WordPress.orgと決別してコミュニティ中心をあらためて目指したWordPressのフォーク「FreeWP」がスタート
オープンソースのコンテンツ管理システムであるWordPressで、開発コミュニティの元メンバーであるヴィニー・グリーン氏がWordPressをフォークした「FreeWP」のプロジェクトを開始しました。
The Wait is Over: FreeWP is Here to Shake Up the WordPress Ecosystem - FreeWP
https://freewp.com/the-wait-is-over-freewp-is-here-to-shake-up-the-wordpress-ecosystem/
Forking is Beautiful – WordPress News
https://wordpress.org/news/2024/10/spoon/
FreeWPが誕生した背景には、WordPressの開発者でAutomatticのCEOでもあるマット・マレンウェッグ氏が、WordPressベースのウェブホスティングサービスであるWP Engineを「コミュニティに還元していない」と痛烈に批判し、WP EngineからWordPress開発プロジェクトであるWordPress.orgへのアクセスを遮断したことがあります。
WordPressがWP Engineからのアクセスをブロックすると発表、「サイトが壊れたユーザーはWP Engineに直してもらって」と述べる - GIGAZINE
しかし、WordPress.orgの所有権を持つマレンウェッグ氏の行動にはWP EngineだけではなくAutomattic社内からも疑問の声が挙がっており、WordPressコミュニティでもマレンウェッグ氏の姿勢に異を唱える人々がAutomatticからの退職を勧められたり、WordPressコミュニティ用のSlackから追放されたりといった事例も発生しました。
「WordPress.orgは私個人が所有している」とAutomatticのマット・マレンウェッグCEO、非営利のオープンソースプロジェクトと営利サービスの境界線はどこにあるのか - GIGAZINE
by WordCamp United States
グリーン氏もWordPressやマレンウェッグ氏の言動に対する批判を行い、WordPressの公式Xアカウントからブロックされたとのこと。
This tweet got me blocked by the official @WordPress account, which is definitely not just a trench-coated trio of @photomatt https://t.co/FWJIHzaTW4 pic.twitter.com/yHDy3R5fy2
— Vinny Green (@vinnysgreen) October 5, 2024
グリーン氏は「マレンウェッグ氏はコミュニティをあざ笑っています。コミュニティが築き上げてきたものを尊重していません。彼はChatGPTを使ってあなたに語りかける言葉の価値を信じていません。彼は権力を持っています。彼は鍵を持っています。彼は金を持っています。彼は私たちに何もないと思っています」と述べ、WordPressのフォークであるFreeWPのスタートを宣言しました。
Matt is laughing in the community's face. He doesn't respect what the community's built. He doesn't believe in the values he's ChatGPT'ing to you.
— Vinny Green (@vinnysgreen) October 10, 2024
He's got the power.
He's got the keys.
He's got the money.
He thinks we have nothing.#freewp https://t.co/5Fg4FC17gN
グリーン氏はFreeWPの公式サイトで、「正式に設立された後、FreeWPは貢献者所有・運営の組織として確立され、本来あるべき姿であるコミュニティに権限を返還することになります」と述べ、マレンウェッグ氏やWordPress Foundationが運営するWordPress.orgとは決別して別のコミュニティを作り上げると語っています。
すでにFreeWPは「wp2cloud.com」「wp2desktop.com」「wp2.social」「wp2.global」「wp2.wiki」といったドメインを抑えているとのこと。この「wp2」はWordPress 2.0を意味しているそうで、無料でありオープンなコミュニティ主導のWordPressを目指すとグリーン氏は述べています。
これに対してマレンウェッグ氏はWordPressの公式アカウントを通じて、「WordPress自体もb2/cafelogプロジェクトのフォークとして始まりました。(中略)WordPressの方向性に賛同できない方は、ぜひ グリーン氏と一緒に素晴らしいWordPressフォークを開発してください。FreeWP万歳!」とコメントしています。
The right to fork the software is at the heart of open source. WordPress itself started as a fork of the b2/cafelog project. WordPress was one of several forks from b2, which included b2++ (which eventually became WordPress Multisite) and some like @b2evolution which still…
— WordPress (@WordPress) October 10, 2024
・関連記事
WordPress.orgのログイン時・新規ユーザー登録時に「WP Engineといかなる関係もない」ことを確認するチェックボックスが登場 - GIGAZINE
AutomatticのCEO兼WordPressの開発者のマット・マレンウェッグ氏がWP Engineを「WordPressの癌(がん)である」と痛烈に批判 - GIGAZINE
WordPress開発元のAutomatticがWordPress商標の使用停止命令書をWP Engineに送付 - GIGAZINE
WordPress開発元のAutomatticがWP Engineにライセンス料として収益の8%を要求していたことを公表 - GIGAZINE
WP EngineがWordPress開発元のAutomatticとマット・マレンウェッグCEOを提訴、WordPress商標を巡る争いはついに法廷へ - GIGAZINE
「WordPress.orgは私個人が所有している」とAutomatticのマット・マレンウェッグCEO、非営利のオープンソースプロジェクトと営利サービスの境界線はどこにあるのか - GIGAZINE
・関連コンテンツ