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GoogleとMetaの「10代の若者をターゲットにした秘密の広告契約」について欧州委員会が情報提供を求める


GoogleとMetaが結んでいた「Googleのガイドラインを回避して10代の若者をターゲットにする秘密の広告契約」について、欧州委員会の規制当局がより多くの情報提供を求めたと経済紙のフィナンシャル・タイムズが報じました。

Brussels probes Google and Meta secret ads deal to target teens
https://www.ft.com/content/fac060e0-4778-4ea6-a040-12bb7bf75806


Brussels seeks more information on secret Google-Meta ads deal targeting teens, FT reports | Reuters
https://www.reuters.com/technology/brussels-probes-google-meta-secret-ads-deal-targeting-teens-ft-reports-2024-12-10/

EU digs further into Google and Meta's secret ad campaign targeting minors
https://www.engadget.com/big-tech/eu-digs-further-into-google-and-metas-secret-ad-campaign-targeting-minors-140047175.html

Googleが定める「子どものための広告配信保護対策に関するポリシー」では、YouTubeを含むGoogleのサービスで子どもに対するターゲティング広告の配信を禁止しています。ところが2024年8月、フィナンシャル・タイムズはGoogleとMetaが未成年者のオンライン上での扱いに関するポリシーを回避し、YouTubeで10代の若者にInstagramのターゲティング広告を配信する秘密協定を結んでいたことを報じました。

GoogleとMetaが10代の若者をターゲットにした秘密の広告契約を締結していたという報道 - GIGAZINE


フィナンシャル・タイムズが入手した内部文書には、Googleのユーザー属性で「unknown(不明)」に分類されたユーザーをターゲットにすることで、10代の若者にInstagramのターゲティング広告を表示する実験を行ったことが記されていました。Googleの従業員はMetaに対し、「不明」にラベル付けされたユーザーには18歳未満が多いため、ガイドラインを回避しつつ10代にターゲティング広告を配信できると説明したとのこと。

フランスの大手広告代理店・Publicisのアメリカ子会社であるSpark Foundryは、この仕組みを利用して2024年4月にカナダでターゲティング広告のパイロットプログラムを行いました。この成功を受けて、5月には同キャンペーンがアメリカにも拡大。さらに世界展開も予定されていたほか、InstagramだけでなくFacebookを含むその他のMetaアプリの広告も展開する計画がありましたが、フィナンシャル・タイムズの報道を受けてプロジェクトはキャンセルされたそうです。


新たにフィナンシャル・タイムズは、欧州委員会が10月にGoogleの親会社であるAlphabetの弁護士に対し、未成年者を対象にした一連の広告キャンペーンに関するデータやプレゼンテーション資料、内部チャット、電子メールのレビューと照合を命じたと報じました。このデータは欧州委員会の職員に提示されたとのことで、規制当局による正式な調査に発展する可能性があります。

一連の報道の後、Googleは広告スタッフ向けにバーチャル説明会を開催し、会社のポリシーを再確認することや自分たちの責任を理解することを求めたとのこと。Googleはフィナンシャル・タイムズへの声明で、「パーソナライズ広告の禁止など、10代の若者を保護するための私たちのセーフガードは業界をリードしており、引き続き機能しています。私たちは営業チームが自社のポリシーと技術的な保護を常に意識するよう、最新の社内トレーニングを実施しています」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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