100ペタバイトもあるNASAの地球観測データにAIチャットボットからアクセスできる「Earth Copilot」をNASAとMicrosoftが開発中
NASAとMicrosoftが、100ペタバイト以上にも及ぶNASAの膨大な観測データに対話型AIインターフェースで誰でもアクセスできるようにするプロジェクト「Earth Copilot」を発表しました。記事作成時点ではあくまでも試験的な段階ですが、将来的には一般公開もされる予定だとのことです。
From questions to discoveries: NASA’s new Earth Copilot brings Microsoft AI capabilities to democratize access to complex data - The Official Microsoft Blog
https://blogs.microsoft.com/blog/2024/11/14/from-questions-to-discoveries-nasas-new-earth-copilot-brings-microsoft-ai-capabilities-to-democratize-access-to-complex-data/
NASA's new Earth Copilot brings Microsoft AI to democratize access to complex data - YouTube
NASAの衛星は日々、地球を周回しながら、山火事のモニタリングから気候変動の追跡まで、様々な地球科学データを収集しています。このデータは科学的発見や政策決定、農業や都市計画、災害対応など、多岐にわたる分野で活用可能ですが、従来はデータの形式や地理空間分析の専門知識が必要とされ、限られた研究者や科学者しかアクセスできませんでした。
この課題に対処するため、NASAはデータアクセスの民主化に取り組んできました。そして、Microsoftとの協力により開発されたEarth Copilotは、Azure OpenAI Serviceを活用して、複雑なデータを簡単に扱えるようにしています。例えば、台風の歴史的データを分析して予測モデルを改善したい科学者や、森林破壊のパターンを研究して環境規制を実施したい政策立案者が、専門的な知識がなくてもデータにアクセスできるようになります。
Earth CopilotはAzureの包括的なサービススイートを基盤として構築されており、機械学習機能、データ分析機能、そしてスケーラブルなクラウドインフラストラクチャを組み合わせているとのこと。Azure OpenAI Serviceをシステムの中核とすることで、強力なAIモデルと自然言語処理機能が提供され、開発者はインテリジェントな対話型AIをアプリケーションに統合できるようになっています。
Earth CopilotはNASAの既存データ分析プラットフォームであるVEDAと統合されており、100ペタバイトを超える大規模なデータセットを効率的に処理できるように設計されています。VEDAのダッシュボードを通じて、ユーザーは地理空間データに関する複雑なクエリを実行することができます。
データ処理の面では、Earth Copilotは衛星搭載センサーや機器から収集される多様なデータを扱えるように設計されています。具体的には、大気条件、土地被覆の変化、海洋温度など、様々な種類のデータを統合的に処理することが可能。新しい衛星や観測機器が追加されても、システムが柔軟に対応できるよう、スケーラブルなアーキテクチャを採用しています。
さらに、Microsoftのクラウドソリューションアーキテクトであるミン・グエン氏によると、Earth Copilotは特にデータ配信の効率化に重点を置いて設計されているとのこと。例えば、地球科学データの検索、発見、分析のプロセスを数秒単位で完了できるよう最適化されています。
記事作成時点のEarth Copilotは、データの精度と信頼性の確保に焦点を当てた試験的な段階で、データや出力が誤用されないように厳密な評価が行われており、一部の科学者や研究者のみに公開されているとのこと。MicrosoftとNASAは、Earth CopilotはNASAのオープンサイエンスイニシアチブの一環として、科学研究をより透明で包括的、そして協力的なものにすることを目指していると述べています。
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