【求人募集】GIGAZINEのために働いてくれる記者・編集を募集します→終了しました
2007年の秋以降、ことあるごとに人材を募集してきましたが、今回はさらにもう一段階上のレベルアップを目指し、これまでとはまったく違う視点と条件で人材を募集することにしました。
端的に言うと、自分の時間を切り売りして時給換算し、「仕事は仕事、プライベートはプライベート」というような消極的考え方をする人ではなく、「自分はGIGAZINEだからこそできることをするためにGIGAZINEで働きたい、ほかのところでは働きたくない!」というプロフェッショナル的な考え方をする人を求めます。余所でも働こうと思えば働けるような人ではなく、「GIGAZINEだからこそ働きたい!」という人を求めます。
求人の詳細は以下から。
◆募集に至る経緯
編集長の山崎です。今回の募集はGIGAZINEにとってひとつのターニングポイントを目指すものですので、この募集に至るまでの経緯について恥をしのんでここに公開し、記録しておくことにします。
現在、GIGAZINEは10名近くで構成されていますが、この中で編集長を除いて、記者・編集を最初から志して加わった者はほぼ皆無です。また、編集長自身がこれまでソフトバンク・ライブドアといった会社を経験してきたため、上からの命令ではなく、もっと自由に、そして自主的に動くことを期待してさまざまな社員を記者・ライター業務など未経験であっても将来の可能性に期待して雇ってきました。これは多彩な視点を持った人材を雇うことによって、多様な視点の記事ができることを期待してのものでした。
が、自分の好きなことや趣味をコアとして記事にすることを拒絶したり、編集長やデスクからの業務命令を拒否したり、挙げ句の果てには赤字を垂れ流しているにもかかわらず「もっと金を寄越せ」というようなことを言い始める編集部員が出るに至り、これを機にGIGAZINE内の刷新を図ることを決意しました。
つまり、GIGAZINEで働きたかったわけではなく、どこでも金さえもらえれば良かった、そういう人材を私は雇ってしまったのです。これが大きな間違いでした。
また、最初から「正社員」として雇ってしまったため、そのことがどのような意味を持っているのか、バイトや契約社員とは違う責任があるのだという意味を理解してもらうことができていませんでした。結果、バイトしか経験していない者をはじめとして、すべて時給ベースで考えるようになりましたし、プライベートの時間に勉強して自分の能力を上げようと考えることはなくなり、業務時間内にありとあらゆる仕事に関することをやろうとするものの、多忙なのでそのための時間がなく、ちっとも進歩しないという悪循環が発生してしまいました。
記事を作るというのは自分自身の全能力が問われるものであり、自分自身の成長なくして良い記事は書けません。ですが、その価値観を理解できる者とできない者との間の差は年々拡大していき、成長する者は自分のあらゆる時間を使って自己研鑽し、そうでない者は金の払われる業務時間内だけ仕事をして、プライベートの時間はすべて仕事以外に費やしました。結果、その実力差はもはや私が許容できる範疇を超えてしまったのです。できる者はますますできるようになり、できない者はますますできなくなっていくという格差が発生したのです。
情けない話ですが、この3年間、編集長である私自身が作成する記事本数を大幅に抑え、主に経営の方に携わることによって、各自の記事作成の下地を支えていき、編集長だけでは作成できないような多種多様な記事が増えることを期待し、さまざまなことを実行してきました。しかし、実情としては上記の理由によって真逆となってしまい、編集長である私一人で以前は書いていたジャンルの記事(ソフトウェアやネットサービス、問題提起系の記事や調査報道系の記事やまとめ系の記事)は激減、もしくは消滅してしまいました。
GIGAZINEの記事の質が低下しているという指摘も多数いただくようになり、それらを補うために「量から質は生まれる」ということで人をどんどん雇って記事の量を増やし、質を上げようとしてきましたが、そもそも私自身の価値観や世界観、問題意識や目指すものとあまりにも違いすぎる人材が多数派を占めるに至り、「払われた金の分だけしか働かない、働きたくない、記事を書くのは面倒くさい、そもそもできれば書きたくない」という風潮が編集部内に蔓延し、そのことを明言する者さえ現れました。
