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Appleとゴールドマン・サックスに総額130億円の罰金、Apple Cardをめぐって「支払いオプションについて消費者に誤解させた」との指摘


Appleは2019年からゴールドマン・サックスと提携して独自のクレジットカード「Apple Card」を提供していますが、アメリカ消費者金融保護局(CFPB)は2024年10月23日、Appleとゴールドマン・サックスに対し、クレジットカード事業をめぐり不適切な業務慣行があったとして総額8900万ドル(約136億円)の罰金を科したことを発表しました。

CFPB Orders Apple and Goldman Sachs to Pay Over $89 Million for Apple Card Failures | Consumer Financial Protection Bureau
https://www.consumerfinance.gov/about-us/newsroom/cfpb-orders-apple-and-goldman-sachs-to-pay-over-89-million-for-apple-card-failures/


Apple and Goldman Sachs fined millions for misleading Apple Card holders - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/23/24277710/apple-goldman-sachs-cfpb-fine-charge-disputes-system

Apple and Goldman Sachs ordered to pay $89 million after Apple Card failures | CNN Business
https://edition.cnn.com/2024/10/23/business/goldman-sachs-apple-card-fine/index.html

CFPBによると、AppleはApple Cardでの取引において、消費者から届けられた数万件の異議申し立ての存在をゴールドマン・サックスに伝えていなかったとのこと。また、ゴールドマン・サックスは消費者トラブルを調査するための多くの連邦法に従わなかったことが指摘されています。この結果、ゴールドマン・サックスは信用報告書に消費者にとって不利な情報を載せ、カード所有者に詐欺的または不正な可能性のある購入の責任を負わせることになったとされています。


また、Appleは2019年12月からApple Cardを使うユーザーがApple製品を購入する際に、無利子分割払いサービスを提供しています。しかし、CFPBはAppleとゴールドマン・サックスがApple CardでApple製品を購入した際の無利子分割払いサービスについて消費者に誤解を与えていることを指摘しています。

多くの消費者が「Apple CardでApple製品を購入すると、自動的に無利子で分割払いが可能」と考えていましたが、実際にはApple製品購入時の無利子分割払いサービスはオプションで、自動的に登録されるものではありませんでした。この結果、Apple製品を分割購入した消費者に利息が課されることになりました。また、CFPBは「無利子分割払いサービスへの登録について、AppleはSafariを使うユーザーにのみプランを表示しており、登録の手順が複雑という問題にも直面していました」と批判しました。


このような問題から、CFPBはAppleに対して民事制裁金2500万ドル(約38億円)を科しています。また、ゴールドマン・サックスに対しては1980万ドル(約30億円)の賠償金と4500万ドル(約68億円)の民事制裁金が科されただけでなく、「実際に法令を遵守した商品であると信頼できる計画」が出されるまでのクレジットカード商品の新規発行を禁じました。

今回の決定を受け、Appleの広報担当者は「CFPBの命令は受け入れるものの、CFPBの主張には同意しかねます」「Apple Cardは、これまでに提供された中で最も消費者に優しいクレジットカードの1つです。Appleは数年前から今回の問題を把握しており、ゴールドマン・サックスと緊密に協力して迅速な対処を行い、影響を受けた顧客の支援を実施してきました」と述べています。

また、ゴールドマン・サックスのコミュニケーション担当バイスプレジデントであるニック・カルカテラ氏は「私たちは、Apple Cardのリリース後に発生した特定の技術的および運用上の課題に対処するために熱心に取り組んでおり、影響を受けた顧客にはすでに対処済みです」「この件についてCFPBと解決に向けた合意に至ったことをうれしく思います」と語りました。

なお、Appleとゴールドマン・サックスをめぐってはApple Card利用者向けの高利回り普通預金サービスの業績が悪化していることを受け、両社間の提携を終了し、JPモルガンが事業を引き継ぐ可能性が報じられています。

Appleがゴールドマン・サックスとの提携を終了か、Apple Cardの将来は不透明に - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by log1r_ut

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