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イタリアが海賊版防止法に基づきGoogleに対してDNSの無効化を要求、セリエAの違法配信規制のため


イタリアの通信規制当局であるAGCOMは、サッカーの試合の違法配信を阻止するため、ミラノの裁判所に対して「Googleが違法配信サイトをブロックしていない」として訴訟を提起しました。この訴訟で、裁判所がGoogleに対してパブリックDNSサーバーを直ちに無効化するよう命じています。

Italy demands Google poison DNS under strict Piracy Shield law - Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2025/03/italian-court-orders-google-to-block-iptv-pirate-sites-at-dns-level/


イタリアでは長年にわたって同国のプロサッカーリーグであるセリエAのサッカーの試合が違法配信されていることが問題視されてきました。イタリアではこの種の海賊版コンテンツを配信することを法律で禁止していますが、Googleは海賊版コンテンツを配布するユーザーに対してパブリックDNSサービスを提供しているため、「Googleは法律を順守していない」とAGCOMはGoogleを訴えています。

しかし、DNS経由でコンテンツをブロックすると、ドメイン全体をブロックすることとなるため、一部からは過剰な対策であるとの批判の声も上がっています。実際、2024年にどこかの誰かが著作権で保護されたコンテンツを共有するのにGoogleドライブのドメインを使用したため、イタリアのインターネットサービスプロバイダー(ISP)は、Googleドライブのドメイン全体を一時的にブロックしなければいけなくなりました。

AGCOMが行っている海賊版コンテンツのブロックについて、テクノロジーメディアのArs Technicaは「DNSキャッシュポイズニングスプーフィング攻撃と呼ばれる、DNSレコードを変更し、ドメイン名を入力した人が正しいIPアドレスにルーティングされないようにする手法と同じ」と説明しています。


AGCOMのコミッショナーであるマッシミリアーノ・カピターニオ氏は、LinkedInでミラノ裁判所の判決を祝福する「判事はAGCOMの調査の価値を認め、世界でも類を見ない著作権保護システムに再び正当性を与えた」というコメントを投稿しています。

さらに、カピターニオ氏はAGCOMが作成した海賊版サイトリストをGoogleが無視していることに不満を述べ、「リストにあるサイトは法律上、30分以内にブロックされることになっている」と言及しました。


なお、イタリアではCloudflareに対しても同様の訴訟が行われており、2025年1月にミラノ裁判所がCloudflareのCDNおよびDNSサーバー、 WARP VPNが著作権侵害を助長しているとの判決を下しました。裁判所はCloudflareがサイトのブロックを開始しない場合、1日あたり最大1万ユーロ(約160万円)の罰金を科すと警告しています。

AGCOMはGoogleにイタリア国内での法的義務を認めさせることに苦労していますが、同社はCloudflareと同様の制裁を受ける可能性があります。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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