福島第一原発に襲来した高さ10メートルの津波写真付き報告書まとめを東電が公開中
東京電力が2011年9月9日19時過ぎに「福島第一原子力発電所 東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について」という全565ページに及ぶ報告書PDFファイルをネットに公開しました。これは経済産業省原子力安全・保安院に報告するために作られたものなのですが、「これまでのまとめ」とでも言うべき内容になっており、非常に興味深い内容となっています。
福島第一原子力発電所における東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響に係る経済産業省原子力安全・保安院への報告について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11090910-j.html
111ページ目、赤い部分は高さ10メートル以上の津波が来た部分。最高は地震発生後約51分で13.1メートル。
114ページ目、3月11日15時42分から、わずか2分後にはあっという間に高さ5.5メートルの重油タンクが水の底へ沈没。
115ページ目、高さ10メートルの津波が福島第一原発へ襲来した瞬間の写真。
118ページ目、各ポンプの写真と配置図
119ページ目、ずたぼろになっている海水ポンプ。全壊、脱落、断線、変形、流出、まさにずたぼろ。
120ページ目、非常用海水冷却設備
121ページ目、津波襲来後の電源状況一覧。赤いのは使用不可。全滅した様子がよく分かります。
129ページ目、津波によって漂流した重油タンク
131ページ目、時系列順にこのようにしてまとめてあるので、かなりわかりやすい
136ページ目、各プラントのデータについても、レシートみたいなチャートをまとめてあります
161ページ目、原子炉水位図
170ページ目、「ソース:重大事故」の手書き文字が生々しい
194ページ目、1号機の炉心の図。このスペースインベーダーみたいなのは何かというと、白いのは無事なわけではなくて「燃料なし(崩落)」、黄色いのは溶融してしまって外径増加、紫色に至っては「溶融プール形成」という感じ。しゃれにならない。
260ページ目、これも同じで2号機の炉心の図。
475ページ目、3号機燃料プールの中。ぐちゃぐちゃで無事なのかどうか確認不能。
488~490ページ目、4号機プールは破損していないことを確認
506ページ目、空冷式で燃料棒をここに保管してあるよ!という図
507ページ目、これが実物
539ページ目、今後のロードマップ。
540ページ目、山のような対策が必要
565ページ目、最終ページには保護衣などの説明があります
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