巨大ネズミの化石を探しに行った洞穴で1万2000年前の壁画を発見
絶滅した巨大ラットの化石を探し求めて東ティモールの洞穴を訪れていたオーストラリアの考古学者・古生物学者たちにより、人間の顔のようなものを描いたペトログリフ(岩面彫刻)が発見されたそうです。
「洞穴の底から岩棚に座っている同僚を見上げた時に、ヘルメットに付けたトーチによって照らされた範囲に、風化した彫刻のようなものが見えました。周囲をトーチで照らしてみると、壁一面に人間の顔が刻まれていたのです」とオーストラリア連邦科学産業研究機構のKen Aplin博士は発見の驚きを語っています。
詳細は以下から。Giant rats lead scientists to ancient face carvings (Media Release)
Aplin博士らは、東ティモールの北東部ラウテン県にるLena Hara洞穴で、Coryphomysという2000年前から1000年前に絶滅したといわれる大型のラットの化石を探していたそうです。
発見された岩面彫刻の一部。
定型化された顔はすべて正面から見た顔で、目と鼻と口があり、実物大より大きく描かれています。頭部を後光のような装飾が囲むものもあり、「神」または「非常に重要な人物」を描いていると考えられるとのこと。
「後光」のあるこの顔は、クイーンズランド大学によるウラン同位体の放射年代測定によって、1万~1万2000年前のものと明らかになっています。
Lena Hara洞穴ではこれまでに手形や動物、舟や人間などを描いた顔料による洞窟壁画が発見されていて、1960年代から多くの考古学者たちが調査のため訪れていたそうですが、彫刻が見つかったのはこれが初めてとのこと。東ティモールの島全体でもこのような顔面彫刻はほかに見つかっていません。
また、同様の定型化された人の顔の彫刻はオーストラリアやメラネシアなど太平洋諸島の各地に分布しているのですが、更新世にまでさかのぼるものが発見されたのはやはり今回が初とのことです。
「調査に協力していただいた地元の地主さんたちは、今回の発見に非常に驚き、彫刻たちは我々の仕事ぶりを評価しこの日に顔を現すことを選んだのだろう、と喜んでくれました」とAplin博士は語っています。
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in サイエンス, Posted by darkhorse_log
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