1980年代に稼働停止した巨大アンテナが再稼働し「宇宙空間内の敵船」の探知に活用されることが決定
NASAの月面着陸計画に利用された経歴を持つオーストラリアの巨大アンテナが、約40年の時を経てふたたび電波の受信を開始しました。再稼働したアンテナは「宇宙空間内の敵の宇宙船」を監視する軍事目的に活用されるそうです。
Carnarvon's NASA satellite dish receives first signal in almost 40 years - ABC News
https://www.abc.net.au/news/2024-12-03/carnarvon-nasa-dish-receives-signal-repairs/104672866
Repairs start on Carnarvon's historic NASA dish for a future in satellite tracking - ABC News
https://www.abc.net.au/news/2023-09-26/repairs-begin-carnarvon-historic-otc-dish-nasa-missions/102893882
再稼働したアンテナは、オーストラリア西海岸のカーナーボンにある「OTC Satellite Earth Station Carnarvon」です。OTC Satellite Earth Station CarnarvonはNASAの月面着陸計画に利用された実績を持つ高精度アンテナですが、1987年に稼働を停止しました。
これがOTC Satellite Earth Station Carnarvonです。
OTC Satellite Earth Station Carnarvonは稼働停止した後も観光資源として人気を集めており、トリップアドバイザーなどの旅行サイトにも案内ページが用意されています。ただし、再稼働計画が始まる前は「ハトのフンが多い」といった問題を抱えていたようです。
そんなOTC Satellite Earth Station Carnarvonの再稼働計画を進めているのが宇宙開発企業のTHOTHXです。THOTHXは2022年末にOTC Satellite Earth Station Carnarvonの20年間のリース契約を結び、再稼働に向けた整備を開始。OTC Satellite Earth Station Carnarvonでは長年の間「悪天候に備えた角度の微調整」しか行われていませんでしたが、THOTHXは清掃や整備を進めてアンテナの角度を自在に調整できるようにしました。
整備は「新たなバックエンド通信システムを構築する」という大がかりなものから「ハトのフンを清掃する」「アンテナのベアリングにオイルをさす」といった細かな作業まで多岐にわたり、2024年12月に約40年ぶりの電波受信テストへとこぎつけました。なお、テスト時には「電子機器ではなく、電動ドライバーを使ってアンテナの角度を微調整する」という手法が採用されたそうです。
THOTHXは今後もアンテナの整備に1000万ドル(約16億円)以上の資金を投じる予定とのこと。アンテナは最終的に「宇宙空間内の敵の位置」を把握するサービスに活用される予定で、「軍事関連の潜在的顧客」にサービスを提供するそうです。
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in ハードウェア, Posted by log1o_hf
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