サイエンス

アンモナイトなどの海に住んでいた古代生物が琥珀の中に閉じ込められているのが発見される


天然の樹脂が加熱・圧縮されたことによって作られる琥珀は、それ自体が宝飾品として珍重されるだけでなく、内部に虫やトカゲなどの生物が閉じ込められていることもあります。ミャンマーでは恐竜やトカゲなどの一部を閉じ込めた琥珀が多く発見されており、なんと古代の海に住んでいたアンモナイトなどの海生生物が閉じ込められた琥珀も発見されたと報告されています。

An ammonite trapped in Burmese amber | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2019/05/09/1821292116

Scientists Discover Something Remarkable Trapped in Amber: Ancient Sea Creatures
https://www.sciencealert.com/cretaceous-sea-creatures-have-been-found-trapped-in-amber-alongside-insects

琥珀の中に閉じ込められた古代生物が発見されることはまれにあり、過去には9900万年前のトカゲや羽毛に覆われた恐竜の尻尾1億年前の鳥などが発見されています。琥珀は植物の樹脂が化学変化を起こしたものであるため、閉じ込められる生物のほとんどが陸上に生息する種類です。

ところが、古生物学者のチームがミャンマーで発見した琥珀には、4匹の海に住む巻き貝やフナムシのような甲殻類、そして若いアンモナイトなどが含まれていたと報告されています。琥珀の大きさは33mm×9.5mm×29mmと非常に小さいサイズでしたが、海生生物のほかにも22匹のダニや8匹のハエ、2匹の甲虫など、実に多様な生物が閉じ込められていたとのこと。


研究者は今回の発見について、「水中に生息する生物を琥珀の中から発見することは珍しく、それが海に住む生物となれば非常にまれなことです」と述べています。琥珀が発見された火山岩の地層は、ウラン・鉛年代測定法によっておよそ9980万年前のものだと判明しましたが、一方でさらに上の砂岩層から1億1300万年前のものとみられるアンモナイトの化石が発見されるなど、琥珀がいつの時代にできたものかは判然としません。ひょっとすると、1億1300万年よりも前に琥珀が形成された可能性もあるそうです。


「一体なぜ、これほど多様な生物が一つの琥珀に閉じ込められたのか?」という謎については、アンモナイトや海生甲殻類の殻が摩耗している点や、アンモナイトの開口部に砂が詰まっていた点がヒントになるとのこと。また、樹脂は水に浸った状態では適切に固化しないため、樹脂の塊が水に落ちても水中の生物が琥珀に閉じ込められることはありません。

古生物学者のチームは、アンモナイトをはじめとする海生生物は琥珀に閉じ込められた時点で死んでいて、陸地に打ち上げられた状態だったと推測しています。浜辺を転がる間に殻は摩耗し、アンモナイトには砂が詰まり、その後で海岸近くの樹木から流れ出た樹脂によって琥珀に閉じ込められた可能性が高いと、研究チームは述べました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1h_ik

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