レビュー

スリムボディにパワフルなAIパフォーマンスを詰め込んだ「HP OmniBook Ultra 14-fd」の力をベンチマークで測定しまくってみた


HPの「OmniBook Ultra 14-fd」をフォトレビューした前回の記事では、スタイリッシュな薄型軽量ボディや高輝度・高解像度なディスプレイといったHPのハイエンドノートPCの魅力が判明しました。さらに、今回の記事ではOmniBook Ultra 14-fdが誇るAIパフォーマンスを含めた性能面を徹底的に見ていきます。

HP OmniBook Ultra 14-fd 製品詳細 - ノートパソコン | 日本HP
https://jp.ext.hp.com/notebooks/personal/omnibook_ultra_14_fd/

◆スペック
まず、端末のスペックを「CPU-Z」でおさらいします。CPUは12コア24スレッドのAMD Ryzen AI 9 HX 375で、コアの内訳はパフォーマンスコア4+エフィシェントコア8となっています。


「GPU-Z」によると、GPUはプロセッサーに内蔵されたAMD Radeon 890Mグラフィックスでメモリサイズは512MB。


ストレージはSK hynix PC801で、PCIe Gen4×4の1TB SSDとなっています。


◆ベンチマーク
ストレージの転送速度を「CrystalDiskMark」で調べた結果、シーケンシャルリードが7073.68MB/s、シーケンシャルライトが6003.32MB/s、ランダムリードが316.32MB/s、ランダムライトが391.59MB/sでした。


「CrystalMark Retro」で計測すると全体スコアは「19661」、CPUのシングルコアスコアは「12057」、マルチコアスコアは「154280」でした。


続いて、「Geekbench 6 Pro」でCPUとGPUのベンチマークを行いました。その結果、シングルコアスコアは「1887」で整数演算スコアが「1803」、浮動小数点演算スコアが「2055」でした。


マルチコアスコアは「11345」、整数演算スコアが「10738」、浮動小数点演算スコアが「12565」。


GPUをOpenCLでテストした結果が以下。スコアは「33466」でした。


一方Vulkanでは「40183」でした。


続いて、GeekbenchのAI版である「Geekbench AI」でAIワークロードのパフォーマンスを見ていきます。まず、汎用(はんよう)性の高い指標であるOpen Neural Network Exchange(ONNX)で計測した結果、CPUの単精度浮動小数点のスコアは「1571」、半精度スコアは「833」、量子化スコアは「2666」でした。


DirectML、つまりAMD Radeon 890Mグラフィックスを使用してのスコアはそれぞれ「7064」「9577」「5076」でした。


IntelのAIモデル最適化および推論ツールキット・OpenVINOではCPUのAIパフォーマンスを調べることができます。結果はそれぞれ「2606」「2586」「6579」でした。


「Passmark PerformanceTest V11」ではCPU、2Dおよび3Dグラフィックス、メモリ、ディスクの5種類の測定を行って総合スコアを算出し、過去に行った計測結果との比較を行いました。

総合スコアは「8355」で、このソフトを使ったベンチマーク結果全体の中でどの位置にあるかを示すパーセンタイルは82%。つまり上位2割に入っているということで、かなりの高得点でした。


DellのCopilot+ PC「XPS 13 9345」およびHPのCopilot+ PCである「Omnibook X 14 AI PC」と比較するとこんな感じ。リリースが近いほかのノートPCを大きくリードするスコアです。


CPUのスコアは「32843」で87パーセンタイル。


やはりほかの2機種を上回っています。


2Dグラフィックスのスコアは「1060」で85パーセンタイル。


3モデルの中では依然トップです。


一方、3Dグラフィックスのスコアは「8623」で47パーセンタイル。上位50%に入れませんでした。


それでも、ほかの2機種は圧倒しています。


メモリ性能のスコアは「2759」でちょうど50%パーセンタイル。


ここで初めて3モデルの中で後れを取ることになりました。


最後のストレージのスコアは「40581」で91パーセンタイルと、上位1割の中に食い込みました。


ただし、XPS 13 9345には水をあけられました。


続いて、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」でゲーミング性能をチェックします。


3品質・4解像度で計測した結果が以下。なお、OmniBook Ultra 14-fdの解像度は2240×1400で、一番近い2560×1440だと軽量品質なら「普通」に動作するという結果に。解像度を妥協すれば標準品質まで「快適」でした。

品質\解像度3840×21602560×14401920×10801280×720
軽量品質1985(動作困難)3762(普通)5559(やや快適)7559(快適)
標準品質1531(動作困難)2895(やや重い)4234(普通)6619(快適)
高品質1340(動作困難)2247(重い)3065(普通)4229(普通)


「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」も試してみました。


解像度はデフォルトの「1920×1080」とし、5段階の品質でベンチマークを行ったところ、高品質まで「やや快適」で、最高品質でも「普通」に動作するという結果が得られました。

品質\解像度1920×1080
標準ノート7225(やや快適)
標準デスクトップ7154(やや快適)
高品質ノート3065(やや快適)
高品質デスクトップ6244(やや快適)
最高品質4445(普通)


◆そのほかの気づいた点
OmniBook Ultra 14-fdは負荷がかかるとファンが回って底面の通気孔から排気しますが、音はグラフィック関連のベンチマークソフトを走らせている最中でも50dBAを超えない程度。レビューした編集部員はほとんど音が気にならないと感じました。


高負荷状態でのキーボードの温度は40度前後で、触ると指の腹に熱が伝わるのが感じられますが、打鍵によるわずかな接触ならそれほど不快感はありません。


最も温度が高い部分は46.1度でした。


以下は、バッテリー駆動で画面輝度を最大にし、Wi-Fi接続によりインターネットを使用しながら半日ほど触った際の電力の使用状況をWindowsのBattery Report機能で出力したもの。14時30分から15時45分までの1時間15分で20%減っていることから、OmniBook Ultra 14-fdはバッテリー駆動で最低5~6時間は動かせることがわかります。


ひとつ気になったのは、タッチパッドの使用感です。タッチ精度自体に問題はなく、サイズが広いおかげで2本指でのピンチイン/ピンチアウトをはじめとしたジェスチャーもやりやすいのですが、下の方を押し込んだ際のクリック感度は低め。カチッと音がしたのにクリックできておらず、ダブルクリックのつもりが1回しかクリックできていなかったり、ドラッグ操作に失敗したりといったケースが頻発し、フラストレーションの原因になりました。「クリック入力する時はいつもタッチパッドをタップしている」という人なら気にならないと思われますが、クリックボタンやタッチパッドを押し込んでのクリック入力の方が慣れているという人は、買う前に一度実機を触って感触を確かめるか、別途マウスを用意した方がいいかもしれません。


◆まとめ
OmniBook Ultra 14-fdは全体的にハイスペックで、メモリ性能が標準的なことを除けば高い水準でまとまっています。グラフィックス性能もiGPU、つまりチップ内蔵型のGPUであることを考えると高性能で、ストレージもたっぷり1TBあるので、一般的なタスクからAIワークロード、ゲーミングまで幅広い用途に対応しています。

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in レビュー,   ハードウェア, Posted by log1l_ks

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