これが単純な肉体労働であれば、時給的発想があってもそれでいいかもしれませんが、GIGAZINEの記事作成・取材などはそれ自体が自分自身を鍛えて磨き上げるという完全な知的かつ創造的な仕事となっており、自分の持っている時間すべてを常に注ぎ込んでこそ良い記事ができあがるものです。実態としては、作家や芸術家のようなものに極めて近かったのです。世間一般の「仕事は仕事、プライベートはプライベート」という価値観とは真逆の価値観、それが必要なのです。会社にいる間だけ記事を書いて、自宅にいる間は遊んでプライベートをエンジョイするというようなタイプの人間では決してできないことだったのです。
私は自分自身が苦もなくどのようなジャンルの記事でも書くことができたため、ほかの人間もやろうと思えば、仕事として、そしてプロフェッショナルとして、どのようなジャンルについても好奇心を維持することができ、多種多様なものを生み出せるのだと信じ込んでいました。しかし、「好き」と「嫌い」、「快」と「不快」、「興味あり」と「興味なし」の壁を超えることは誰もできていませんでした。ごく一部、自分の好きなことをコアとして、さまざまなジャンルに手を伸ばしていき、好きと嫌い、遊びと仕事の垣根を乗り越えることができた者もいます。ですが、それは圧倒的少数派でした。
人間は学習することによって変わりますし、成長しますが、仕事の時間だけしか成長しない人間と、仕事以外の時間も積極的に自助努力と勉強を行う人間とでは成長速度はまったく違ってきます。すると今度はどうなったかというと、「自宅でも勉強する分はGIGAZINEの仕事のために勉強するのだから、労働時間、いわば残業+休日出勤のようなものだ。プライベートの時間に勉強しろというのはプライベートの時間に働けというのと同じだ。だからその分の金を払ってくれるなら勉強してやっても良い」というようなことになってしまったのです。
確かに会社が研修を行い、勉強のための時間と費用を負担する、そういうのもありかもしれませんが、GIGAZINEは10人程度の小さなところなので一日たりとも休むわけにはいかず、大企業のような充実したサービスはそもそも提供できないのです。どちらかというとベンチャー企業と同じです。しかし、「一流の会社と同じような労使関係を結んで雇用主と労働者の対等な関係を結ばなくてはならない。働いた分だけの給料はもらわなくては!」というような動きが出るにいたり、もはや我慢の限界を超えたというのが正直なところです。こちらの期待するだけの質の記事を書いて実績を出しているのであればともかく、そうでないのに金だけ要求されても困ります。
つまり、ひとりひとりがGIGAZINEを支えているのだという自覚が必要であるにもかかわらず、その自覚は皆無、むしろ態度だけがどんどん増長していったという感じです。
また、面接の時点では嘘のキレイゴトを並べ立て、どのような業務命令にも従うようなことを言っておきながら、実際にはあれがいや、これがいや、あれはできない、これはできない、そのようなことには興味がないからほかの人にやってもらってくれ、挙げ句の果てには好きなヤツが好きなようにすればいいだけであって、働けば働くほど損をする、あれもしてくれない、これもしてくれないというようなことまで言われるようになってしまいました。それらすべてを支えるために、私自身は土日祝も休まずありとあらゆる犠牲を払ってそういった人でも変わるのだと信じて今まで支えてきましたが、一度しかない私の人生を他人のためだけに費やし、自分のやりたいことをすべて封印し、能力を削られ、その果てに読者から「GIGAZINEはつまらなくなった」というようなことを言われ続けては、何のために何をしているのかがわからなくなりました。
この3年の間、自立的にしてくれることを期待していろいろと施策を打ってきましたが、私が失ったモノは非常に多く、直近の1年ではやりたいこともまったくできないようになり、一歩もどこにも進まなくなってしまいました。その結果、ほかの編集部員の機嫌を損なわないように顔色をうかがって基本的に命令はせず「お願い」ベースでいろいろなことをやるようになり、次第に編集部員の一部が増長しはじめ、「業務時間外だから何も手伝わない」というような状況にまで至りました。上から命令されるということが無く、いくらでもリスクゼロで命令を好きなだけ拒否できるため、支離滅裂な状態になっていきました。基本的に私自身、誰かに「怒る」ということがないため、なめられてしまったようです。怒られないとこちらの言うことを聞かないというのは、かなり低次元かつ低レベルで幼稚なことだと私は思うのですが、そういう社員ばかりを雇ってしまった私にも確かに責任があります。正直、GIGAZINEの中は今、ガタガタです。手が足りないのにもかかわらず、人を雇えば雇うほど私の負担が増していき、ほかの編集部員の給料を出すために月給も何もかも私が一番低いワーキングプア状態で、もう心身共に限界に達して倒れかけました。
