Cloudflareのレポートで「日本ではTwitterが人気」「世界のインターネットトラフィックは2024年に17.2%増加」などさまざまな情報が明らかに
Cloudflareがまとめたレポート「Cloudflare 2024 Year in Review」が公開され、1年を通して観察されたインターネットのトレンドが明らかになりました。世界で最も人気のあるサービスは何なのか、iOSとAndroidはどっちが優勢なのかといった情報が公開されています。
Cloudflare Radar 2024 Year in Review for Japan
https://radar.cloudflare.com/year-in-review/2024
Cloudflare 2024 Year in Review
https://blog.cloudflare.com/radar-2024-year-in-review/
Cloudflareによると、同社のネットワークは120以上の国または地域で330以上の都市に広がっており、1秒当たり平均4200万件を超えるDNSリクエストや平均6300万件を超えるHTTP(S)リクエストを処理しているとのこと。こうした膨大なデータを元に、セキュリティやトラフィック、使用状況に関するパターンを割り出し、2024年1月1日から12月1日までの情報をまとめたのが「Cloudflare 2024 Year in Review」です。Cloudflareは「トラフィックの傾向」などいくつかの項目に分けてデータを公開しています。
◆トラフィックの傾向
以下のグラフにおいて、橙線が世界、紫線が日本のトラフィックを示しています。年初の休日明け、1月8日~15日の週をベースラインとして増減を計測したところ、世界中の年間トラフィックは2024年に17.2%増加したとのこと。8月中旬まではベースラインから1~2%の増減にとどまっていましたが、それ以降は11月末まで上昇し続けたそうです。このように、下半期にトラフィックが増加するという傾向は2022年と2023年にも見られていたとのことです。一方で、日本では9月2日頃にピークに達してからはほぼ横ばい。なお、最も多くのトラフィックを占めたのは、検索インデックスを作成するGoogleのウェブクローラー「Googlebot」だったそうです。
◆最も人気のあるサービス
2024年、最も人気のあったサービスはGoogleで、2位がFacebook、3位がAppleでした。
日本では2位がApple、3位がX/Twitterになっています。
「生成AI」に限定すると、世界で最も人気だったのはOpenAIの「ChatGPT」、ユーザーがキャラクターを独自に作成できるチャットサービス「character.ai」が2位、AIコードアシスタントプラットフォーム「Codeium」が3位でした。その他のサービスについて、1位から3位までを以下にまとめています。
1位 | 2位 | 3位 | |
ソーシャルメディア | TikTok | ||
ビデオストリーミング | YouTube | Netflix | Twitch |
ニュース | Globo | BBC | NY Times |
電子商取引 | Amazon | Taobao | AliExpress |
メッセージング | Telegram | ||
メタバースとゲーム | Roblox | Xbox/Xbox Live | Epic Games/Fortnite |
金融サービス | Stripe | TradingView | Alipay |
仮想通貨サービス | Binance | Coinbase | OKX |
◆Starlinkのトラフィック
2万基以上の人工衛星で郊外にもネットワークを提供するサービス「Starlink」のトラフィックは、年間を通じてベースラインから3.3倍に増加しました。特にStarlinkが進出し始めた地域では上がり幅が大きく、東アフリカのマラウイ共和国では38倍、ジョージアでは100倍以上、パラグアイでは900倍以上になったとのこと。
◆AIボットとクローラーのトラフィック
進化し続けるAIモデルをトレーニングするため、AI企業はインターネット上から情報を集め続けています。こうした「クロール」の傾向は以下の通りで、ByteDanceのAIクローラー「Bytespider」からのトラフィックが年末に向けて徐々に減少したこと、AnthropicのAIクローラー「ClaudeBot」が4月に継続的なクロール活動の兆候を示し始め、5月と6月に最初のピークを迎えた後に減少していることなどがわかります。
◆iOS対Android
世界全体では、トラフィックの67.4%がAndroid、32.6%がiOSという結果が示されました。日本では対照的にiOSの方が多く、iOSが57.3%、Androidが42.7%という結果になっています。なお、モバイル端末用OSはAndroidとiOS以外も存在しますが、Cloudflareいわく「こうしたOSからのトラフィックはごくわずかであったため、このグラフには含まれていない」とのことです。
◆上位のウェブサイトで最も人気のあるテクノロジー
広告や分析ツールなどの分野で人気のあるテクノロジーは何なのか、トラフィック上位5000のドメインから集計した結果が示されています。1位から3位までをピックアップして以下にまとめました。
1位 | 2位 | 3位 | |
広告 | Microsoft Advertising | Twitter Ads | Linkedin Ads |
分析 | Google Analytics | Facebook Pixel | Linkedin Insight Tag |
A/Bテスト | VWO | Optimizely | Google Optimize |
CMS | WordPress | Adobe Experience Manager | Contentful |
Cookieのコンプライアンス | OneTrust | TrustArc | Cookiebot |
JavaScriptフレームワーク | React | Vue.js | Next.js |
JavaScriptライブラリ | jQuery | jQuery Migrate | Slick |
マーケティングオートメーション | HubSpot | Marketo | MailChimp |
PaaS | Amazon Web Services | WP Engine | Vercel |
プログラミング技術 | PHP | Node.js | Java |
タグマネージャー | Google Tag Manager | Tealium | Commanders Act TagCommander |
ウェブフレームワーク | Next.js | Express | Nuxt.js |
◆ブラウザシェア
ブラウザのシェアでは、Chromeが全体の65.8%と圧倒的。
Windowsに限定すると「Microsoft Edge」のシェアが6.9%から17.3%に増加しますが、やはりChromeがトップを独走。
iOSだとSafariが81.7%で圧倒的多数を占めます。
◆インターネット遮断
災害や政府の意図によって、インターネットが遮断される地域は少なくありません。大規模な遮断が確認された地域と回数が国別にまとめられた結果、以下のようになりました。特筆すべきは、シリアで32回、イラクで49回も遮断されているという事実です。
原因として最も多かったのは政府の指令、次点がケーブルの断線でした。シリアでは32回中25回、イラクでは49回中48回が政府の指令による遮断だったとのことです。
◆ネットワーク品質
ダウンロード速度とアップロード速度の平均値などがまとめられています。ダウンロード速度が最も高速だったのはスペインで、平均値は292.6Mbpsでした。
アップロード速度もスペインが最も速く、192.6Mbpsでした。アップロード速度に限っては日本が120.9Mbpsでトップ10に食い込んでいます。
◆モバイル対デスクトップ
世界におけるトラフィックの58.7%がデスクトップ、41.3%がモバイルデバイスという結果になりました。日本ではモバイルデバイスが47.8%となり、デスクトップに肉薄しています。
◆トラフィック軽減
全世界のトラフィックの6.5%が「悪意がある可能性あり」または「顧客の定義」を理由として、Cloudflareのシステムによって軽減されたそうです。DDoS緩和ツールとWAF管理ツールにより軽減されたのは全体の3.2%でした。
◆ボットの活動地域
ボットのトラフィックが最も多かったのはアメリカで、全体の34.6を占めていました。日本は2.6%でした。
◆最も攻撃されている業界
業界別にトラフィックが軽減された割合を示し、「最も攻撃されている業界」を算出したグラフが以下。ギャンブル/ゲーム、金融がそれぞれ6.6%で1位タイでしたが、その他の業界もほとんど差があるとは言えません。Cloudflareは「どの業界が最も標的となりやすいのかを予測することはできませんが、すべての業界が攻撃を受けることはわかっています。業界に関係なく、最善の策は気を引き締めることです」と述べました。
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in Posted by log1p_kr
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