スマホを照明にかざすだけでデータを受け取れる「可視光通信」を体験してみた
電波の代わりに照明が発する光を使ってデータのやりとりを行う「可視光通信」。電波通信が使用できない変電所やトンネル内、水中などの通信用として利用されているこの技術を、スマートフォンで活用できるようにしたシステムが「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2012」に展示されていたので、実際に通信を行って使い心地をチェックしてきました。
ブースの外観はこんな感じ。
展示を行っているのはアウトスタンディングテクノロジーという会社。
変電所などでの利用を想定した端末は以下の通り。この箱にイーサネットケーブルを接続して使用します。
こんな感じでライトと受光器がセットになった箱を向かい合わせて使用することで1メートルほど離れた端末同士で最大160Mbpsの通信が行えるとのこと。
で、その技術可視光通信の技術をスマートフォンに応用したのが以下の製品。
必要なのは小型の受光器1つ。
スマートフォンのイヤフォンジャックに挿すだけでOK。
データを発信する端末にあたる照明はこんな感じで、人の目では認識できない速度で光の強弱を変えるたり点滅させたりすることでデータを送ります。
データを受信するには専用のアプリを起動して照明の下にかざすだけ。なお、写真ではスマートフォンを見えやすくするために手前へ傾けていますが、実際には受光器を照明に向けて使用します。
画面の切り替えにかかる時間などがよくわかるムービーは以下でチェックしてみてください。なお、以下のデモでは画像が切り替わるだけですが、実際に店舗などで使用する場合には画像やムービーなどを表示したり、音声ガイドをスタートさせたりとさまざまな使い方が可能。
スマホをライトの下にかざしてデータを受け取る可視光通信はこんな感じ - YouTube
実際にどんな場所での利用が想定されているのか? というのは以下の通り。博物館などで利用者が特定の場所(ライトの下)に到達した際にスマートフォン上に案内を表示する、というような使い方が考えられています。
参加者だけにデータのダウンロードを許可するような仕掛けのイベントでは、光を使用することで演出効果をアップすることができるとのこと。確かに、ピカーッと照射される光にスマートフォンを向けたらデータがダウンロードされる、というのはちょっとワクワクする体験かもしれません。
また、商業店舗での広告配信などにも利用できるそうです。
実用化のスケジュールは未定とのことですが、現状でも十分サクサクと動いており今スグにでも実戦投入できそうなレベルだったので、そう遠くないうちにどこかでお目にかかることができるかもしれません。
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