この現状を立て直すため、本日付でついに編集部員一名を手始めに解雇しました。
今後も、反省の見られない者、GIGAZINEにとってプラスになる業務命令に従わない者、あまりに価値観の違いすぎる者は順次、やめていかざるを得ない状態になると思います。GIGAZINEで記事を書くというのは決して肉体労働ではなく、自己実現を兼ねている知的作業のはずなのですが、ただの「労働」として捉えているような者との価値観の落差に私がもはや耐えられず、なおかつ読者に提供される記事の質の低下も目に余るものが出ているため、次のような方針転換に至りました。
これまでは能力重視で採用していましたが、それ以前の問題として、そもそも本当にGIGAZINEで働きたいと思っているのか、それはGIGAZINEでないと実現できないことなのか、そういった「価値観」の一致と不一致を今回は最重要視します。
当然、採用してから面接などで言っていたことが「虚偽」であるということが判明した場合は即刻、やめてもらうことになります。自分を良く見せて嘘をついてGIGAZINEに入った人、要するに、「GIGAZINEで働くべきではない人」は基本的にアウトだと考えてもらって結構です。私がかなり高慢な上から目線の理由を並べ立てており、通常の一般社会における時給ベースの労働価値観と真逆のことを言っているということは重々承知していますが、GIGAZINEで働くという事は、普通の雇用主と労働者の関係とはまったく違うのです。「ニュースサイトで記事を書くというのは、普通の労働とは絶対に違うのだ!」ということを事前にちゃんと理解していただきたいのです。このことはブログを書いたりしている人であれば直感的に理解できると思います。好きだからこそきちんと書くのであって、ノルマで書いているわけではありません。バイトやパートの延長線上の時給ベースの時間の切り売りで考えていてはだめですし、自分のプライベートの趣味のためのお金が必要だから、遊ぶ金が欲しいから、ただそのためだけに働くというような人だらけでは、お互いに不幸になるだけだからです。
とりとめもないことや愚痴のようなことを書いてきましたが、以上がこの人材募集に至る経緯です。かなりハードルが高いことは承知していますが、願わくば、私と同じような志を持つ「同志」に来ていただければ、と考えています。いっしょにGIGAZINEを高みへ押し上げて、ひとりでは決してできないことをGIGAZINEでいっしょに実現しましょう。私は私と同じような人を、ここで待っています。
◆募集期間
8月2日(月)~8月9日(月)23時59分まで
◆募集職種
記者・編集
◆勤務地
大阪府大阪市
◆仕事内容
ニュースサイト「GIGAZINE」(http://gigazine.net/)の記事作成・編集
◆給与
応相談
◆勤務時間
応相談
◆勤務形態
応相談
◆応募資格
前歴・職歴・学歴・年齢・性別は就労できるのであれば一切問いません
◆採用フロー「第一次審査」
本日8月2日(月)から8月9日(月)23時59分までの間にまず第一次審査として、下記の「この求人に応募する」のところにある「ここをクリック」という文字列をクリックして表示されるメールアドレスに対して、以下の書類をメールに添付する形で送付してください。Word形式でもPDF形式でもテキスト形式でもかまいません。
・履歴書
※必要なら職務経歴書も添付して下さい。顔写真は不要ですが、その他の各項目は可能な限り詳細に書いておいて下さい。
・上記「募集に至る経緯」を読んて感じたこと、思ったこと、考えたこと、あなたの考え
※事実上の一次審査がこれなので、あなたの思うところ、考え、意見、GIGAZINEでやりたいことなどなど、書けるだけ書いて下さい
◆採用フロー「第一次審査の通過発表」
第一次審査を通過した方のみ8月中に第二次審査の案内をメールで送付します。なお、こちらからのメールがスパム判定されて届かないというケースも考えられるので、スパムフィルターなどが搭載されている場合には十分注意してください。
◆この求人に応募する
ここをクリックして表示される文字列を入力して応募用メールアドレスを表示させてください。なお、スパム防止のため、「reCAPTCHA Mailhide」を使用しています。
※なお、この求人募集に関する質問は一切受け付けません。万が一、問い合わせされても返信できませんのでご了承ください。
・つづき
【求人募集】GIGAZINEで働きたいネットワークエンジニア・Webプログラマー・Webデザイナーを募集します
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