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Metaが8160億パラメーターのオープンウェイトAI「Muse Spark Open」を公開、Mac Studioわずか2台で動作


Metaは2026年10月15日に8160億パラメーターのAIモデル「Muse Spark Open」を公開しました。AIモデルの内部データをダウンロードして独自の環境で利用できるオープンウェイトモデルで、Appleと協力して「Mac Studio」でのローカル動作にも対応しています。

Muse Spark Open | Meta
https://dev.meta.ai/models/muse-spark-open


Introducing Muse Spark Open, The Most Capable US Open‑Weight Model to Date | Meta AI Research
https://research.meta.ai/blog/muse-spark-open


Local and Distributed Large LLM Inference with MLX and RDMA on Mac Studio - Apple Machine Learning Research
https://machinelearning.apple.com/research/mlx-distributed-inference



Metaは2026年4月にAIモデル「Muse Spark」を発表し、その後もプログラミングや複雑な作業を自動化するAIエージェント向けにモデルの改良を重ねてきました。2026年8月には比較的小規模なオープンモデル「Muse Glimmer」も公開していますが、高性能なMuse Sparkシリーズは主にMetaのサービスやAPIを通じて提供されていました。

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AIモデルを自社のシステムに組み込む場合、外部サービスを経由すると利用料金やデータの取り扱いなどに制約が生じます。そこでMetaはMuse Sparkを基に追加の安全対策を施したMuse Spark Openを公開し、独自のサーバーや対応するコンピューターで動かせるようにしました。

Muse Spark Openのパラメーター数は合計8160億ですが、複数の専門的な処理を担当する部分から必要なものを選んで動かす「Mixture of Experts(MoE)」と呼ばれる仕組みにより、処理する際には約420億パラメーターだけを使用します。また、最大100万トークンの情報を一度に扱えるほか、テキスト・画像・動画・音声の入力にも対応。大量のプログラムコードを読み込んで修正箇所を調べたり、複数のツールを使って作業を進めたりするエージェントとしての使用もOKで、途中で問題が発生した場合に結果を確認して修正するような長時間の作業も行えます。

Metaが公開した性能比較は以下の通り。仕事に関する課題を解く「JobBench」では61.8、外部ツールを使う能力を評価する「MCP-Atlas」では89.2、専門知識や推論能力を測る「HLE-Diamond」では26.1を記録しました。複数の項目で他社のAIモデルを上回っていますが、プログラミング能力など一部の項目では他社モデルの方が高いスコアを記録しています。


また、AIモデルの性能を分析するArtificial Analysisが公開した総合評価「Artificial Analysis Intelligence Index v4.3.2」では、Muse Spark Openが39ポイントを記録しました。数学や科学、プログラミング、推論などの能力を総合的に評価したもので、DeepSeek V4.1と同点となっています。


一方で8160億パラメーターという規模は、AIモデルを自分のコンピューターで動かす際の大きな課題になります。Muse Spark Openを通常の精度で保存するとモデルのデータだけで約1.6TBのメモリが必要となり、一般的なパソコン1台では実行が困難です。

そこでMetaはAppleと協力し、Apple製チップに最適化されたAI開発基盤「MLX」を使ってMuse Spark OpenをMac Studioで動かす取り組みを進めました。データの精度を調整して容量を削減する「量子化」によってモデルのサイズを約493GBに縮小。さらに複数のMac Studioに処理を分散させることで、巨大なAIモデルをローカル環境で実行できるようにしたとのこと。

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Appleが公開した複数のコンピューターに処理を分散させる仕組みは以下の通り。左側の「パイプライン並列化」はAIモデルの処理を前半と後半に分けて実行する方式で、右側の「テンソル並列化」は同じ処理を複数のコンピューターで分担する方式です。


AppleはM5 Ultraを搭載したMac Studioを2台または4台接続してMuse Spark Openの性能を測定しました。Mac Studio同士の接続にはThunderbolt 5を使用しており、コンピューター間でメモリ内のデータを高速に転送できる「RDMA」という技術を活用しています。

まず、AIに質問してから回答の最初の文字が生成されるまでの時間を比較した結果が以下のグラフです。数値が大きいほど待ち時間が短くなることを示しており、青色が8192トークン、緑色が6万5536トークンの情報を入力した場合の結果です。Mac Studioを2台使用してテンソル並列化した場合、Muse Spark Openは8192トークンの入力で1.03倍、6万5536トークンでは0.68倍となりました。Muse Spark Openの比較基準は2台のMac Studioでパイプライン並列化を使用した場合で、他のAIモデルは1台のMac Studioを使用した場合です。Muse Spark Openでは長い入力を処理する際にテンソル並列化によってかえって待ち時間が増える結果となっています。


一方でMac Studioを4台に増やすと、8192トークンの入力で1.76倍、6万5536トークンでは1.17倍に改善。処理を担当するコンピューターを増やすことで、最初の回答が表示されるまでの時間を短縮できることが分かります。


続いて文章の生成速度を比較した結果が以下のグラフです。回答の生成が始まってから、どれだけ速く文章を出力できるかを測定しています。Mac Studioを2台使用した場合、Muse Spark Openの生成速度は8192トークンの入力で1.59倍、6万5536トークンでは1.66倍に向上しました。最初の回答が表示されるまでの時間とは異なり、長い入力でも速度が改善しています。


Mac Studioを4台使用した場合はさらに高速化し、8192トークンで2.33倍、6万5536トークンでは2.41倍となりました。


Appleによると、4台のMac Studioを使用した場合のMuse Spark Openの生成速度は1秒間に最大約36.7トークンで、人間の平均的な読書速度を上回るとのこと。

Muse Spark OpenはAIモデルの共有サービス「Hugging Face」からダウンロードでき、Apple製ハードウェアのほかNVIDIAやAMDなどの環境でも利用できます。MetaはMuse Spark Openを独自のライセンスで公開しており、開発者は用途に応じてAIモデルを調整することも可能です。

Muse Spark Open - a meta-models Collection
https://huggingface.co/collections/meta-models/muse-spark-open


Metaは今後も高性能なAIモデルを開発者が自由に利用できる環境を整えていく方針を示しています。

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