「Claude Mythos 5」の提供範囲が拡大、直接プロンプトを入力できない仕組みで悪用リスクを抑制し「Claude Security」で利用可能に&外部サービスにも提供へ

AI企業のAnthropicが、サイバーセキュリティ分野で高い能力を持つAIモデル「Claude Mythos 5」をセキュリティ製品「Claude Security」で利用可能になったと発表しました。これまでは攻撃への悪用リスクが懸念されて利用が制限されていたものの、Mythos 5を裏側で決められた処理だけに使用する形式にし、脆弱(ぜいじゃく)性の修正案やセキュリティ警告など決められた結果だけを受け取る仕組みにすることでリスクを抑えています。
Bringing the cybersecurity capabilities of Claude Mythos 5 to more defenders | Claude by Anthropic
https://claude.com/blog/bringing-claude-mythos-5-to-more-defenders

生成AIのコーディング能力が高まると、ソフトウェアの脆弱性を見つけて修正する能力も向上します。一方で同じ能力は脆弱性を突く攻撃コードの作成にも利用できるため、サイバーセキュリティでは「防御側に強力なAIを提供しながら攻撃側には使わせない」という難しい問題が生まれます。
Anthropicは2026年4月に「Project Glasswing」を開始し、Claude Mythos Previewを重要なソフトウェアやインフラを守る一部の組織へ先行提供していました。AnthropicによるとMythos Previewは主要なOSやウェブブラウザを含むソフトウェアから数千件の深刻度の高い脆弱性を発見しており、同等のAIが広く普及する前に防御側へ脆弱性を発見・修正する時間を与える狙いがあったとのこと。後継モデルのClaude Mythos 5も当初は限られた組織向けに提供されていました。
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一方、利用できる組織を限定したままではMythos 5の防御能力を幅広いセキュリティ担当者へ届けることができません。AnthropicはMythos 5と同じ基盤モデルの「Claude Fable 5」を一般提供していますが、Fable 5にはサイバーセキュリティ関連の要求などを制限する安全対策が導入されており、完全な防御能力を発揮することができませんでした。
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自由にプロンプトを入力できる場合、悪意のある利用者が指示を工夫しながら脆弱性を突く攻撃コードなどを生成させようとする余地が生まれます。そこで今回、Mythos 5を裏側で決められた処理だけに利用し、エンドユーザーには必要な結果だけを返す方式を採用することで安全にセキュリティ製品へMythos 5を組み込めるようになったとのこと。例えば脆弱性を修正する製品なら、利用者が受け取るのは「推奨される修正内容の一覧」です。Anthropicと提携企業はモデルが想定された用途から外れないよう、不正利用を防ぐ仕組みも設けるとしています。
Claude Enterpriseユーザー向けのパブリックベータとして提供されているAnthropicの脆弱性分析サービス「Claude Security」の場合、GitHubリポジトリを指定するとMythos 5がソースコードを調べて脆弱性を探します。発見結果にはソフトウェアの弱点を種類ごとに整理した「CWE(Common Weakness Enumeration)」や判定の確信度、深刻度、推奨される修正内容などが含まるとのこと。修正案はClaude Codeのウェブ版で実装できますが、実際の対話型の修正作業ではMythos 5ではなく組織がClaude Codeで利用可能なモデルが使われます。

AnthropicはMythos 5の利用拡大と合わせて、オープンソースソフトウェアの安全性向上を支援する「Defender Advantage Fund(0xDAF)」も発表しました。総額3500万ドル(約56億円)相当のClaude利用クレジットを提供し、広く利用されているオープンソースソフトウェアの脆弱性修正や、脆弱性の検出・修正作業の自動化などを支援する計画です。
さらに審査を通過したセキュリティ組織向けの「Cyber Verification Program」についても、Claude OpusやClaude Sonnetでサイバーセキュリティ関連の制限を緩和するとともに、今後はMythosクラスのモデルによる防御能力も利用できるようにする予定です。Anthropicは政府機関や企業、オープンソースソフトウェアの開発者などと協力しながら安全対策やアクセス制度を整備し、強力なAIによる防御能力をより多くの組織へ提供していくと述べています。
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