パートナーと離婚した男性は自殺リスクが既婚男性より圧倒的に高いとの研究結果

「男性の方が女性より自殺率が高い」という傾向は日本だけでなく世界全体でみられるもので、これには男性が家計を支えるべきという経済的期待や、男性の方が他者に助けを求めにくいといった要因があると考えられています。新たな研究では、男性の中でも特にパートナーと離婚した男性は既婚男性と比較して、自殺リスクが大幅に高いことが明らかになりました。
Suicidality in Men Following Relationship Breakdown: A Systematic Review and Meta-Analysis of Global Data
https://psycnet.apa.org/fulltext/2026-40673-001.html
Men face an elevated risk of suicide immediately following a relationship breakdown
https://www.psypost.org/men-face-an-elevated-risk-of-suicide-immediately-following-a-relationship-breakd/
さまざまな文化における伝統的ジェンダー規範には、「男性は自立するべき」「男性はむやみに感情を表に出すべきではない」といったものがあり、これにより男性は専門家に感情的な問題を相談しにくい状況があります。その結果、感情的な親密さを共有できる相手が恋愛関係にあるパートナーのみだという男性も多くいます。
恋愛関係は精神的な支えや安心感、そして帰属意識を満たしてくれるものですが、逆に恋愛関係が破綻すると人々は深刻な精神的苦痛を経験するため、自殺のリスク要因になり得ると認識されています。感情的なつながりを持つ相手が恋愛関係にあるパートナーだけである男性にとって、別れや離婚は突然の社会的孤立や失敗の感覚をもたらすため、自殺リスクへの影響はより高くなる可能性があるそうです。
そこでオーストラリア・メルボルン大学の心理学者であるマイケル・ウィルソン氏らの研究チームは、恋愛関係にあるパートナーと別れた後の男性の自殺行動について調べるため、複数の研究結果を統合するメタアナリシスを実施しました。
研究チームは2000~2023年に発表された、男性の自殺行動を交際状況に基づいて比較した査読済み研究を学術データベースで検索し、30カ国にわたる75件の研究を収集。このうち29件には統計的なメタアナリシスに適した互換性のあるデータが含まれており、残りは共通のテーマや人口統計学的パターンを特定するために物語的な分析が行われたとのこと。

研究チームは分析にあたり、自殺について考えたり自殺の計画を立てたりする「自殺念慮」、実際に自殺を試みる「自殺未遂」、結果として死亡した「自殺による死亡例」という3つの具体的な結果に着目しました。
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