「サルがタイプライターを打ち続けても宇宙滅亡までにシェイクスピア作品を書けない」という研究結果
無限の猿定理とは、「サルがタイプライターの鍵盤をランダムに打ち続ければ、いつかは偶然にウィリアム・シェイクスピアの作品を書き上げることもできる」という定理です。これは宇宙の時間あるいはサルの個体数が「無限」であることを想定したものですが、もし時間や個体数が妥当性のある「有限」であった場合、「サルは宇宙が滅亡するまでにシェイクスピア作品を書けない」という研究結果が発表されました。
A numerical evaluation of the Finite Monkeys Theorem - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2773186324001014
It's not to be. Universe too short for Shakespeare typing monkeys | University of Technology Sydney
https://www.uts.edu.au/news/health-science/its-not-be.-universe-too-short-shakespeare-typing-monkeys
Scientists Confirm Monkeys Do Not Have The Time to Write Shakespeare : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/scientists-confirm-monkeys-do-not-have-the-time-to-write-shakespeare
無限の猿定理は確率とランダム性の原則、そして偶然がどれほど予期しない結果を引き起こすのかをたとえる比喩として、さまざまなシチュエーションやフィクション作品で引用されています。しかし、初めて無限の猿定理を聞いた時には、「確かに無限の時間があれば偶然とんでもないことが起きる可能性があるけれど、本当にサルがシェイクスピア作品を書けるのか?」と疑問に思ったことがある人も多いはず。
オーストラリア・シドニー工科大学の数学者であるスティーブン・ウッドコック准教授とジェイ・ファレッタ氏は、時間や猿の個体数を妥当性のある有限に設定した「無限の猿定理」ならぬ「有限の猿定理」について検討しました。
ウッドコック氏は、「無限の猿定理は猿の数が無限であるか、猿の労働時間が無限であるかという無限極限のみを考えます。私たちはある文字列が有限の猿によって、有限の時間内にタイプされる確率を、私たちの宇宙の推定寿命と一致する範囲で調べることにしました」と述べています。
研究チームは猿の個体数について、チンパンジーの推定個体数である最大20万頭までの範囲に設定しました。また、タイプライターは英語のアルファベットと句読点を含む30個のキーを持ち、猿がタイプライターのキーを押す速度は1秒あたり1回としました。その上で、猿が稼働できる時間は宇宙の推定寿命に近い10100年(1グーゴル年)と仮定し、猿がシェイクスピア作品を生み出す確率について推定しました。
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