ハードウェア

Intelがアメリカ政府向けに宇宙利用想定で設計したSoC「Starfire」を発表


Intelが宇宙での利用を想定したシステムオンチップ(SoC)「Intel Starfire」を発表しました。Intel 18Aプロセスで製造するCPUとNPUに、Intel 3プロセスで製造するGPUを組み合わせ、最大75TOPSのAI処理性能を実現する設計で、2026年第3四半期にサンプル提供が始まる予定です。

究極の用途に備えたインテルの® Starfire™インテル搭載
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/content-details/923451/intel-starfire-built-for-extremes-powered-by-intel.html

Intel's new space-grade Starfire chip is a Panther Lake SoC that puts an 18A CPU into orbit — chip designed for the US government leverages Intel 3 for the GPU | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/semiconductors/intel-shows-off-starfire-space-grade-chip

Starfireはアメリカ政府向けに開発された宇宙グレードのSoCで、CPU・NPU・GPUなどの複数のチップレットをIntelの3次元パッケージング技術「Foveros」を用いて1つのパッケージに統合しています。


Starfireは消費電力を抑えた「Low Power」と、処理性能を重視した「Performance」の2種類が用意されます。どちらもIntel 18Aで製造するPコア4基と低消費電力Eコア4基、3タイル構成のNPUを備え、Intel 3で製造する64実行ユニットのXe GPUを搭載します。

Low PowerモデルはPコアが1.0GHz、LP(低消費電力)Eコアが850MHz、GPUが800MHz~1.0GHzで動作し、総合AI性能は最大45TOPS、TDPは10Wです。一方、PerformanceモデルはPコアが3.1GHz、LPEコアが2.1GHz、GPUが2.0GHzで動作し、最大75TOPSのAI性能と35WのTDPを実現します。


両モデルともPCI Express 4.0を12レーン備え、LPDDR5またはDDR5メモリに対応。動作可能な接合部温度はマイナス55度~125度とされ、10年以上の運用寿命を想定しているほか、サイズ、重量、消費電力を抑えながら宇宙空間で高度なAI処理を行うことを特徴としています。

従来の宇宙機では、放射線への耐性を優先するため、古くて大型の製造プロセスを使った比較的低速なプロセッサが長く採用されてきました。例えばBAE Systemsの耐放射線プロセッサ「RAD750」は110MHz~200MHzで動作し、火星探査車や宇宙望遠鏡ケプラーなど、150機以上の宇宙機に搭載されています。

これに対してStarfireは専用NPUを搭載し、人工衛星などが取得した画像やセンサーデータを軌道上で処理するAI推論を主な用途として想定しています。地上へすべてのデータを送信してから解析するのではなく、宇宙機側で必要な情報を選別、分析できれば、通信帯域や応答時間の制約を軽減できる可能性があります。


ただし、Intelが公表した資料では総電離線量、シングルイベントラッチアップ、シングルイベント効果に関する評価は進行中とされています。このためStarfireは現時点で放射線耐性の認定を完了した製品ではなく、掲載されている仕様も今後変更される可能性があります。

StarfireはIntel Government Technologiesが取り扱い、Intelは競争力のある価格とアメリカ国内での製造を訴求しています。最先端のIntel 18Aを宇宙向けプロセッサへ投入するStarfireは、従来の制御や通信を中心とした宇宙用コンピューターから、軌道上でAI処理を担う高性能コンピューターへの移行を狙った製品といえます。

・関連記事
Intelの自社工場製プロセッサー「Core Ultra シリーズ 3(Panther Lake)」と「Core シリーズ 3(Wildcat Lake)」が供給不足に陥っているとの報道 - GIGAZINE

Intelが初の携帯ゲーム用プロセッサー「Arc G3」と「Arc G3 Extreme」を発表、Xe3 GPUコアを内蔵し「Acer Predator Atlas 8」「MSI Claw 8 EX AI+」「OneXPlayer 3」で採用決定済み - GIGAZINE

NVIDIAのAI向けCPU「Vera」がAMDのEPYCやIntelのXeonを凌駕する強力な性能を発揮 - GIGAZINE

Intel Core i9-14900KFが9.2GHzに達してCPU周波数の世界新記録を樹立 - GIGAZINE

Intelがゲーマー向けCPU「Core Ultra 200S Plus」シリーズを発表 - GIGAZINE

Intelが「Core Ultra シリーズ 3」を発表、新ラインナップとして「Core Ultra X9」「Core Ultra X7」を追加 - GIGAZINE

NVIDIAがIntel 18Aでのチップ製造を断念との報道 - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article Intel has announced 'Starfire,' a SoC de….