具でも問題なく使用可能。


お風呂場用のライトとしても使えるというわけです。


ということで、SWITCHは60形白熱電球よりも明るく、より均一に光を発することが可能でしたが、東芝やPanasonicから販売されている60W相当のLED電球と「明らかに違う」と言えるほどの明るさの差はありませんでした。壁に取り付けた時に電球の回りがやや明るく、ガラスに反射した時のような光が壁に写りますが、実際に電球の下に立った時の感覚としてはほとんど差がなく、どちらかと言うとやや暗めの印象。ただ、調光が可能であり、光を小さくした時の様子もなかなかオシャレなので、電球が見えるようなライトでインテリアとしても使える点がかなりグッド。やはり特筆すべきはその冷却システムで、冷却されることによって寿命が長くなっており、どのモデルも平均寿命は約4万時間、1日6時間つけっぱなしにするというような状況であっても約18年も使える計算に。さらに周囲の空気の温度に対する影響が小さいため、密閉空間であったり、あるいはずっとつけっぱなしにすることが多い場所であればあるほどSWITCHの方が有利になっていきます。

なお、価格はSWITCH60が税込6890円、SWITCH80が税込8610円、SWITCH100は税込9800円となっており、いずれも3年間の無料保証付きとなっています。

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in レビュー,   ハードウェア,   動画,   ピックアップ, Posted by darkhorse_log

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