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2012年度の国際学力調査の結果が公開、アジアの好成績目立つ

By World Bank Photo Collection

経済協力開発機構(OECD)の進める国際的な学習到達度に関する調査をPISAと呼びます。PISAは3年ごとに、15歳の少年少女を対象に読解力・数学的リテラシー・科学的リテラシーの3分野を調査するもので、2012年の調査では世界の65の国や地域に住む約51万人の学生が受験、日本は2009年時よりも成績を上げる結果となりました。

Key findings - Organisation for Economic Co-operation and Development
http://www.oecd.org/pisa/keyfindings/pisa-2012-results.htm

Pisa 2012 results: which country does best at reading, maths and science? | News | theguardian.com
http://www.theguardian.com/news/datablog/2013/dec/03/pisa-results-country-best-reading-maths-science

U.S. 15-Year-Olds Slip in Rankings on International Exams - WSJ.com
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304579404579234511824563116

PISA調調査を受けた65の国と地域をテストの平均点で順位付けをしてみると、数学的リテラシー(以下、数学)や読解力、科学的リテラシー(以下、科学)の3項目全てでランキングのトップに立ったのが上海でした。その後にシンガポールと香港が続いており、日本の順位は数学が7位、読解力と科学が4位となっており、2009年の調査から成績を上げることに成功しています。(画像をクリックすると、65の国と地域のランキングが全て見られます)


PISA調査で世界中の子どもの学力調査が行われるようになったのは2000年からのこと。現在では、テストに参加した国や地域の中等教育の数学の成績は、特に「将来的なその地域の成功の指針になる」と考えられており注目を浴びているようです。

◆アジア
アジアは他の地域よりも優れた成績を収めています。OECDのテスト結果によると、上海・シンガポール・香港・台湾・韓国・マカオ・日本というアジアの7つの国と地域が数学の成績上位7つを占めています。また、OECDのレポートによると、特に上海の子どもたちは数学のテストで素晴らしい結果を出しており、他の国や地域の子どもとの間には教育期間3年分以上の差がある、とのことです。


◆全体の成績の上下
比較不可能な1つのデータを除いた64個のデータを見てみると、読解力においては32の国や地域がパフォーマンスを向上させており、22カ所は前の調査から変わらない成績を記録、そして10カ所ではパフォーマンスの低下が起こりました。数学では25カ所が前回よりも優れた成績を収め、25の国や地域では変化がなく、14カ所ではパフォーマンスが低下。なお、カタール・カザフスタン・マレーシアの数学の成績は、1年当たり8点の改善がみられたようです。科学では64の国や地域の内、19カ所で毎年のパフォーマンスの向上が見られ、37の地域では変化が見られず、8カ所ではパフォーマンスの低下が起こりました。この中でもカザフスタン・トルコ・カタールの3カ国は、科学のテストで毎年5ポイントずつ平均点が上がったとのこと。

加えて、レポートではブラジル・チリ・ドイツ・イスラエル・イタリア・メキシコ・ポーランド・ポルトガル・チュニジア・トルコの数学テストの結果が一貫して進歩している、としています。

◆男子の方が女子よりも数学的リテラシーが高い
PISA調査が行われた65の国と地域の中で、数学のテストにおいて男子の方が女子よりも優れた結果を出したのが37カ所。一方で、女子の方が数学において優れた結果を出した地域は、ヨルダン・カタール・タイ・マレーシア・アイスランドのわずか5カ所のみでした。OECDによると数学の成績の男女差は比較的小さく、教育期間半年分以上の差があるのはわずか6カ国のみとのこと。また、女子は数学を勉強するモチベーションが低く、数学で男子よりも劣っていると考えがちとのことでした。

By NATO Training Mission-Afghanistan

しかし、2000年から2012年までの調査で、読解力において女子の方が優れた値を示すようになった地域が11も存在します。PISA調査の結果からすると、科学においては男女差がほとんどないはずなのですが、コロンビア・日本・スペインでは男子の方が優れた成績を収めたそうです。

◆収入と成績
さらに、レポートでは経済面が数学のテストに与える影響を見ており、一人当たりのGDPと成績の間には相関性があることが分かっています。レポートでは「国民一人当たりのGDPは国の平均スコアを21%説明しうる。収入が全てではないにしても、ベトナムやインドネシアのような比較的低いレベルの国民所得を持つ国の成績を判断する際にはこれも考慮に入れるべき」と記されています。

By Erik Törner

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in メモ, Posted by logu_ii

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