メモ

貢献者がコミュニティから得るものがなくて離脱し全体の質が雪だるま式に低下する「気化冷却効果」


「ソーシャルネットワークにおける気化冷却効果」とは、貢献度の高いメンバーがコミュニティから得るものがないせいで抜けた結果、質の低いメンバーばかりが流入するようになってコミュニティ全体の質が低下する現象のこと。この気化冷却効果の4つの要素をまとめたブログ記事が公開されています。

The Evaporative Cooling Effect in Social Network : Networks Course blog for INFO 2040/CS 2850/Econ 2040/SOC 2090
https://blogs.cornell.edu/info2040/2015/10/14/the-evaporative-cooling-effect-in-social-network/

◆ポイント1
気化冷却効果の提唱者は、「オープンさが気化冷却効果の主因」と主張しています。コミュニティの創設当初は、メンバーの大部分が「多くの時間をささげることをいとわない人」で占められています。しかし、新しいメンバーがどんどん参加してくると、質の高い貢献者の割合が薄まり、全体的な質の低下につながります。

「コミュニティが拡大する中で気化冷却効果は避けられないので、この傾向を遅らせるように務めるのが賢明な選択です」と、記事の著者は述べました。


◆ポイント2
気化冷却効果への対抗策のひとつは「ソーシャルゲーティング」、つまり参入者の厳選です。例えば、ある分野に関する基礎知識すら持たないユーザーが、その分野のコミュニティに参加できないようにするのがその典型です。また、長期間アクティブではないユーザーアカウントをこまめに閉鎖させるという手法もあります。

参入のハードルを上げる方法としては、他に料金を請求してコミュニティの品質を維持するというのも一般的に行われています。なぜなら、コミュニティに本当に関心がある人でなければ、コミュニティに居続けるためにお金を払う意思を持たないからです。


◆ポイント3
気化冷却効果を遅らせる別の方法は、貢献度の高い特別なメンバーにステータスを付与するなどして、一般人が入り込むのを防ぐためのある種の参入障壁を設けるというものです。

価値の高いメンバーにステータスを付与すると、名声が一目でわかるようになり、他の人から尊敬されるため、コミュニティを離れる動機がなくなります。これにより、気化冷却効果を遅らせることができます。


◆ポイント4
3つ目の対策で提唱者は、コミュニティを「プラザ(plaza)」と「ウサギの巣穴(warrens)」という2つの側面に分けて説明しています。このうち、プラザは一般的にパブリックな広場で、巣穴はプライベートなスペースです。

プラザでは、潜在的な参入者がコミュニティ内で何が起きているかを一望し、コミュニティに参加するかを決めることができるため、コミュニティが拡大しやすく、気化冷却効果の影響も大きくなります。


他方で、ウサギの巣穴はソーシャルネットワーク上の個人的なコンテンツであるため、拡張性が高くない代わりに安定しています。

どちらかの方針をとればそれでいいというわけではなく、著者は「ソーシャルネットワークの成功には、スケーラビリティと安定性の両方に目配せしつつ、さまざまな方法でこれらの2つの側面を組み合わせる必要があります」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
活動的なコミュニティをゼロから構築するために重要なポイントとは? - GIGAZINE

高額で低速な通信会社に見切りをつけたコミュニティが独自のブロードバンドネットワークを構築へ、通信会社が妨害するも失敗か - GIGAZINE

コミュニティや組織の運営を自律させるのに役立つルールをモジュール化して簡単に組み合わせて作成できる「CommunityRule」 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.