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アメリカの軍事計画Signalチャットグループに民間人を招待してしまった件で渦中のThe Atlanticがスクショを大量公開、「標的がガールフレンドの家に入ったところを確認」など生々しい記録が残る


2025年3月24日に月刊誌「The Atlantic」が「戦争計画について話し合う政府の極秘チャットにThe Atlanticの編集長が招待され、会話内容が筒抜けになっていた」と報じました。初報の時点ではチャットの内容のごく一部だけが公開されていたのですが、大統領や政府高官の「チャットには機密情報は含まれていなかった」という発言を受けてチャットの内容を記録したスクリーンショットが2025年3月26日に大量公開されました。

Here Are the Attack Plans That Trump’s Advisers Shared on Signal - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/politics/archive/2025/03/signal-group-chat-attack-plans-hegseth-goldberg/682176/

The Atlanticのジェフリー・ゴールドバーグ編集長は2025年3月11日に「マイケル・ウォルツ」と名乗るSignalアカウントから接続リクエストを受け取り、「Houthi PC small group(フーシ派PC小グループ)」というグループに参加するように促されました。この「マイケル・ウォルツ」は本物のマイケル・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)で、グループにはJ・D・ヴァンス副大統領を含む18人の政府高官が参加していたとのこと。グループ内ではイエメンの武装組織・フーシ派の拠点に対する攻撃計画が話し合われており、厳重に保護されるべき軍事計画が民間人であるゴールドバーグ氏に筒抜けとなっていました。ゴールドバーグ氏は軍事計画の情報の取り扱いを問題視し、一連の流れをまとめた記事を2025年3月24日にThe Atlanticのウェブサイト上で公開しました。

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The Atlanticの報道を受けてアメリカでは政府高官の情報の取り扱いを疑問視する声が挙がっていますが、トゥルシー・ギャバード国家情報長官は2025年3月25日の上院公聴会で「Signalのグループチャットでは機密情報は共有されていなかった」と発言しています。また、問題のチャットグループに参加していたジョン・ラトクリフ中央情報局(CIA)長官も「Signalでの私の通信は完全に合法なものであり、機密情報は含まれていなかった」と弁明。さらに、ドナルド・トランプ大統領も「機密情報は共有されなかったと理解している」と述べました。

大統領や政府高官らの対応を受けて、The Atlanticは「トランプ政権はThe Atlanticの編集長に誤って送信したテキストメッセージの重要性を軽視している」と述べ、「トランプの補佐官たちがSignalで共有した攻撃計画はこちら(Here Are the Attack Plans That Trump’s Advisers Shared on Signal)」と題した記事を2025年3月26日に公開しました。


The Atlanticは記事の掲載に際してCIAや国家情報長官室、国家安全保障会議(NSC)、国防総省、ホワイトハウスに対して「本日、上院情報委員会を含む複数の政府関係者が『フーシ派に関するSignalグループの情報は機密情報ではなく、戦争計画も含まれていない』と述べた。これを踏まえて、The AtlanticはSignalのチャットの全文公開を検討している」というメールを送信し、全文公開の可否を尋ねました。その結果、ホワイトハウスのカロリン・リービット報道官から「繰り返し述べてきたように、グループチャットでは機密情報は送信されていません」という返答を得られたとのこと。そこで、The Atlanticは「CIA職員の名前を伏せる」という編集のみを施した状態でSignalのチャットを全文公開しました。

グループチャットの先頭部分はこんな感じ。ウォルツ大統領補佐官がゴールドバーグ氏を招待した記録が残っています。


グループチャットの参加者一覧が以下。ウォルツ大統領補佐官のほかに、J・D・ヴァンス副大統領、ピート・ヘグセス国防長官、ジョン・ラトクリフCIA長官、スティーブ・ウィトコフ中東担当特使などが名を連ねています。


ヘグセス国防長官は2025年3月15日11時44分に「CENTCOM(アメリカ中央軍)にミッション開始の許可を確認した」「12時15分にF-18を出撃させる(第一次攻撃パッケージ)」「13時45分に第一次攻撃ウィンドウを開始(標的のテロリストは時間通りに現れるはず)」とフーシ派の拠点攻撃計画の詳細を送信しており、ヴァンス副大統領が「戦士に幸運を」とコメントしています。The Atlanticは攻撃開始前に民間人を含むグループチャットで攻撃の詳細を明かしたヘグセス国防長官の行為について「このメッセージをアメリカに敵対する人物が受け取っていた場合、フーシ派は攻撃に備え、米軍パイロットに甚大な影響を与えていた可能性がある」と指摘しています。


また、同日13時48分にはウォルツ大統領補佐官が「副大統領、建物が崩壊し、複数の身元が判明しました。ピート、クリラ、情報機関、素晴らしい仕事だ」と投稿。さらに続けて「最初のターゲット(ミサイル部門のトップ)がガールフレンドの家に入っていくのを確認した。そして、その建物は崩壊した」と攻撃の成果を報告しています。


なお、民間人であるゴールドバーグ氏が問題のグループチャットに招待された理由は明らかになっていません。

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