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AIに自著を読み込ませてポッドキャストスタイルのオーディオを生成させた作家がその出来栄えについて語る


文章を分析してアイデア出しや思考整理を手助けするGoogleのAI「NotebookLM」に自分の本を読み込ませ、生成AIが醸し出す「豊かな表現」を感じたという作家が自身の体験についてつづりました。

Fake AI “podcasters” are reviewing my book and it’s freaking me out - Ars Technica
https://arstechnica.com/ai/2024/09/fake-ai-podcasters-are-reviewing-my-book-and-its-freaking-me-out/

ゲーム「マインスイーパ」にまつわる3万字の本を書いたというカイル・オーランド氏は、自身も生成AIの成長を積極的に追いかけていたと前置きしつつ、Googleの文章要約AI「NotebookLM」の性能がいかほどかについてよく知らなかったといいます。そんな折、ペンシルバニア大学ウォートン校で教えるAI専門家、イーサン・モリック教授が「NotebookLMに自著を読み込ませてオーディオを生成した」とSNSに投稿したのに触発され、自分もやってみたいと考えたそうです。


実際に本の内容を入力したオーランド氏によると、NotebookLMは「マインスイーパにインスパイアされたゲームの前史、90年代におけるMicrosoftのビジネス重視の苦しい戦い、マインスイーパが何百万台もの企業や政府のコンピューターにプリインストールされたことに対するモラル的なパニック、競技シーンを取り巻く驚くべき不正行為論争」など、この本の主要な部分をすべて取り上げつつ、完成度の高い要約を出力したといいます。


NotebookLMの性能が際立っていたのは、単に本の内容を要約しただけではなく、雑談を交えた紹介をしたという点にありました。NotebookLMは2種類の声を使い、以下のような対談形式の会話を生成したそうです。

声1:結局、コミュニティはもっとエレガントな解決策を考え出したんだ。
声2: 当ててみようか。マインスイーパの新しいバージョンを作ったんだ。
声1:その通り。
声2:古いバージョンで終わりにしたんだね。

会話には自然な「間」があり、時にはジョークも挟むなど、親しみやすい表現だったとのことです。オーランド氏は要約に深みが生まれたような印象を受けたそうですが、すでに本を読んだ人を演じた声が次のシーンでは読んでいないことになっていたりするなど、若干の違和感はあったといいます。また、「ウソでしょ!?」「冗談でしょ!」といったオーバーリアクションもあり、途中で切れてしまったような笑い声も入っていたそうです。


オーランド氏によると、生成AIが陥りがちな「幻覚」は目立たなかったものの、細かいところを間違っていたり、本文には書いていないたとえ話をすることがあったとのこと。

オーランド氏は「全体的に、本を読んでいない人でも大まかな概要を知れるくらいの完成度に仕上がっていました。個人的には、NotebookLMを論文やジャーナリスティックな記事に使うのはためらわれますが、じっくり読む時間も気力もない分厚い本の内容を手早く理解するには役立つでしょう。このようなAIが人間に混じってポッドキャスト形式の音声を配信する未来が容易に想像できます」と感想を述べました。

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in ソフトウェア, Posted by log1p_kr

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